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カテゴリー: 医学・医療一般  |  基礎看護学

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生命倫理への招待

改訂6版

旭川医科大学 名誉教授 塩野 寛 著
旭川医科大学 教授 清水惠子 著

定価

2,090(本体 1,900円 +税10%)


  • A5判  221頁
  • 2021年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-52016-8

新しい情報を加えて改訂6版を刊行

看護学生・コメディカル学生向きの生命倫理学のテキスト.
医学の進歩により人の誕生から死にいたるすべての過程で,従来の倫理観ではとらえきれない問題に直面せざるを得ない状況となっている.
すべての医療従事者のために,生命の誕生(生殖補助医療・出生前診断)から死の倫理(脳死・終末期医療)までを,わかりやすく解説.

  • 序文
  • 目次
序文
 2015年の第5版の改訂から6年,このたび,新たに第6版のはこびとなりました.
 この本は,2001年の初版発行以来,将来医療職を目指す高校生,看護学生をはじめとする多様な医療職の教育現場で,学生とともに過ごしてきました.
 生命倫理(バイオエシックス)は,生命いのちに関わる,医療,生命科学,最先端医療,医学研究について,倫理問題を総合的に研究するために,20世紀後半に生まれた比較的新しい学問分野です.医学,医療,看護学,社会福祉学のみならず,社会学,心理学,文化人類学,社会思想史,法律学,経済学,経営学,宗教学,哲学,倫理学,神学など,幅広い学際的分野にわたるものです.どんな側面からアプローチされるにせよ,生命倫理は,生命の尊厳,人間の幸福を追求します.
 読者の皆さんは,実際の医療現場で,患者の健康と福祉の増進を目標に,さまざまな問題に取り組むことでしょう.本書がその一助となれば,筆者らの望外の喜びです.

2021年2月
雪と虹の札幌から     塩野 寛
大雪山を望む旭川から   清水惠子
目次
はじめに
 A 生命倫理の流れ
 B 医師の倫理
 C 看護の倫理
   診療の補助/療養上の世話
 D 医療倫理の必要性
 E 現代の医療倫理
 F 医療倫理の今後

第1章 生命への医学の介入
 A 生命への介入の歴史と問題点 —医学的進歩(生殖技術,再生医療)と課題—
   生命倫理と法
 B 生殖医療 —生殖補助医療と私たち—
   生殖補助医療
  1.人工授精
   歴史と現状/人工授精の適応/非配偶者間人工授精(AID)/人工授精と倫理
  2.体外受精
   卵子の提供,受精卵(胚)の提供
  3.顕微授精
   顕微授精の倫理
  4.代理出産
   代理母/日本産科婦人科学会の見解/国の対応/代理出産を禁止している国と容認する国/日本における代理出産の現状と問題点
  5.生殖補助医療の倫理的問題点
   借り腹および貸し腹/精子提供によって起こる問題/障がい児が生まれたとき/閉経後の出産/男女の産み分け
 C 生体臓器移植と家族
   生体からの臓器摘出の問題
 D クローン技術 —クローン人間は許されるのか?—
   クローン羊ドリーの誕生/クローニングの有用性/ヒトへのクローニング技術に関する倫理的問題/クローン人間に関する規制
 E ES細胞とiPS細胞 —幹細胞研究と人間の未来—
   ES細胞/iPS細胞

第2章 生を絶つことへの医学の介入
 A 胎児と人
   生命の発生/堕 胎/どこから「人」なのか
 B 人工妊娠中絶
   女性の自己決定権と胎児の生命権/生命の質による選択/日本における人工妊娠中絶の論争/欧米における人工妊娠中絶の論争/社会問題としての人工妊娠中絶
 C 選別出産と減数手術 —医学技術の進歩と課題—
   選別出産(出生前診断)/着床前診断/減数手術
 D 赤ちゃんポスト —希望への扉—

第3章 死への医学の介入
 A 死とは何か —死と法的手続き—
   心臓死と脳死/死と法律/死亡時刻/死亡診断書,死体検案書
 B 脳死と臓器移植
   脳死判定/臓器移植のための脳死判定/臓器移植の歴史/臓器移植の実績/本人の意思と家族の意思/脳死からの臓器移植のための社会的条件 —アメリカと日本—/移植患者の心理的問題点/脳死と植物状態/脳死と死亡時刻
 C 安楽死・尊厳死
  1.安楽死
   安楽死の歴史/現代の安楽死/安楽死と尊厳死/安楽死容認の動き/対応能力が欠けている患者の安楽死/日本での安楽死の取り扱い/日本の裁判例/外国の裁判例/慈悲殺
  2.尊厳死
   リビング・ウィル/尊厳死に関わる事件
 D 医療と宗教
   輸血・手術拒否に関する主な事件/輸血拒否への医療機関の対応/輸血療法とインフォームド・コンセント/医療側がなすべき課題/患者の自己決定権と医師の裁量権
 E 人殺しの死
   嬰児殺の法的取り扱い/殺 人/自 殺/自殺関与・同意殺人/遺体と死体/日本人の遺体へのこだわり
 F 長寿社会と健康寿命 —望ましい生とその終焉—
 G 死亡確認と死因究明

第4章 生と死のケア
 A ターミナルケアからエンド・オブ・ライフケアへ —QOLの重要性—
   エンド・オブ・ライフケア/病いの軌道/アドバンス・ケア・プランニング(ACP)/人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン/ホスピス・緩和ケアとは/スウェーデンのホスピス・緩和ケア/在宅緩和ケアの基準/在宅ホスピスでの家族支援
 B 看護からみた生と死のケア —コ・メディカルによるケア—
   看護の基本/過去・現在・未来/看護師と患者の関係/医師と違う看護師と患者の関係
 C 死の臨床 —患者の心理と援助の条件—
   がんの告知/死と患者の心理/死に向かう患者への援助/死のパターン分類/死の恐怖と不安/平安に死ねることへの援助の条件

第5章 インフォームド・コンセント
 A インフォームド・コンセントとは —歴史とその意義—
 B 医の倫理とインフォームド・コンセント
   インフォームド・コンセントが生まれた背景/インフォームド・コンセントの日本での普及/セカンド・オピニオン
 C 臨床研究と倫理的問題
   臨床研究におけるインフォームド・コンセント/臨床研究におけるインフォームド・コンセントの実際
 D パターナリズムと医師の裁量権 —倫理観の変遷—
   医師の裁量権と患者の自己決定権/診療情報の提供
 E 告知と終末期医療 —問題点と望ましい援助—
   最高裁判例(2002年9月24日判決)/さいたま地裁川越支部判例(2003年10月30日判決)/札幌地裁判例(1998年3月13日判決)/東京地裁判例(1971年5月19日判決)/最高裁判例(2001年11月27日判決)/最高裁判例(2009年12月判決)
 F インフォームド・コンセントの実際
 G インフォームド・コンセントの要件を満たすことが免除される場合
   患者の生命に関わるような緊急事態/法律による強制措置/患者自身が医療情報の開示や同意を放棄している場合/患者に同意能力がない場合/危険性の極めて低い医療行為
 H インフォームド・コンセントの倫理
   医療における倫理4原則/医療倫理の4原則の対立
 I インフォームド・コンセントと看護
   看護師に求められるインフォームド・コンセント/看護師の役割
 J 遺伝子診断と倫理的問題 —遺伝子解析とDNA鑑定— 
   遺伝性疾患における倫理的問題/遺伝学的検査と診断

第6章 医療と法と倫理
 A 医療行為と倫理
 B 医の倫理と法
 C 守秘義務と個人情報の保護,通報義務
   守秘義務/守秘義務の例外/個人情報の保護
 D 看護の倫理と法
   看護業務
 E 医療事故と看護
   医療事故の防止/看護と医療事故防止/医療事故防止体制/事故発生時の対応/看護師自身の向上心/看護と裁判事例

付 録
 1 ヒポクラテスの誓い
 2 WMAジュネーブ宣言
 3 ICN看護師の倫理綱領
 4 看護者の倫理綱領
 5 ヘルシンキ宣言
 6 患者の権利に関するWMAリスボン宣言
 7 母体保護法(抄)
 8 法的脳死判定マニュアル
 9 宗教的輸血拒否に関するガイドライン
 10 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン
 11 在宅緩和ケアの基準
 12 医療法(抄)

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