書籍カテゴリー:臨床看護学|精神医学/心身医学

高齢者のメンタルケア

在庫状況:絶版

高齢者のメンタルケア

1版

  • 河合メンタルクリニック院長 河合 眞 著

定価:2,484円(本体2,300円+税8%)

  • A5判 153頁
  • 2001年10月 発行
  • ISBN978-4-525-52021-2
  • ISBN4-525-52021-3

概要

老人ホーム,保健所の相談コーナー,大学病院,クリニックなどで八面六臂の活躍を見せる精神科医が,それぞれの場での実例をあげつつ,高齢者のこころの問題を考察する.高齢者の看護,介護に携わる日常で,行き詰まりを感じていても,新たな気持ちで高齢者のこころをとらえ直すことができるような内容となっている.

目次

第1章 看護学校の講義の経験から 痴呆という現象のとらえかた
 看護学生の感想
 試験問題
 先達の教え
 物の見方,考え方
 せん妄の介護
 看護学生の想い

第2章 痴呆老人病棟前庭での農村風景の再現 “作業療法”の試み
 水と記憶のせせらぎ
 音楽療法の成立
 オーケストラの誕生
 檜舞台を踏む
 芸術療法としての音楽療法
 言葉を越えたメッセージとしての音楽
 音楽療法の起源/音楽療法にまつわるエピソード
 手作りのツリーチャイム
 老人ホームでオーケストラ結成のアイデア
 老人が演奏できるオリジナル曲の誕生
 類は友を呼ぶ?―良き理解者の出現
 山のふもとでの音楽療法合宿
 合宿の四季
 音楽療法に呼応する人々との出会い

第3章 人形遊びをする老人から見えてくるもの 老年期の喪失体験
 <症例1>78歳 女性
 <症例2>88歳 女性
 <症例3>91歳 女性
 <症例4>83歳 女性
 <症例5>85歳 男性
 考察/追補:老いの受容障害

第4章 老人のもつ妄想の世界 誤った見当識の訂正は必要か?
 妄想の存在
 日常の経験生活と妄想
 老年期の妄想の性格
 <症例1>63歳 男性
 考察
 鏡現象
 <症例2>89歳 女性
 考察
 虚構の世界の容認
 世間話から老人の昔語りへ

第5章 老人ホームでのケーススタディ 介護現場で医療との連携をはかる
 入所時の不適応について
 <症例1>84歳 女性
 歪められた欲望
 ご飯とセックス
 老人の異食
 老人の性
 徘徊

第6章 精神科医の訪問診療記 地域に密着した医療活動
 保健所の高齢者精神障害相談コーナー
 保健所での相談のケース
 相談する立場・相談される立場
 訪問診療のケース
 訪問診療の設定
 ケースの背景にある土地柄
 事例
 追補:痴呆老人を抱える家族の会

第7章 精神科医が他科に呼ばれるとき リエゾン精神医学の役割
 往診のケース
 治療構造からみた診察空間
 ゲームのルールに例えられる治療構造
 往診で生じる空間
 実際の往診の場合
 大腿骨頚部骨折患者の往診
 せん妄の対応
 感覚機能の低下とせん妄
 痴呆の合併
 老人の精神療法に対する想い
 参考 治療的立場からみたせん妄と痴呆の診断

第8章 メンタルクリニックの風景 患者と家族と医療スタッフと
 開業による治療構造の変化
 待合室での読書
 陽の当たらない場所
 娘と姑/果たして痴呆なのか?
 杖歩行の老婦人
 術後慢性疼痛の老紳士
 立ち現れる人々

第9章 医療の関わり 痴呆の心理・社会的治療
 痴呆の薬物療法の現状
 抗痴呆薬の今後
 心理・社会的治療(非薬物療法)の目指すもの
 心理・社会的治療のタイプ
 種々の心理・社会的アプローチ
 行動療法
 情緒療法・認知療法
 親和的対人交流集団精神療法
 認知療法
 作業療法の分野からの試み
 諸療法の比較検討
 老人の・心理社会的治療の一般的傾向
 心理・社会的治療の評価
 心理・社会的治療の臨床的意義
 日本人の心性と心理・社会的治療のあり方

第10章 老年期のADLとQOL 老年期の生きがいをめぐって
 痴呆老人病棟の生きがい
 痴呆老人とADLの低下
 ADL既成概念の修正
 痴呆老人病棟の患者のQOL
 臨床データの収集
 項目の定義づけ
 測定の実施方法
 データ分析
 クラスター分析とは
 結果の解釈
 いくつかの問題点の所在
 研究方法の信頼性
 参考

付録
A.人・言葉・癒し(心理士 加藤成子)
B.自発的な気持ちで音楽の「場」とかかわる
(ピアノ教室を主宰する作曲家 小林瑠以)
C.音楽の風景(音楽合宿を提唱したボヘミアン 高橋直伸)
D.老人ホーム介護マニュアルの作成
 (特別養護老人ホーム(現指定介護老人福祉施設)水郷荘事務長 新保瑠美子)
E.「無題」(河合 眞)

著者関係老年精神医学主要文献
あとがき