書籍カテゴリー:栄養学

基礎栄養学
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基礎栄養学

第9版

  • 元日本女子大学教授 飯塚美和子 編
  • 元実践女子短期大学教授 奥野和子 編
  • 淑徳大学教授 保屋野美智子 編

定価:2,808円(本体2,600円+税8%)

  • B5判 210頁
  • 2015年4月 発行
  • ISBN978-4-525-63279-3

概要

栄養学を学ぶ学生のために,栄養素とその代謝のしくみを理解しやすく,また頭の中にインプットできるように記載された教科書.
改訂9版では,「日本人の食事摂取基準2015年版」のデータに更新した.
管理栄養士,栄養士を目指す学生の教科書として最適である.

序文

 今回,8 版を改訂し 9 版の出版となった.改訂の主な理由は,日本人の食事摂取基準2015 年版の刊行に合わせたことである.2015 版の策定にあたっては多くの研究者の科学的な根拠を取り入れている.生命科学に対する追究は日々進歩しており,人々はその恩恵を受けている.本書もこれらの事実を可能な限り取り入れ,学生をはじめ,本書を手にとられる人々に届けたいと願い改訂を行なった.
 本書は初版より,栄養学に関する基礎的知識を確実に習得していけることを目指し編集してきた.また,管理栄養士,栄養士養成のカリキュラムや管理栄養士の国家試験出題ガイドライン,栄養士養成施設協会の栄養士実力認定試験を視野に入れ,内容の充実を図ってきた.
 前回の改訂より,学生の勉学を容易にするために,特に各章の項目立ての工夫や,目次・索引からの検索が容易にできるように編集してきたので,初版から貫いてきた栄養学としての全体的なまとまりに,無理な部分が生じていることは否めない.
 栄養学を取り巻く科学的進歩は目覚ましいが,その成果がなかなか社会に反映されて行かず,生活習慣病は減少していない.栄養関係の分野を専門としている人々への責任と期待は大きいといえる.
 食育の重要性が叫ばれる今日,“どんな食べ物を(食品や料理の組み合わせ),どれだけ(摂取量),どのように(いつ,どこで,誰と)食べたら良いか”を理解することが必須である.それを実行していくための基礎となることを期待している.
 本書は,管理栄養士,栄養士ばかりでなく,看護,保育,介護の分野に携わる人々をはじめ,栄養や健康に興味を持たれる方々が,確かな栄養学の基礎を身につけるための書物として御利用いただきたいと考えている.

2015年 3月吉日
著者ら

目次

1 栄養の概念 

A 栄養の定義 
 a.栄養とは 
 b.生命の維持・健康保持と食生活のかかわり 
 c.健康の概念 
 d.食物の果たす栄養学的役割と栄養素 
  1)食物はエネルギーを与える 
  2)食物は身体組織をつくる 
  3)食物は体内のさまざまな機能を調節し支配する成分を与える 
 e.食物摂取にかかわりをもつ要素 
 f.栄養学の使命 
B 栄養と健康・疾患 
 a.寿命と疾病構造 
 b.生活習慣病 
 c.食物摂取と栄養状態の変化(栄養素の欠乏と過剰) 
 d.栄養学と遺伝子 
 e.健康増進 
C 栄養学のあゆみ 
 a.呼吸とエネルギー代謝 
 b.三大栄養素 
  1)炭水化物 
  2)脂質 
  3)たんぱく質 
 c.三大栄養素の消化と利用 
 d.たんぱく質の栄養価 
 e.ビタミンの発見 
 f.ミネラル(無機質)の栄養 

2 栄養素の化学と機能 

A 炭水化物
 a.炭水化物の種類と特徴 
  1)単糖類 
  2)少糖類 
  3)多糖類 
  4)誘導糖質 
 b.炭水化物の機能 
  1)糖質 
  2)食物繊維 
 c.炭水化物を多く含む食品の摂取状況 
  1)炭水化物の摂取 
  2)食物繊維の摂取 
B 脂質
 a.脂質の種類と特徴 
  1)脂肪 
  2)複合脂質(リン脂質,糖脂質) 
  3)ステロール類 
 b.脂質の機能 
  1)脂肪 
  2)ステロール類 
 c.脂質の摂取状況 
  1)脂肪 
  2)コレステロール 
C たんぱく質
 a.たんぱく質の構造と種類 
  1)アミノ酸 
  2)たんぱく質の構造 
  3)たんぱく質の分類 
  4)たんぱく質の特異性 
 b.たんぱく質の機能 
  1)生体の維持と成長 
  2)酵素,ホルモン,抗体 
  3)貯蔵,輸送 
  4)体液の調節 
  5)エネルギー源 
 c.食品中のたんぱく質の栄養価 
  1)必須アミノ酸 
  2)食品中のたんぱく質の栄養価 
  3)アミノ酸補足効果 
 d.たんぱく質の摂取状況 
 e.酵素およびホルモン 
  1)酵素 
  2)ホルモン 
D ミネラル(無機質)
 a.ミネラル(無機質)の体内含量 
 b.ミネラル(無機質)の機能 
 c.ミネラル(無機質)の種類と特徴 
  1)カルシウム 
  2)リン 
  3)マグネシウム 
  4)ナトリウム,カリウム,塩素 
  5)鉄 
  6)ヨウ素 
  7)その他の微量元素(銅,コバルト,亜鉛,フッ素,マンガン,モリブデン,セレン,クロム) 
E ビタミン
 a.ビタミンの種類と存在 
 b.脂溶性ビタミン 
  1)ビタミン A 
  2)ビタミン D 
  3)ビタミン E 
  4)ビタミン K 
 c.水溶性ビタミン 
  1)ビタミン B 群 
  2)ビタミン C 
F 水・電解質 
 a.水の出納 
  1)体内の水の含量 
  2)体内の水の分布 
  3)水の摂取 
  4)水の排泄 
 b.電解質の代謝 
  1)浸透圧調節 
  2)細胞外液量の調節 
  3)病的な浸透圧の異常 
 c.酸-塩基平衡 

3 摂食行動 

A 食欲調節の神経機構 
 a.視床下部の役割 
 b.摂食中枢と満腹中枢 
B 食欲調節因子 
 a.血糖値 
 b.ホルモン 
 c.血中脂肪酸量
 d.胃の収縮運動 
 e.情動 
 f.体温 
 g.その他 
C レプチンの作用 

4 消化と吸収 

A 消化・吸収の基本的な概念 
 a.消化 
 b.吸収 
 c.消化液 
 d.消化管の運動 
B 消化管における消化 
 a.口腔内における消化 
  1)口腔の構造と機能 
  2)口腔での化学的消化 
 b.咽頭-食道 
 c.胃における消化 
  1)胃の構造 
  2)胃液 
  3)胃の機能 
  4)胃内での化学的消化 
 d.小腸における消化 
  1)小腸の構造 
  2)小腸の機能 
  3)胆汁 
  4)膵液 
  5)小腸管内での化学的消化 
C 膜消化 
D 吸収の機構 
 a.吸収機構の概念 
  1)拡散(受動輸送) 
  2)能動輸送 
  3)飲作用 
 b.栄養素別の吸収 
  1)糖質の吸収 
  2)脂質の吸収
  3)たんぱく質の吸収 
  4)ビタミンの吸収 
  5)ミネラル(無機質)の吸収 
  6)水の吸収 
E 大腸における生物学的消化 
 a.大腸の構造 
 b.大腸の機能 
 c.大腸内における腸内細菌による分解 
  1)腸内細菌による分解 
  2)難消化性糖質や未消化の糖質の分解 
  3)未消化のたんぱく質の分解 
  4)糞便の成分 
F プロバイオティクス,プレバイオティクス,シンバイオティクス 
G 消化吸収率 
H 消化液の分泌調節 
 a.自律神経系による調節 
 b.消化管ホルモンによる調節 

5 栄養素の代謝 

Ⅰ 糖質の栄養  
A 糖質の代謝 
 a.代謝とは 
  1)細胞の構造 
  2)細胞器官の機能 
 b.糖質代謝の概要 
 c.肝臓内における代謝 
  1)肝グリコーゲンの生成 
  2)肝グリコーゲンの分解 
  3)糖新生 
 d.筋肉内における代謝 
  1)筋肉グリコーゲンの生成 
  2)筋肉グリコーゲンの分解 
 e.糖新生 
  1)ピルビン酸,糖原性アミノ酸 
  2)コリ回路 
 f.食後/食間期の糖質代謝 
B 血糖とその調節 
 a.血糖および血糖曲線 
 b.血糖調節ホルモン 
 c.インスリンの作用 
 d.肝臓における役割 
 e.筋肉・脂肪組織の役割 
C 糖質と脂質,たんぱく質代謝との相互関係 
 a.体脂肪の生成 
 b.ビタミンB1の必要量の増加 
 c.たんぱく質節約作用 
 d.その他の作用 
Ⅱ 脂質の栄養  
A 脂質代謝の概要 
 a.食後の移送 
 b.肝臓における代謝 
B 脂質の臓器間輸送 
 a.血液中の脂質(リポたんぱく質) 
 b.遊離脂肪 
C 体脂肪の生成と分解(エネルギーの生産と貯蔵) 
 a.トリグリセリドの分解 
  1)脂肪酸のβ酸化 
  2)グリセロールの代謝 
 b.トリグリセリドの生成 
  1)脂肪酸の生成 
  2)トリグリセリドの生成 
 c.ケトン体の生成と利用 
 d.ホルモン感受性リパーゼ 
 e.内臓脂肪細胞の役割 
 f.効率のよいエネルギー源 
  1)糖質の節約作用 
  2)ビタミンB1節約作用 
D 多価不飽和脂肪酸の代謝(脂肪酸由来の生理活性物質) 
 a.エイコサノイドの生成 
E コレステロールの代謝 
 a.コレステロールの輸送と役割 
 b.ステロイドホルモン 
  1)アルドステロン 
  2)コルチゾール 
  3)性ホルモン 
 c.胆汁酸の腸管循環 
 d.コレステロール代謝の調節 
Ⅲ たんぱく質の栄養  
A たんぱく質代謝の概要 
 a.たんぱく質代謝の臓器差 
 b.アミノ酸の臓器間輸送 
  1)アミノ酸プール 
  2)アミノ酸の臓器間の移動 
  3)分岐鎖アミノ酸の特徴 
 c.栄養評価に重要なたんぱく質 
  1)アルブミン 
  2)急速代謝回転たんぱく質(RTP) 
 d.窒素出納 
B 体たんぱく質の分解 
 a.アミノ基の離脱と移動 
  1)アミノ基転移反応 
  2)グルタミン酸脱水素反応 
 b.尿素の生成 
 c.炭素骨格部分の代謝 
C アミノ酸から生成される重要な窒素化合物 
D 体たんぱく質の生成と核酸の代謝 
 a.核酸とは 
  1)DNA 
  2)RNA 
 b.たんぱく質の生成 
 c.核酸の代謝 
  1)核酸の生成 
  2)核酸の分解 
E たんぱく質の代謝産物 

6 エネルギー代謝 

A エネルギーの産生系と効率 
 a.ATP の生成量とそのエネルギー 
 b.栄養素の生理的エネルギー値 
  1)理論値 
  2)生理的エネルギー値 
 c.エネルギー代謝における酸素の調達 
 d.呼吸商 
  1)糖質の場合 
  2)脂肪の場合 
  3)たんぱく質の場合 
B エネルギーの消費 
 a.基礎代謝(BM) 
  1)基礎代謝量を決定する因子 
  2)基礎代謝に影響を与える因子 
 b.安静時代謝量(REE) 
 c.睡眠時代謝量 
 d.食事誘発性体熱産生(DIT) 
C 活動代謝とエネルギー供給源 
 a.活動代謝と酸素摂取量との関係 
 b.活動強度とエネルギー供給源のタイプ 
  1)非乳酸性エネルギー産生機構(ATP-CP 系) 
  2)乳酸性エネルギー産生機構(乳酸系) 
  3)有酸素性エネルギー産生機構(有酸素系) 
D エネルギー代謝の測定法 
  1)直接測定法 
  2)間接測定法 
E 1 日の消費エネルギーの算出 
 a.生活時間調査法
 b.二重標識水法 
 c.加速度計法,心拍計法 
F 臓器別のエネルギー代謝 

7 遺伝子発現と栄養 

A 遺伝形質と栄養 
 a.遺伝子多型 
 b.生活習慣病と遺伝子多型 
  1)肥満や糖尿病に関与する倹約遺伝子仮説 
  2)高血圧の感受性遺伝子 
  3)メタボリックシンドロームに関係がある遺伝子多型と栄養 
B 後天的遺伝子変異と栄養成分 
 a.がんのプロモーション・イニシエーションの抑制 
 b.発がんと抗酸化物質の作用 

8 日本人の食事摂取基準と食品 

A これまでの栄養摂取量算定の経過 
B 日本人の食事摂取基準(2015 年版) 
 a.概要 162
 b.エネルギーの指標 
 c.栄養素の指標 
  1)推定平均必要量(EAR) 
  2)推奨量(RDA) 
  3)目安量(AI) 
  4)耐容上限量(UL) 
  5)目標量(DG) 
 d.設定において留意した基本的事項 
  1)年齢区分 
  2)参照体位 
  3)目安量と目標量算定のための摂取量のデータを用いた栄養素 
  4)食事摂取基準の活用の要点 
C 食品選択の指標 
 a.食品群別摂取目標量(食品構成) 
 b.食品分類 
 c.食事バランスガイド 
 d.食生活指針 
 e.「健康日本 21」栄養・食生活の指標の目安 
 f.がん予防のための 12 ヵ条
 g.健康づくりのための休養指針 


付表 1.栄養学のあゆみ
付表 2.日本人の食事摂取基準(2015 年版)