書籍カテゴリー:栄養学

公衆栄養学実習 学内編
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公衆栄養学実習 学内編

1版

  • 大阪府立大学教授 今木雅英 編著

定価:2,376円(本体2,200円+税8%)

  • A4判 162頁
  • 2009年4月 発行
  • ISBN978-4-525-63361-5

概要

公衆栄養学の講義と学外実習の架け橋となる学内実習のための教科書と演習・実習ノートを兼ねた画期的な書.本書を使うことにより,公衆栄養実践の中心である「公衆栄養アセスメント」「公衆栄養プログラム計画・目標設定」「公衆栄養プログラムの実施」「公衆栄養プログラムの評価」を実行するためのスキルを身につけられる.

序文

「いつまでも健康に歳を重ねたい」.これはすべての人々の願いです.健康寿命の延伸や生活習慣病予防のため,国や地方自治体,各種団体など関係機関においてはさまざまな健康づくり運動を展開しています.また,マスメディアやインターネットによっても多くの健康番組や健康情報が提供され,国民の健康志向を啓発しています.
しかし,実際の健康づくりは成果が上がっているのでしょうか.たしかに国民の生活や健康に対する意識は変化していますが,個人個人の健康づくりが成功しているとは言いがたいのではないでしょうか.現実の社会においては健康度合いの差が拡大し,「健康格差社会」の様相を呈してきています.
このような状況にあっては,地域や職域などは組織の横断的な連携と協働を図りながら,健康と栄養に関わる課題を解決することが求められています.
管理栄養士養成課程の教育目標には,これらの課題に取組む実践能力の育成があげられており,その目標を達成するために「公衆栄養学」が配置されています.公衆栄養学は,講義から始まり学内実習,保健所・センターなどにおける学外実習までといったように,知識の習得から臨地での実践へと一連の科目構成になっています.
本実習書は公衆栄養学の学内実習用に作成し,講義の復習と学外実習のシミュレーションとしての位置づけを持たせています.特に公衆栄養活動の実践に必要となる実際的な専門的技術・技能を獲得できるように編集していますので,学外実習前の習得項目チェックにも役立つと思います.また,本実習書の内容は,(1)公衆栄養アセスメント,(2)公衆栄養プログラムの目標・計画作成,(3)公衆栄養プログラムの実施,(4)公衆栄養プログラムの評価の4項目を柱にして,公衆栄養活動における綿密な計画(Plan),確かな実施(Do),的確な評価(See)を修得できるような実習項目で構成されています.これらを学習することで,管理栄養士養成課程の学生が現場における公衆栄養活動を理解し,自ら問題を提起し,問題解決のための活発なブレーンストーミングを学生間で交わす力量がつくことを願っています.
最後に,本書の刊行に当たり,南山堂伊藤美由紀姉,本山麻美子姉にひとかたならぬご尽力を頂戴しましたことをここに深く感謝申し上げます.
発刊後も,読者の方から貴重なご意見を賜り,本書のさらなる充実を図ることができれば幸いです.


2009年3月
編著者 今木雅英



目次

第1章 公衆栄養学実習の目的と基本的な考え方

第1節 公衆栄養学実習の目的
1.公衆栄養学とは
2.管理栄養士の役割と公衆栄養学実習
3.管理栄養士に必要なスキルと公衆栄養学実習


第2章 公衆栄養アセスメントのための基礎実習

第1節既存資料の分析と活用演習
1.利用できる既存資料とは
1)利用できる既存資料
2)既存資料の探し方−政府刊行物・インターネットの利用−
3)資料の分析と活用
演習・実習 2-1〜2-7

第2節 アンケート調査票の作成実習
1.アンケート調査とは
1)アンケート調査の5W1H
2)アンケート調査の流れ
2.企画とアンケート調査の設計
3.調査課題の検討
4.調査対象の定義
1)調査対象をどのような情報源から選定(抽出)するのか
2)調査対象者の選定は集団全員を対象とするのか,抽出するのか
5.調査方法の検討
6.アンケート調査項目の決定
7.調査期間・調査費用(作成料,連絡費,謝礼,解析費など)の見積もり
8.準 備
1)アンケート調査依頼文の作成
9.アンケート調査票の作成
1)フェイス・シート(対象者基本属性)項目
2)質問の作成
3)アンケート調査票の設計
4)プレテスト(予備テスト)
演習・実習 2-8〜2-10

第3節 食事調査法の比較検討実習
1.食事調査法の概要
2.食事記録法(秤量記録法,目安量記録法)
1)食事記録関連帳票一覧
2)調査対象者への説明
3)食事記録用紙回収後の処理
4)食事記録集計作業におけるデータベース
5)集計作業における留意点
3.24時間思い出し法
1)面接手順
2)留意点
4.食物摂取頻度調査法
1)食物摂取頻度調査法の開発
演習・実習 2-11〜2-18

第4節 社会調査法の比較検討実習
1)観察法
2)質問法
3)留め置き法
4)郵送法
5)面接法
6)電話法
7)インターネット調査
演習・実習 2-19〜2-21


第3章 公衆栄養プログラムの計画・目標設定のための基礎演習

第1節わが国の栄養施策の解析演習
1.わが国における栄養施策の変遷
1)「健康日本21」について
2)目的指向の計画づくり
演習・実習 3-1

第2節 目標設定のための食事摂取基準活用演習
1.日本人の食事摂取基準(2005年版)(概要)
1)策定の目的
2)使用期間
3)策定方針
4)基本的な活用方法
5)使用に当たっての留意点
6)「健康日本21」の栄養・食生活分野における現状と目標値
演習・実習 3-2

第3節 事業計画シート作成
1.地域栄養計画と事業計画
2.地域栄養計画の策定
1)地域の把握
2)住民参加
3)数値目標
4)優先順位
5)事業計画シート
演習・実習 3-3


第4章 公衆栄養プログラム実施のための基礎実習

第1節 媒体作成技法実習
1.媒体とは
2.媒体の種類と使用目的
3.媒体作成方法
1)媒体作成上の留意点
演習・実習 4-1〜4-2

第2節 パンフレット・ポスター作成実習
1.パンフレット
1)作成手順
2.ポスター
1)作成手順
演習・実習 4-3〜4-6

第3節ホームページ作成実習
1.ホームページとウェブサイト
2.Hyper Text Markup Language(HTML)
3.インターネットやホームページの利用についての注意事項
4.ホームページの作成方法
1)フォルダ作成
2)メモ帳を使用したホームページ作成
5.アップロード
演習・実習 4-7

第4節 対象者別の小集団栄養教育実習
1.栄養アセスメント
2.栄養教育プログラムの目標設定・計画策定
3.栄養教育プログラムの実施
4.栄養教育プログラムの評価
5.妊娠期を対象とする栄養教育実習
1)妊娠期の特性
2)実施例
6.授乳・離乳期(乳児期)を対象とする栄養教育実習
1)授乳・離乳期の特性
2)実施例
7.幼児期を対象とする栄養教育実習
1)幼児期の特性
2)実施例
8.学童期を対象とする栄養教育実習
1)学童期の特性
2)実施例
9.思春期を対象とする栄養教育実習
1)思春期の特性
2)実施例
10.成人期・壮年期を対象とする栄養教育実習
1)成人期・壮年期の特性
2)実施例
11.高齢者を対象とする栄養教育実習
1)高齢者の特性
2)実施例
演習・実習 4-8

第5節 機器を用いた栄養教育実習
1.携帯カメラを用いた栄養教育実習
2.ライフコーダを用いた栄養教育実習
3.インターネットを用いた栄養教育実習
演習・実習 4-9〜4-11


第5章 公衆栄養プログラムの評価のための基礎実習

第1節 評価(アセスメント)のための食事摂取基準の活用
1.評価(アセスメント)のための考え方
1)内部比較と外部比較−アセスメント値と食事摂取基準の比較−
2)評価のための基本的な考え方
3)習慣的な摂取量について
2.栄養評価への活用のポイント
1)推定平均必要量
2)推奨量
3)目安量
4)目標量
5)上限量
演習・実習 5-1

第2節 栄養疫学演習
1.栄養疫学とは
2.疫学調査方法
1)観察的疫学研究
2)介入研究……105
3.因果関係の判定について
1)判定基準
2)統計的に有意な相関関係であるが,因果関係がない場合の例
4.疫学研究における誤差
1)標本誤差および非標本誤差
2)偶然誤差
3)系統誤差
5.疫学指標
1)患者数の把握
2)疾病頻度の測定尺度
演習・実習 5-2〜5-6

第3節 評価のための統計処理演習
1.統計処理の必要性
2.統計処理の基礎の基礎
3.みえない数(データ)をみえる形に
1)度数分布表
2)ヒストグラム
4.データの位置をはかる
1)平均値
2)中央値
3)最頻値
5.データのばらつき(広がり)をはかる
6.データを比べる
7.因果関係を調べる
演習・実習 5-7〜5-15


第6章 公衆栄養実践のための応用実習

第1節 市町村における具体的な目標・計画の立案実習
1.市町村における事業について
1)地域住民との関わり
2)計画立案の考え方
3)国,都道府県などの基本計画との関係
4)運営について
2.地域住民が参加した市町村の事業の事例
演習・実習 6-1〜6-3

第2節 国,都道府県における事業計画の調査実習
1.21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」
2.都道府県における健康づくり運動の例
1)「健康おおさか21」計画策定
2)「健康おおさか21」中間評価
3)大阪府健康増進計画の策定
演習・実習 6-4〜6-9


第7章 プレゼンテーションのための応用実習

第1節 調査・研究レポートの作成実習
1.よりよく書くためのコツ
2.調査・研究レポート(論文)の基本構成
3.調査・研究レポート(論文)のタイトル
4.緒言の書き方
1)緒言執筆のコツ
2)論文の書き出し
3)その分野(公衆栄養学など)における過去の研究について
4)問題点の解決に対する方策
5.研究方法の書き方
1)研究方法の執筆のコツ
2)倫理の遵守について
3)調査・測定方法の記載について
4)解析方法
6.結果の書き方
1)書き方の流れ
2)統計的な情報の記述法
3)図表の作成について
7.考察の書き方
1)考察の構成
2)結 果
3)結果に対する考察
4)過去の研究との比較
5)研究の限界
6)全体のまとめ
8.結論の書き方
9.参考文献の選択の基本原則
演習・実習 7-1〜7-3

第2節 パワーポイントを用いたプレゼンテーション総合演習
1.プレゼンテーションとは
2.スライド作成に取りかかる前に(事前準備)
1)目的の明確化
2)プレゼンテーションの基本骨格
3)プレゼンテーションの長さ
4)聴衆の分析
3.プレゼンテーションに必要な機器
1)ハードウェア
2)ソフトウェア
4.パワーポイントを使ったスライドの作成
1)Microsoft O.ce PowerPoint 2007の起動
2)パワーポイントの画面と基本操作
3)プレゼンテーションの作成
4)みやすい,わかりやすいスライド作成の秘訣
5)スライドショーと印刷設定
5.プレゼンテーションを成功させるための秘訣
演習・実習 7-4〜7-6


第8章 公衆栄養実践の事例

第1節都道府県における公衆栄養活動の事例
1.大阪府健康増進計画
2.大阪府における公衆栄養活動事例
1)大阪府における食育を通じた健康づくり推進対策 〜野菜バリバリ朝食モリモリ食育推進プロジェクト〜