書籍カテゴリー:臨床薬学|内分泌・代謝学

糖尿病薬物療法の管理
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薬剤師の強化書シリーズ
糖尿病薬物療法の管理
ー知りたかった答えがココにある!ー

1版

  • 新潟薬科大学薬学部准教授 朝倉俊成 編

定価:4,212円(本体3,900円+税8%)

  • B5判 473頁
  • 2010年9月 発行
  • ISBN978-4-525-70171-0

概要

新しい診断基準やインクレチン関連薬などの最新情報を解説!糖尿病の病態・治療薬の種類と特徴,また患者さんの悩み・トラブルへの対応についても解説している.さらに,糖尿病の薬物療法で重要となるインスリン療法およびデバイスを含めたインスリン製剤の特徴・使い方もこれ一冊で網羅できる.現場の薬剤師に必携の一冊である.

序文

 近年,糖尿病治療薬の開発が進み,患者の血糖コントロールはある程度ピンポイントに狙いを定めて治療することが可能になってきました.しかし,糖尿病の治療は長期的なものであり,かつ患者自身の療養生活に依存しているため,治療を進めるためには患者(ヒト)中心の取り組みが必要であるといえます.一方,医薬品や医療用器具には物質として正しい使用が求められることから,モノを意識したうえでの患者説明が必要になるといえます.すなわち,糖尿病薬物療法では「ヒトとモノの関係を把握したうえで医薬品(医療用器具)の適正使用を確立する」ことが重要だと思います.
 現実には,多種ある糖尿病治療薬の作用や違いを知りたい,医師はどのようにして処方を考えているのか,薬剤師は治療薬をどのように管理するのかという基本事項や,患者の心理とどう向き合うのか,経口血糖降下薬を継続して服用している患者に何を伝えたらよいのか,患者のライフスタイルに沿った服薬指導をどのように行えばよいのか,インスリン自己注射の指導法は何から勉強したらよいのかという奥深い悩みを抱えていると思います.そこで,これらに応えるべく,「モノ」と「ヒト」の関係から薬物療法をどのようにすすめるか,さらに糖尿病薬物療法を導入あるいは継続するなかで,薬剤師として何をどのように管理すべきかをまとめることにしました.
 編者は,故 阿部隆三 先生(前太田記念病院院長)と清野弘明 先生(せいの内科クリニック院長)に師事し,「医療者は臨床家であることと同時に科学者であれ」ということを教えていただきました.本書には豊富な臨床事例以外に,多くのEBMが掲載されています.そして,それは糖尿病薬物療法を第一線で実践されている医師やその指導・管理を担っている薬剤師にまとめていただきました.これだけ多くの素晴らしい先生方にご執筆いただけたことに感銘を受けています.本書は,これから糖尿病薬物療法を勉強したいあるいはさらに知識を深めたいという薬剤師や,多くの医療スタッフにとって強力な味方になるものと思います.
 最後に,この企画を推進してくださった南山堂編集部の大城梨絵子 氏,古川晶彦 氏に感謝申し上げます.そして,故 阿部隆三 先生に捧げます.

2010年8月吉日
朝倉俊成

目次

第1章 チーム医療における薬剤師の役割

第2章 糖尿病治療における患者心理と療養指導のコツ

第3章 治療方針決定までのながれ
 1 病態の基礎(1) 糖尿病患者のインスリン分泌動態
 2 病態の基礎(2) インスリン療法が必要な糖尿病の病態
 3 検 査
 4 診 断
 5 治療方針

第4章 糖尿病合併症:細小血管症と大血管症

第5章 治療薬の種類と作用メカニズム
 1 経口血糖降下薬
  スルホニル尿素(SU)薬
  ビグアナイド薬
  インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン誘導体)
  α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
  速効型食後血糖降下薬(グリニド薬)
  糖尿病神経障害治療薬
 2 インスリン製剤
  インスリン製剤の歴史
  超速効型インスリン
  速効型インスリン
  中間型インスリン
  混合型インスリン
  持効型溶解インスリン
 3 インクレチン関連薬
 4 インスリン注入器および注射針の種類と特徴
 5 インスリン注入器用注射針再使用の問題点

第6章 処方計画の基本
 1 経口血糖降下薬の使い分け
 2 経口血糖降下薬の初回量の決め方
 3 インスリン療法の導入 初回量の決め方と責任インスリンの考え方
 4 従来療法と強化インスリン療法

第7章 処方変更の基本(投与量の調節)
 1 経口血糖降下薬併用・変更のタイミング
 2 インスリン製剤併用・変更のタイミング
 3 インスリン製剤離脱のタイミング
 4 シックデイへ対応する

第8章 治療薬管理の基本
 1 糖尿病治療薬併用時の留意点
 2 低血糖の管理 発現しやすい状態・時間を把握する
 3 自己注射時のピットフォール 手技説明のツボをおさえる
 4 インスリン製剤の保管と管理「冷暗所で保管してください」の一言で大丈夫?
 5 妊娠と糖尿病
 6 肝不全患者への服薬管理
 7 腎不全患者への服薬管理

第9章 民間療法,健康食品,サプリメント

第10章 EBM(大規模臨床試験)

第11章 療養指導スキル
 1 集団指導(糖尿病教室)での薬物療法解説術
 2 療養指導計画立案法
 3 療養指導の悩み解決術

第12章 患者の悩みとトラブルへの対応
 1 経口血糖降下薬の服薬タイミング
 2 低血糖発作の誘発頻度の違い
 3 経口血糖降下薬の体重への影響
 4 経口血糖降下薬の相互作用について
 5 乳酸アシドーシス(副作用)について
 6 メトホルミンで低血糖を惹起する因子
 7 インスリン注入器の針が怖いのですが…
 8 インスリン製剤を保管する際の注意点
 9 インスリン製剤の使用期限について
 10 インスリン製剤を区別して使用する方法
 11 自己注射の部位や箇所の注意点
 12 インスリンカートリッジの気泡について
 13 注入器の針が折れたときの対応
 14 海外旅行時に準備しておくこと
 15 インスリン製剤の低血糖以外の副作用
 16 リウマチ患者の自己注射について
 17 災害時に備えて準備しておくこと
 18 グルカゴン注射における注意点

第13章 事例から学ぶ
 1 保険調剤薬局での療養指導
 2 糖尿病健康手帳,お薬手帳を上手に使うコツ
 3 ビグアナイド薬とチアゾリジン誘導体の使い分け
 4 経口血糖降下薬を多剤併用している患者への指導ポイント
 5 経口血糖降下薬で二次無効を起こした患者への指導ポイント
 6 経口血糖降下薬で低血糖を起こした患者への指導ポイント
 7 経口血糖降下薬からインスリン自己注射へ切り替えるタイミング
 8 経口血糖降下薬とインスリン製剤を併用している患者への指導ポイント
 9 不規則なライフスタイルに対応できるインスリン療法とその療養指導
 10 低血糖をくり返す患者が安心してインスリン療法を継続できるインスリン調節と導ポイント
 11 血糖値の変動が激しい患者への指導ポイント
 12 患者が体調を崩したとき(シックデイ)の対応
 13 認知症を有する患者への薬物療法導入の仕方
 14 患者のハンディキャップを把握した最適なデバイス選び

第14章 糖尿病治療の今後

索 引