書籍カテゴリー:呼吸器学|臨床薬学

処方Q&A100 呼吸器疾患
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処方Q&A100 呼吸器疾患

1版

  • 三重中央医療センター呼吸器科 井端英憲 編著
  • 名古屋セントラル病院薬剤科 坂野昌志 編著

定価:3,456円(本体3,200円+税8%)

  • B5判 278頁
  • 2013年8月 発行
  • ISBN978-4-525-70201-4

概要

呼吸器疾患の薬物治療について生じる疑問100題を,日々診療にあたる第一線の医師らが簡潔に解説.薬の選び方と処方意図について重点を置き,「医師はなぜこの薬を他の類似薬ではなく/何の必要があって出したのか」が明確にわかる一冊.

序文

呼吸器疾患は日常の診療現場で最も頻繁に遭遇する疾患群ですが,感染性疾患・アレルギー性疾患・喫煙関連疾患・自己免疫性疾患・腫瘍性疾患など疾患の種類が多く,処方薬も多岐にわたるので,医師ごとに処方内容が異なる領域でもあります.
今回の企画の発端は,保険薬局薬剤師から「エビデンスを並べた書籍は多いが,実際の医師の処方と異なることが多い.医師の本当の処方意図や考え方を知りたい」との意見が出されたことに始まります.その後,起案者の坂野昌志先生が,薬剤師が業務のなかで感じた呼吸器疾患の処方に関する疑問を集め,その内容を疾患別に分類して,国内一流の呼吸器内科の先生方に回答していただきました.
 本書の特長のひとつに「医師の本音の記述」があります.執筆の先生方には「エビデンスに基づかなくてもよいので,実際の処方の考え方を書いて欲しい」とお願いしました.エビデンスにこだわると建前的な内容になり,実際の医療現場の処方との乖離が起きてしまうからです.現状のエビデンスは実際臨床の問題点の一部しかカバーしていませんが,本書の執筆者は各領域でガイドライン作成委員を務めるような著名な先生方なので「エビデンスを超えた実際臨床での処方の極意」を記述していただけたと思っています. もうひとつの本書の特長に「疾患の概説と処方のQ&Aを分けたこと」があります.医師向けの類書では診断や鑑別に関する記述が多く,薬の使い分けや使い方の工夫などは余り記載されていません.この点で本書は疾患概念や診断手順などは総説にまとめて,Q&A部分は処方関連に限定して十分な記載ができるように配慮しました. 先に述べた企画の経緯から,本書は病院薬剤師や保険薬局薬剤師を主対象に作成されていますが,一流の先生方に著述していただいたおかげで,看護師や研修医,そしてプライマリ・ケア医の先生方にとっても有用な書籍になりました.本書の使い方として,全体を読破するのではなく,疑問を感じるたびにQ&A項目を読んで専門医の処方意図を理解し,その後に疾患概念の理解を目的に総説を読んでいただくこともよいと思います.そうすることで,多くの呼吸器専門医は疾患の病態を把握して処方を工夫していることをご理解いただければ嬉しく思います.

2013年初夏
三重中央医療センター 呼吸器科
井端 英憲

目次

第1章 呼吸器一般

◇呼吸器症状の基礎知識
  1 呼吸器疾患に対する鎮咳薬の使用基準はありますか?
  2 乾性咳嗽と湿性咳嗽とで,薬の使い方に違いはありますか?
  3 咳嗽発作が激しいときに,早く抑える方法はありますか?
  4 咳薬として,β2刺激薬を使用する意味はありますか?
  5 咳薬として,ヒスタミンH1受容体拮抗薬を使用する意味はありますか?
  6 痰薬の特徴と使い分けについて教えてください.
  7 覚的な痰からみがなくても去痰薬を処方することはありますか?
  8 の多い患者にマクロライドを投与する意味はありますか?
  9 冒時にトラネキサム酸を投与する意味はありますか?
 10 冒時に予防的に抗菌薬を使用する意味はありますか?

第2章 吸入ステロイド薬

◇吸入ステロイド薬の基礎知識
 11 CSの種類によって臨床効果に差はありますか?
 12 ICS製剤(p-MDI,DPI)の使い分けはありますか?
 13 ICSのデバイスによる指導内容の違いと指導のポイントを教えてください.
 14 ICSステップダウンの手順を教えてください.また,ICS投与を中断することは可能なのですか?
 15 ICS+LABA合剤で使い分けはありますか?
 16 気管支喘息治療にICS+貼付LABAを使用してもかまわないのですか?
 17 気道リモデリング症例ではICS投与は無効なのですか?
 18 アルコール誘発喘息にエタノール添加の吸入薬が関連するのですか?
 19 喘息重積発作時に使う場合のステロイドの種類と,その使い分けについて教えてください.
 20 季節型喘息でICS頓用は意味がありますか?

第3章 気管支喘息

◇気管支喘息の基礎知識
 21 気管支喘息患者に対するNSAIDs投与の際の注意点は何ですか?
 22 気管支喘息に徐放性テオフィリン製剤を使用する意義と,その使い分け・注意点について教えてください.
 23 気管支喘息にLTRAを使用する意義や使い分けはありますか?
 24 気管支喘息にTh2阻害薬(スプラタスト)を使用する意義はありますか?
 25 気管支喘息にヒスタミンH1受容体拮抗薬を使用する意義はありますか?
 26 吸入LABAと貼付薬や経口薬との使い分けはありますか?
 27 LABA単剤で気管支喘息治療を行ってはいけないのですか?
 28 ICS+LABA合剤は,2剤逐次吸入治療よりも効果がよいのですか?
 29 気管支喘息にマクロライドや去痰薬を使用する意味はありますか?
 30 咳喘息の薬物治療は,一般的な気管支喘息とは異なるのですか?

第4章 COPD

◇COPDの基礎知識
 31 COPD治療の第1選択薬はなぜ長時間作用性抗コリン薬なのですか?
 32 COPD治療に吸入LABA単独使用は認められますか?
 33 COPD軽症例に,ICSが使用されないのはなぜですか?
 34 COPD治療の第1選択薬に,SFC(LABA+ICS)を使用してはいけないのですか?
 35 COPD治療で,LAMA+LABA+ICSの併用療法の意味はありますか?
 36 COPDに徐放性テオフィリン製剤を使用する意味と,その使い方を教えてください.
 37 COPD治療で粘液調節薬(カルボシステイン)投与の意味はありますか?
 38 COPDにマクロライドを投与する意味はありますか?
 39 COPD単体と喘息合併例では,処方の違いはありますか?
 40 COPDでのβ2刺激薬アシストユースの意味と実際の使い方を教えてください.

第5章 肺炎

◇肺炎の基礎知識
 41 市中肺炎症例に経口ペニシリン製剤を投与する際の注意点と,その使い分けについて教えてください.
 42 市中肺炎症例に経口セフェムで治療することは誤りなのですか?また,使用薬剤は何がよいでしょうか?
 43 市中肺炎症例に最初から経口キノロン薬を投与してはいけないのですか?
 44 市中肺炎症例に経口マクロライド単剤治療をする意味とその使い分けについて教えてください.
 45 市中肺炎症例に抗菌薬の2剤併用をするのはどんな場合ですか?また,薬剤の選択についても教えてください.
 46 市中肺炎症例に外来で注射用抗菌薬を使用する基準は何ですか?また,使用薬剤についても教えてください.
 47 市中肺炎症例に鎮咳薬や去痰薬を使用する意味は何ですか?
 48 市中肺炎症例に解熱薬を使用する際の注意点と,実際の使い方を教えてください.
 49 慢性気道感染症症例でクラリスロマイシン使用中の重複感染例では,どの抗菌薬を使用しますか?
 50 くり返す誤嚥性肺炎の予防にACE阻害薬の投与は有効なのですか?

第6章 間質性肺炎・肺線維症

◇間質性肺炎の基礎知識
 51 肺胞性肺炎(感染症による肺炎)と間質性肺炎で治療の考え方の違いについて教えてください.
 52 特発性間質性肺炎と薬剤性間質性肺炎で,治療の違いはありますか?
 53 特発性肺線維症の免疫抑制療法の具体的な投与方法について教えてください.
 54 特発性肺線維症にピルフェニドンが効果を示す機序は,どのようなものですか?
 55 非特異性間質性肺炎(NSIP)の治療方法について教えてください.
 56 膠原病などの全身性疾患に伴う間質性肺炎の治療方法について教えてください.
 57 血管炎などに伴う間質性肺炎の治療方法について教えてください.
 58 サルコイドーシスの治療適応について教えてください.
 59 サルコイドーシス治療薬の使い方について教えてください.
 60 好酸球性肺炎の分類と治療法について教えてください.

第7章 肺抗酸菌症

◇肺抗酸菌症の基礎知識
 61 抗酸菌症治療では,なぜ多剤併用療法が必要なのですか?
 62 抗結核薬による肝機能障害は,基準値の何倍まで服薬継続が許容されるのですか?
 63 副作用の強いピラジナミド投与が重要とされるのはなぜですか?
 64 ピラジナミドによる高尿酸血症は,必ず治療しなくてはいけないのですか?
 65 イソニアジド投与時にビタミンB6製剤併用は必ず必要ですか?
 66 結核症治療で経口キノロン薬を投与するのはどんな場合ですか?また,薬剤の使い分けについても教えてください.
 67 リファンピシンは薬物相互作用が多いので,併用薬の投与量の調整はすべきでしょうか?
 68 結核症治療でリファブチンを投与するのはどんな場合ですか?また,注意点も教えてください.
 69 肺非結核性抗酸菌症は,菌種によって治療内容や期間が異なるのですか?
 70 肺非結核性抗酸菌症のうち,肺MAC症にクラリスロマイシン単剤投与はいけないのですか?

第8章 インフルエンザ

◇インフルエンザの基礎知識
 71 抗インフルエンザ薬の使い分けを教えてください.
 72 抗インフルエンザ薬の使用上の注意点について教えてください.
 73 インフルエンザ抗原検査陰性例に抗インフルエンザ薬を投与する場合はありますか?
 74 抗インフルエンザ薬の予防投与について教えてください.
 75 オセルタミビル耐性を防止するために必要なことは何ですか?
 76 オセルタミビルが禁忌の年代で,咳き込みで吸入薬を使用できない場合の薬剤選択について教えてください.
 77 抗インフルエンザ薬は発症後48時間を過ぎたら使用しても意味がないのですか?
 78 インフルエンザ患者に抗菌薬を併用するのはどんな場合ですか?また,そのときの選択薬についても教えてください.
 79 インフルエンザ患者にはアセトアミノフェン以外は使えないのですか?
 80 現在の抗インフルエンザ薬におけるアマンタジンの位置づけを教えてください.

第9章 ワクチン

◇ワクチンの基礎知識
 81 肺炎球菌多糖体ワクチンはどのような対象に接種が勧められますか?健常な成人に接種する意義はあるでしょうか?
 82 肺炎球菌多糖体ワクチンは2回接種が可能になりましたが,本当に安全なのですか?
 83 インフルエンザワクチンに発症予防効果はありますか?
 84 インフルエンザワクチンを接種してはいけない対象群はありますか?
 85 インフルエンザワクチンと肺炎球菌多糖体ワクチンの同時接種はできますか?

第10章 肺がん

◇肺がんの基礎知識
 86 肺がん患者へのEGFR?TKI投与の注意点を教えてください.
 87 肺がん患者へのEGFR?TKI投与で,副作用の強いときに隔日投与でもよいですか?
 88 肺がん患者へのEGFR?TKIで,ゲフィチニブとエルロチニブに効果の差や使い分けはありますか?
 89 肺がん術後患者へのUFT投与の基準と注意点について教えてください.
 90 肺がん患者へのS?1単剤投与の意味は何ですか?

第11章 その他の呼吸器疾患

 91 マクロライド系抗生物質の使い方について教えてください.
 92 DPB症例へのマクロライド少量長期療法について教えてください.
 93 気管支拡張症,副鼻腔気管支症候群にマクロライド少量長期療法を行う意味と薬剤選択について教えてください.
 94 閉塞性睡眠時無呼吸症候群は減量だけで改善しないのでしょうか?
 95 睡眠時無呼吸症候群は薬剤では治療できないのでしょうか?
 96 睡眠時無呼吸症候群患者でも安全な睡眠薬は何でしょうか?
 97 禁煙治療薬の選択基準はありますか?
 98 最新の禁煙治療薬バレニクリンの使い方のポイントを教えてください.
 99 肺高血圧症の定義や診断,検査法について教えてください.
100 肺高血圧症(肺性心)での治療法について教えてください.


 索 引

 Column
  ・吸入ステロイド薬による副作用 
  ・咳喘息ってなに?