書籍カテゴリー:産婦人科学|臨床薬学

妊娠と授乳
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薬物治療コンサルテーション
妊娠と授乳

第2版

  • トロント小児病院/トロント大学 伊藤真也 編
  • 国立成育医療研究センター/妊娠と薬情報センター 村島温子 編

定価:8,100円(本体7,500円+税8%)

  • B5判 667頁
  • 2014年11月 発行
  • ISBN978-4-525-70232-8

概要

待望の改訂2版!!
初版で不足していた項目や医薬品の最新情報などを盛り込み,さらに充実した内容となっている.
領域や職種にかかわらず,妊婦・授乳婦の薬物治療にかかわるすべての医療従事者にとって,臨床で即戦力となる書籍である.

書評

髙久史麿 先生(日本医学会 会長)
伊藤真也,村島温子両氏の編集による『薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳』改訂第2版が刊行された.... [ 続きを読む ]

序文

 本書の初版が出版されたのが2010年ですから,もう4年近くの月日が過ぎたことになります.この4年間,妊娠・授乳中の薬の安全性というきわめてデリケートな問題に真っ向から勝負するというかたちが新鮮だったのか,本書は多くの読者に支持されてきました.これはとても光栄なことであり,毎日第一線でこの分野にたずさわっている読者の皆さん一人ひとりに心から感謝したいと思います.この改訂2版では,過去4年ほどの間に蓄積した最近の知見を加えて内容を更新することに主眼を置きました.この分野も最近では情報がかなり集まるようになってきて,更新のタイミングにも気を遣います.おおまかな構成や症例はそれほど変わっていませんが,新規薬剤や新しい症例を追加したり,また症例では授乳に関する解説を増やしたりして手を加えています.この作業も,初版ほどではありませんが,かなり大変で,今回も助けてくれた多くの執筆者の先生方に,お礼申し上げたいと思います.
 この4年間で科学を取り巻く環境にも大きな変化がありました.例えば,最近は日本ばかりでなく世界的に科学データの再現性が科学者の間でも大きな議論になり,マスコミでも取り上げられて社会的関心も高いようです.これは平たく言うと,「観察されました」として報告されたその現象自体が真実なのか否か,という問題です.「観察しました」というその事実自体は,故意にそれをゆがめていない限り真実なのですが,その観察された「現象」が真実かどうかは,また別の問題です.それはどんな場合でも「そのような現象は存在しないのに偶然そうなった」という擬陽性の可能性があるからです.物理学や多くの基礎科学の分野では5σ標準として,観察された現象が擬陽性である確率を極限まで減らす努力がなされています.その基準をクリアして初めて「発見」を宣言できるのです.臨床医学などでは,観察する事象や対象の数をそれほど大きくできない制約などから5σ標準に達するデータを見ることはまれですが,そうするとそのデータを利用する側が真実を見極める技能を持たざるを得ません.再現性があるのかどうか(つまり,ほかの人がその実験や観察を同じように繰り返して行ってみて同じ結果が得られるのかどうか)に注意を払うことができる,また報告された関連(例えば薬への曝露と帰結の関連)が緊密なのかどうかを判断できるなど,物事を批判的に見る目が必要です.本書を読んでくださるすべての方々が,この本に記載されているデータをそのような目で自分なりに判断され,われわれの見方も吟味されたうえで,臨床の現場に生かしていっていただければと心から願っています.
 最後に,この改訂2版の編集に辛抱強く付き合って手助けいただいた南山堂編集部の皆様に心からお礼申し上げます.

2014年10月
編者を代表して  伊藤真也

目次

第1章●総 論
1 産科医療の基礎知識
 妊娠期における薬物治療の基本
 妊娠の時期と薬剤曝露の影響
 父親の薬剤使用における胎児への影響
 胎児毒性
 先天異常の疫学・分類・診断
 染色体異常,出生前診断
 胎盤の病理と臨床 
2 授乳と薬の基礎知識
 授乳婦への薬物治療
 薬剤の母乳移行と乳児の薬剤曝露
3 妊婦・乳児の薬物動態
 妊婦の薬物動態
 新生児・乳児の薬物動態
4 妊婦・授乳婦に対する医薬品の情報源
 生殖発生毒性試験
 EBM・臨床疫学研究デザインおよびその結果の解釈
 日本における医薬品添付文書の記載要領と問題点
 諸外国の妊娠・授乳と薬に関する情報源
5 妊娠・授乳と薬カウンセリングの実際
 厚生労働省「妊娠と薬情報センター」事業
 世界の「妊娠・授乳と薬」相談事業
 妊娠期の情報提供(カウンセリング)の留意点
 授乳期の薬物治療における親子へのケア
 授乳中止に対する母親へのケア

第2章●妊娠・授乳期における医薬品情報
1 抗菌薬
2 抗ウイルス薬
3 抗インフルエンザウイルス薬
4 抗真菌薬
5 抗寄生虫薬
6 抗悪性腫瘍薬
7 免疫抑制薬
8 副腎皮質ホルモン薬
9 解熱・鎮痛・抗炎症薬
10 オピオイド鎮痛薬
11 抗ヒスタミン薬
12 抗アレルギー薬
13 抗リウマチ薬
14 糖尿病治療薬
15 脂質異常症(高脂血症)治療薬
16 痛風・高尿酸血症治療薬
17 女性ホルモン剤
18 甲状腺疾患治療薬
19 骨・カルシウム代謝薬
20 造血薬
21 抗血栓薬
22 降圧薬
23 抗不整脈薬
24 心不全治療薬
25 利尿薬
26 気管支拡張薬
27 気管支喘息治療薬
28 鎮咳薬・去痰薬
29 健胃消化薬・胃腸機能調整薬
30 消化性潰瘍治療薬
31 鎮痙薬・制吐薬
32 腸疾患治療薬
33 整腸薬・止瀉薬・下剤
34 肝炎治療薬
35 抗うつ薬
36 抗躁薬
37 抗不安薬
38 睡眠薬
39 抗精神病薬
40 抗てんかん薬
41 片頭痛治療薬
42 めまい治療薬
43 眼科・耳鼻科・歯科・口腔用剤(外用)
44 皮膚科用剤
45 泌尿器用剤
46 ワクチン
47 OTC薬・漢方薬・サプリメント
48 嗜好品・禁煙補助薬
49 放射線(診断用)

第3章●症例から学ぶ妊娠・授乳期の薬物治療
1 うつ病
2 双極性障害(躁うつ病)
3 てんかん(カルバマゼピン服用の場合)
4 てんかん(バルプロ酸服用の場合)
5 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
6 皮膚筋炎・甲状腺機能低下症・気管支喘息
7 気管支喘息
8 アレルギー性鼻炎
9 気管支炎
10 インフルエンザ
11 尿路感染症
12 クラミジア感染症・嗜好品
13 重症の水痘
14 消化性潰瘍
15 潰瘍性大腸炎
16 高血圧
17 糖尿病・脂質異常症
18 難治性ざ瘡
19 悪性腫瘍
20 骨折・捻挫による疼痛
21 ワクチン接種

一般索引
薬剤索引