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カテゴリー: 生理学  |  臨床薬学

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症状と薬からひも解く 生理学

1版

札幌医科大学医学部 細胞生理学講座 教授 當瀬規嗣 著者

定価

2,090(本体 1,900円 +税10%)


  • A5判  174頁
  • 2012年2月 発行
  • ISBN 978-4-525-70241-0

本書は,服薬指導を行う際,前提となる疾病を理解するのに役立つ!そして,患者さんが訴える症状が,どのように引き起こされるのか,そのメカニズムがわかる!!
病態生理学,生理学の知識を再確認するのにピッタリの本である.

  • 目次
  • 序文
目次
Section 1 胃の痛み(上腹部痛)
上腹部痛の種類と原因
胃の痛みのメカニズム
内臓感覚
胃の役割
消化性潰瘍治療薬の考え方

Section 2 下痢・腸炎
下痢と腸炎
腸管吸収障害
腸の炎症
消化吸収機構
腸の防御システム
腸疾患治療薬の考え方

Section 3 貧 血
貧血の症状
貧血の原因
赤血球の生成
赤血球の寿命と破壊処理
ヘモグロビンの代謝
貧血治療薬の考え方

Section 4 痛み・かゆみ(皮膚)
皮膚痛覚の位置づけ
炎症による痛覚
かゆみを引き起こす疾患
痛みのしくみと痛覚伝導路
かゆみのメカニズム
鎮痛薬の考え方
かゆみ止めの考え方

Section 5 筋肉痛・筋力低下
筋肉痛の原因
筋肉痛発症のメカニズム
筋力低下
筋肉の構造と機能
神経と筋肉
筋肉の感覚器
筋肉痛治療薬の考え方

Section 6 呼吸困難
呼吸困難のしくみ
呼吸困難の原因と病態
呼吸の本質
呼吸器の構造と機能の関係
呼吸器系治療薬の考え方

Section 7 めまい
めまいとは
眼振とめまい
めまいの原因
内耳の構造と前庭機能
平衡感覚と固有感覚の伝導路
めまい治療薬の考え方

Section 8 認知症
認知症とは
認知症の診断
認知症を引き起こす疾患
認知と痴呆
記憶のしくみ
脳の高次機能
認知症治療薬の考え方

Section 9 意識障害
意識障害の症状
意識障害の原因と病態
脳機能と意識
睡眠と意識
鎮静睡眠薬の考え方

Section 10 心不全
心不全の病態と症状の考え方
心臓のポンプ機能と血液循環
心不全治療薬の考え方

Section 11 全身倦怠感・黄疸
肝機能障害による全身倦怠感
肝機能障害による黄疸
肝臓の本来の役割
処理工場としての肝臓
肝臓疾患治療薬の考え方

Section 12 背部痛(膵炎)
背部痛
膵炎の発症機構
慢性膵炎とアルコール
膵臓での消化酵素の外分泌
膵臓の電解質液分泌のしくみ
膵液の外分泌調節機構
膵炎治療薬の考え方

Section 13 尿量異常(腎不全)
腎不全とは
ネフローゼ症候群と急性糸球体腎炎
排尿と腎機能
水・電解質調節
薬物処理機構としての腎臓
腎疾患治療薬の考え方

Section 14 骨折(骨・カルシウム代謝)
骨折の原因
骨折に伴う症状
骨折の治癒過程(再生過程)
骨のリモデリング
カルシウム代謝と骨
骨疾患治療薬の考え方

索 引
序文
 このたび,「症状と薬からひも解く生理学」を出版することになりました.この本は南山堂の薬学系の雑誌である「薬局」に2009年4月号から2010年4月号まで,12回にわたって連載した「臓器障害からひも解く生理学」の内容に加筆して完成させました.「臓器障害からひも解く生理学」は,一線で活躍する薬剤師の方々が,薬局や病棟で服薬指導を行う際の前提となる疾病を理解するための一助になればと考えて書いたものです.そこで,患者さんが訴えるごくありふれた症状を取り上げて,その症状が引き起こされるメカニズムを病態生理学の観点から説き明かし,そのメカニズムの基盤となる生理学の要点を解説しました.連載の趣旨はかなりユニークなものなので,読者に受け入れられるか相当に不安であったのですが,案外好評であったようです.とくに生理学,病態生理学の知識を再認識,再確認するのに役立ったとのことです.
 これをうけて,連載の内容を一冊の本にすることになったのですが,その企画にあたって,もう少し内容を豊富にする必要があると認識されました.そのため,連載ではふれられなかった「痛み・かゆみ」と「骨折」を加えましたが,さらに,薬剤師の方々の便をはかるために,各章にその症状にまつわる薬の薬理作用について,病態生理に基づいて解説を加えることにしました.そこで,本書のタイトルは「症状と薬からひも解く生理学」となったわけです.各章の記述の流れは,「症状の説明」「病態生理」「生理学的基盤」「薬理学的解説」の順になっています.さて,これで読者のご期待に応えられるのでしょうか?
 本書は,はからずも「症候学」「病態生理学」「生理学」「薬理学」が相互に密接に関連していることを,筆者である私に再認識させるものになりました.このことは,薬剤師に限らず,ひろく医療従事者,とりわけ医師にとって診療を行う際の基盤であるはずです.しかし,実際の大学教育の場では,これら4つの学問は,別個に教えられることになり,学生自身が自分のなかで相互関係を見いださなければならないのです.現在進められているコアカリキュラムには,この学際的相互関係を重視する考えが織り込まれていますが,教授陣の専門性が邪魔をして,統合的に教育を行うのは難しいようです.
 曲がりなりにも生理学と薬理学をともに研究した人間として,この本の発刊をきっかけに,新しい分野を開拓しようという決意を固めたところです.そのチャンスを私に与えてくださった,南山堂編集部の大城梨絵子さんに感謝の意を捧げます.


2011年11月
初雪の研究室にて
當瀬規嗣
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