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カテゴリー: 臨床薬学

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医療過誤事件から学ぶ 薬剤師の失敗学

1版

東邦大学薬学部 薬事法学研究室 准教授 秋本義雄 著

定価

2,090(本体 1,900円 +税10%)


  • A5判  100頁
  • 2013年7月 発行
  • ISBN 978-4-525-70281-6

あの失敗はなぜ起きたか.そこからどのような教訓が得られたか.
同じ失敗をくり返さないために,薬学にかかわるすべての方に読んで欲しい「薬剤師のための失敗学」解説書.

  • 序文
  • 目次
序文
 人間はミスをする動物だという。だからといって、医療過誤は仕方がないなどという者はいないだろう。また、裁判等で医療提供側に過誤があったと結論づけられても誰も幸せにはならないのである。
 医療過誤の防止について、アメリカの医療の質に関する委員会の1999年報告の中に、「人は間違いを起こすものである。しかし、その間違いは防止することが可能である。安全は医療の質を改善する最初の重要なステップなのである」とし、「間違いを犯さないようにかつ簡単に正しいことができるシステムを構築すること」が必要であるとしている。もちろん、過誤の発生を防止するシステムの構築は必要であるが、そのためにはまず各医療従事者の医療過誤の意識の確立と維持が重要であろう。
 本書では薬剤師の責務とそれに対する意識を明確にするために法律雑誌等に収載された裁判例から薬剤師業務を考察した。また、厚生労働省の通知から政府が薬剤師に何を期待しているか示したものとして捉え、その業務と限界等についても考察した。
 取り上げた裁判例の多くは薬剤師以外の過誤に関するものであるが、これらは置き換えれば薬剤師が本来の責務を果たすことにより過誤が防止できたであろうと考えられるものであり、他者による失敗からどのように薬剤師による成功に貢献できるという思いを著したものである。なかには極めて厳しい考察や解釈があるが、薬を通じて国民に奉仕するために免許を受けた薬剤師の宿命であると捉えて頂きたい。
 本書を通じて、効果的で安全な薬物治療の実践を目指す現場の薬剤師および薬剤師になろうとしている諸氏に少しでもお役に立てればと願っている。

2013年7月 秋本義雄
目次
目次

1 薬剤師って何? 処方せんや調剤ってどんな意味?
2 医行為と薬剤師の関係
3 連携調剤と薬剤師の自己研鑽義務
4 患者からの情報収集の重要性と落とし穴
5 薬剤の選択
6 過量処方せんと疑義照会
7 安全確保のための服薬指導
8 医師による服薬指導の限界
9 病院薬剤師による患者の経過観察
10 薬局薬剤師による患者の経過観察
11 薬剤師による薬効モニタリングの意義
12 平成22年医政局長通知と薬剤師業務
13 薬剤師による処方設計への関与の必要性
14 介護行為と薬剤師
15 在宅医療と薬剤師
16 薬剤師による医薬品等の管理
17 保険と医療の本質,患者の義務
18 災害時医療と薬剤師
19 薬剤師の本質

あとがき-失敗から成功へ-

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