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カテゴリー: 臨床薬学  |  基礎薬学

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臨床現場で実践する

薬学研究のススメ

研究デザインから論文作成・学会発表まで

1版

東京大学大学院薬学系研究科 医薬品情報学講座 教授 澤田康文 編集

定価

2,750(本体 2,500円 +税10%)


  • B5判  190頁
  • 2014年10月 発行
  • ISBN 978-4-525-70321-9

薬剤師による研究ってどうやるの?薬剤師が自身の業務や治療介入を論文化することが求められる中,本書では薬剤師の日常業務をどのように研究対象とし,論文を作成していくかを実例を通じて学べるよう解説.研究に関心のある薬学生や薬剤師,専門薬剤師の取得を目指す薬剤師が,ファーマシスト・サイエンティストの力を育てるために最適の一冊!

  • 序文
  • 目次
序文
 昨今,日本薬学会や日本医療薬学会をはじめさまざまな学術大会において,医療薬学研究のノウハウに関するシンポジウムが行われ,多くの聴講者で賑わっている.
 平成24年度診療報酬改定においては病棟薬剤業務実施加算が新設され,薬剤師によるエビデンスの構築が求められている.また,薬剤師として専門的知識・技能・態度を研鑚していくための専門薬剤師制度においても,学術論文の発表が資格要件となっており,薬剤師にはますますファーマシスト・サイエンティストとしての職能が期待されている.
 この背景には,薬剤師は医師と同様,優れた医療人として臨床現場での問題や研究課題を抽出し,それを解決するための研究能力が求められていることがある.
 そこで,研究に対する積極的な意識を涵養するために,6年制薬学教育におけるモデル・コアカリキュラム—平成25年度改訂版—においても,「G.薬学研究」が教育に不可欠な事項として明示されている.
 このような医療薬学研究に対するニーズがあるものの,一般の科学研究に関する論文の書き方や論文の読み方を指南する書籍などはあるが,医療薬学研究を主眼として,その実践までを解説したものはほとんどない状況である.
 そこで本書では,薬剤師が研究する意義からその実践までを初学者にも理解しやすいような内容としてまとめた.本書を通じ,まずは,薬剤師がなぜ研究を行い,学術論文を発表する必要があるのかという研究の意義について理解して頂く.次に,どのように医療薬学の問題点を見つけて具体的研究テーマを設定して研究を実践し,その成果を基に学術論文の作成や学会発表を行うかを具体的な実例で学んで頂きたい.
 本書では「日常業務」,すなわち,調剤業務,服薬指導・薬歴管理,医薬品の品質と管理,医薬品の投与法・TDM,医薬品情報・薬剤疫学の分野や専門薬剤師のある分野における課題を「学術論文」へと作り上げていく視点をまとめている.
 さらに,実際に研究を行う上で問題となる,研究デザインとデータ解析のピットフォール,よくあるトラブルの対処法,論文の書き方,投稿体裁の整え方や学会発表のノウハウなどを解説し,研究に不慣れな人でも実践できるよう工夫をしている. 本書が医療薬学研究を実践するうえで多くの薬剤師や薬学生の参考となり,一つでも多くの優れた研究が実践されれば存外の喜びである.

2014年9月
東京大学大学院薬学系研究科 医薬品情報学講座 教授
澤田康文
目次
はじめに

薬剤師が学術論文を発表する意義

STEP 1 情報を収集して研究計画を立てる

1.先行研究の効率的な情報収集法

A 優秀論文に学ぶ研究デザインの組み立て方
2.調剤業務
3.服薬指導・薬歴管理
4.医薬品の品質と管理
5.医薬品の投与方法・TDM

B 専門薬剤師制度のある分野の優秀論文と研究デザインの組み立て方
6.がん化学療法
7.感染制御・抗菌化学療法
8.医薬品情報
9.精神科薬物療法
10.腎臓病薬物療法

C 研究デザイン上の注意点
11.研究デザインとデータ解析のピットフォール
12.薬学研究と倫理

STEP 2 「研究の困った!」に注意しながら研究を実施する
1.「ウェット」研究でよくあるトラブルへの対処法
2.「ドライ」研究でよくあるトラブルへの対処法
3.統計ソフトの選び方と解析時のポイント

STEP 3 研究結果をまとめて論文投稿する
1.論文種類と書き方
2.症例報告の書き方
3.リジェクトされない論文の書き方
4.論文投稿先の探し方・決め方
5.カバーレターの書き方と編集者・査読者からのコメントへの対応法

STEP 4 学会で発表する・質疑に答える
1.学会発表で知っておきたいキホン
2.口頭発表
3.ポスター発表

索引
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