書籍カテゴリー:臨床薬学|産婦人科学

薬剤の母乳への移行
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薬剤の母乳への移行

第4版

  • 青森大学薬学部教授/弘前大学名誉教授 菅原 和信 著
  • 山形大学医学部附属病院 副薬剤部長 豊口 禎子 著

定価:9,900円(本体9,000円+税10%)

  • B5判 636頁
  • 2008年7月 発行
  • ISBN978-4-525-72624-9

概要

授乳時の母親が服薬する可能性のある主要薬物を網羅・解説.日常業務で薬剤師が行う調剤や服薬指導に,また製薬会社で医薬品情報伝達に携わる方々に必携.第4版では10年振りの改訂となり医薬品情報の大幅な更新に加え,新規臨床データを豊富に追加し,巻末にはM/P比などをまとめた薬物一覧を新規に掲載した.またデザインを一新し,見やすく調べやすくなっている.

序文

本書の第3版を出版した1997年は薬剤師法の改正で薬剤師による患者への情報提供が義務づけられた年である.以来11年が経過し,薬剤師の業務も大きく変化した.患者への情報提供や薬剤管理指導業務も定着し,最近では癌化学療法,感染制御,糖尿病療養指導士など,専門薬剤師が誕生した.ここ2,3年の間に,妊婦・授乳婦,精神科をはじめいくつかの専門薬剤師が誕生するであろう.
乳児に母乳を与えている母親から,薬を飲んだときの乳児への影響について質問を受け,これに答えるべく本書の初版を刊行したのが24年前であるが,ちょうど四半世紀後に妊婦・授乳婦の専門薬剤師が誕生すれば喜ばしいことであり,情報を集めてきた甲斐があったと感慨深いものがある.
第3版以来,さらに多くの医薬品が市販され,ほとんどの医薬品添付文書に授乳婦への注意事項が記載されている.このような事情を踏まえ,改訂第4版を発刊するに至った.第4版では, 第3版の医薬品に新しい医薬品を加え,でき得る限り国内外の母乳への移行に関する情報をまとめた.第4版では,第3版まで引用したPDR,EXPからの引用は削除し,より多くの原著の臨床データを記載するとともに,巻末に添付文書記載の措置,M/P比,AAP(American Academy of Pediatrics Committee, 2001)の評価を加えた一覧表を掲載した.しかし,添付文書に注意事項は記載されているが臨床データがなく,動物実験のデータしかない医薬品も多いことは残念なことである.また,医薬品の一般名を日本薬局方の記載に従い,第3版での「塩酸モルヒネ」を「モルヒネ塩酸塩」のように改めた.薬局方に収載されていない医薬品の一般名も統一したほうが理解しやすいと考え,原著と若干異なるところもあるが改めた.商品名として一般名の後に「 」でメーカー名が入っている医薬品(特に後発医薬品に多い)については,商品名の項および索引でメーカー名を省略した.さらに,一般名と商品名が同一のものに関しては,重複を避けるために索引に一般名のみを記載した.今回も添付文書に記載のある医薬品はできるだけ多く網羅したつもりであるが,記載漏れがあるかもしれないので,この点お許しいただきたい.
初版以来多くの薬剤師,薬学生をはじめ医療に携わる人たち,また製薬企業で医薬品情報伝達に携わっている方々に利用していただいた.本書も同様に活用していただければ幸いである.
本書の執筆にあたっては多くの文献を参考にしたが,図や表の引用に快く承諾していただいた著者の方々に心から感謝し,厚くお礼申し上げる次第である.

2008年7月 著者


目次

この本を読まれる方のために

母乳の産生機構
 A.乳腺の構造
 B.乳腺とホルモン
 C.母乳の成分
 D.母乳産生量
 F.母乳哺育の利点

母乳の分泌機構
 A.母乳の分泌とホルモン
 B.母乳の分泌に影響を及ぼす因子

薬剤の母乳への移行に関する因子
 A.薬物に関する要因
 B.母親側の要因
 C.乳児側の要因
 D.服薬時間と授乳時間
 E.薬剤の母乳への移行に関する予測
 F.授乳婦への投薬の評価

乳児への薬物移行のファーマコキネティクス

中枢神経系に作用する薬物
 A.全身麻酔薬
 B.催眠鎮静薬,抗不安薬
 C.抗てんかん薬
 D.解熱鎮痛抗炎症薬
 E.興奮剤,覚せい剤
 F.抗パーキンソン病薬
 G.精神神経用薬
 H.総合感冒薬
 I.その他の中枢神経系用薬

末梢神経系に作用する薬物
 A.骨格筋弛緩薬(筋弛緩薬)
 B.自律神経用薬
 C.鎮けい薬
 D.局所麻酔薬

循環器系に作用する薬物
 A.強心薬
 B.不整脈治療薬
 C.利尿薬
 D.抗高血圧薬(降圧薬)
 E.血管拡張薬
 F.高脂血症治療薬
 G.その他の循環器系作用薬

呼吸器系に作用する薬物
 A.鎮咳去痰薬(気管支拡張薬,喘息治療薬を含む)
 B.呼吸促進薬

消化器系に作用する薬物
 A.消化性潰瘍治療薬
 B.下  剤
 C.利胆薬
 D.止瀉薬・整腸薬
 E.鎮吐薬・催吐薬
 F.その他の消化器官用薬



内分泌系に作用する薬物(ホルモン剤)
 A.下垂体ホルモン剤
 B.甲状腺・副甲状腺ホルモン剤
 C.副腎ホルモン剤
 D.男性ホルモン剤
 E.卵胞ホルモン剤および黄体ホルモン剤
 F.混合ホルモン剤
 G.その他のホルモン剤

泌尿生殖器系に作用する薬物
 A.尿路消毒薬
 B.子宮収縮薬
 C.泌尿性器用薬
 D.その他の泌尿性器および肛門用薬

ビタミン剤

無機質製剤,その他の体液用薬
 A.無機質製剤
 B.その他の体液用薬

血液に作用する薬物
 A.血液凝固阻止薬(抗凝血薬)
 B.その他の血液・体液用薬

代謝性医薬品
 A.肝臓疾患用薬
 B.解毒薬
 C.痛風治療薬
 D.酵素製剤
 E.糖尿病治療薬
 F.他に分類されない代謝性医薬品


アレルギー用薬
 A.抗ヒスタミン薬
 B.刺激療法薬
 C.抗アレルギー薬

抗生物質製剤
 A.ペニシリン系
 B.セフェム系
 C.マクロライド系
 D.アミノグリコシド系
 E.クロラムフェニコール系
 F.テトラサイクリン系
 G.リンコマイシン系
 H.ポリペプチド系
 I.カルバペネム系
 J.グリコペプチド系
 K.その他の抗生物質

化学療法薬
 A.サルファ剤
 B.抗結核薬
 C.抗ハンセン病薬
 D.ニューキノロン系抗菌薬
 E.抗原虫薬
 F.抗真菌薬
 G.抗ウイルス薬
 H.駆虫薬

抗悪性腫瘍薬(制癌薬)
 A.アルキル化剤
 B.代謝拮抗薬
 C.抗腫瘍性抗生物質
 D.抗腫瘍性植物成分
 E.その他の抗悪性腫瘍薬
漢方製剤

麻薬(大麻を含む)

生物学的製剤
 A.ワクチン類
 B.その他の生物学的製剤

眼科用剤・耳鼻科用剤・外皮用剤
 A.眼科用剤
 B.耳鼻科用剤
 C.外皮用剤

放射性医薬品

診断用薬
 A.X線造影剤
 B.機能検査用試薬
 C.その他の診断用薬

アルコール

ニコチン

その他

ヒト母乳中へ移行する薬物一覧(一部抜粋)

事項索引
薬物名索引