書籍カテゴリー:臨床薬学

精神科薬物療法の管理
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薬剤師の強化書シリーズ
精神科薬物療法の管理

1版

  • 社団法人 日本病院薬剤師会 監修
  • 社団法人 日本病院薬剤師会精神科病院委員会 編集

定価:3,780円(本体3,500円+税8%)

  • B5判 351頁
  • 2011年3月 発行
  • ISBN978-4-525-77061-7

概要

本書では,高度な専門性と豊富な症例経験を求められる精神科領域における薬物療法について,基本的な事項からより高度な薬剤管理指導業務まで解説.また臨床現場での活用を想定し,豊富な症例とQ&Aを盛り込んだ.
精神科専門薬剤師をはじめ,精神科薬剤業務に携わる薬剤師の標準的な指針となり得る書籍である.

序文

このたび,“薬剤師の強化書シリーズ”の1つとして,日本病院薬剤師会監修,日本病院薬剤師会精神科病院委員会編集の「精神科薬物療法の管理」が発刊されることとなった.
本書は,これまで「精神科薬剤師業務標準マニュアル」として,雑誌「薬局」の臨時増刊号で刊行されていた精神科領域の薬剤師の業務マニュアルを,精神科領域の薬剤師向け教科書として進化させたものである.
言うまでもなく,精神科領域における治療では,病んでいる人の精神的・社会的ケアと薬物療法が中心になる.精神科領域における薬物治療では,これまで多剤大量療法が広く行われる傾向にあったが,これは脳に作用する向精神薬による「化学的拘束」とも言えるものであり,さらに,抗精神病薬による錐体外路症状や重篤な身体的合併症などを起こしやすいこともよく知られている.服薬が長期にわたる精神科領域の薬物療法においては,薬剤師による単剤化への取り組みやアドヒアランス向上への介入が一層必要になると考えられる.したがって,向精神薬の適正使用にあたっては,薬剤の特性・作用機序および脳科学を熟知することが必要であり,こうした点からも精神科領域はもっとも薬剤師による薬学的管理の実践が求められる分野である.
さらに,2010年9月に出された厚生労働省「自殺・うつ病対策プロジェクトチームの報告書」では,向精神薬の過量服薬による自殺の予防には,薬剤師がキーパーソンであると位置づけられている.これは,過量服用など自殺リスクが高い患者の早期発見・早期対応に対し,薬剤師の活躍が期待されていることの裏づけと言える.
本書は第1部「精神科領域における薬剤師の役割」において,精神科医療の現状を分析し,その中で薬剤師の役割,精神科薬剤師が実施すべき具体的な業務を記述している.第2部「向精神薬の臨床薬理と臨床上重要な医薬品情報」では,抗精神病薬,抗うつ薬,気分安定薬,睡眠薬,認知症治療薬などの薬理,脳内における情報伝達の仕組みと副作用について述べている.第3部「精神科薬物療法とその管理」では精神科関連疾患ごとの薬物療法とその対処について記載している.
本書は精神科領域の薬剤師業務の標準書と位置づけられるが,医師にとっても精神科領域の薬物療法について,全体を把握するうえで有益であると確信する.臨床現場で多くの方々が精神科領域の薬物療法における処方設計と薬学的管理に本書を利用し,患者のために本当に役に立つ書籍かどうかを評価していただき,その結果と意見を日本病院薬剤師会精神科病院委員会にお寄せいただきたい.そうした意見を反映して,本書を精神科領域の標準書としてさらに充実させていきたいと考えている.

2011年1月
社団法人 日本病院薬剤師会
会長 堀内 龍也

目次

第1部 精神科領域における薬剤師の役割

1 精神科医療の現状
 1 現在の精神科医療における薬剤師の重要性について
 2 精神保健政策の歴史
 3 精神疾患患者の動向
 4 これからの精神科医療に求められる機能
 5 まとめ
2 精神科薬剤師業務
 1 薬剤情報の収集と提供
 2 適切な薬物療法の提案
 3 精神科における薬剤管理指導業務
 4 注射薬管理
 5 服薬指導
 6 家族に対する心理教育と支援
 7 服薬の継続と統合失調症の再発について
 8 家族への支援
 9 社会復帰に必要な薬物治療
 10 保険薬局における情報提供
 11 精神疾患治療薬の治験支援業務
 12 論文・症例報告の書き方
3 チーム医療と地域医療連携
 1 チーム医療(有資格者としてのチーム:タテ糸)
 2 チーム医療(医療人としてのチーム:ヨコ糸)
 3 地域医療連携


第2部 向精神薬の臨床薬理と臨床上重要な医薬品情報

1 向精神薬とは
 1 脳内における情報伝達のしくみ
 2 代表的な向精神薬の種類・特徴および適応疾患
 3 向精神薬における現状の課題および展望
2 抗精神病薬
 1 抗精神病薬の開発の歴史
 2 抗精神病薬の種類
 3 抗精神病薬の作用機序と効果
 4 抗精神病薬の安全性の概要
 5 その他の抗精神病薬の副作用
 6 薬物動態
 7 相互作用
 8 抗精神病薬の適応外使用
 9 その他の抗精神病薬
3 抗うつ薬
 1 抗うつ薬の開発の歴史
 2 抗うつ薬の種類と作用機序
 3 抗うつ薬の効果
 4 抗うつ薬の安全性の概要
 5 抗うつ薬の副作用
 6 薬物動態
 7 相互作用
 8 その他の抗うつ薬
4 気分安定薬
 1 気分安定薬の開発の歴史
 2 気分安定薬の種類と作用機序
 3 気分安定薬の効果
 4 気分安定薬の安全性の概要
 5 気分安定薬の副作用
 6 薬物動態
 7 相互作用
 8 その他の気分安定薬
5 抗不安薬
 1 抗不安薬の開発の歴史
 2 抗不安薬の種類と作用機序
 3 抗不安薬の効果
 4 抗不安薬の安全性の概要
 5 抗不安薬の副作用
 6 薬物動態
 7 相互作用
 8 その他の抗不安薬
6 睡眠薬
 1 睡眠薬の開発の流れ
 2 睡眠薬の種類と作用機序
 3 睡眠薬の効果
 4 睡眠薬の安全性の概要
 5 睡眠薬の副作用
 6 薬物動態
 7 相互作用
 8 その他の睡眠薬
7 抗パーキンソン病薬
 1 抗パーキンソン病薬の開発の流れ
 2 抗パーキンソン病薬の種類と作用機序
 3 抗パーキンソン病薬の効果
 4 抗パーキンソン病薬の安全性の概要
 5 抗パーキンソン病薬の副作用
 6 薬物動態・相互作用
 7 その他の治療薬
8 認知障害治療薬・脳循環改善薬
 1 認知障害治療薬・脳循環改善薬の開発の流れ
 2 認知障害治療薬・脳循環改善薬の種類と作用機序
 3 認知障害治療薬・脳循環改善薬の効果
 4 認知障害治療薬・脳循環改善薬の安全性の概要
 5 認知障害治療薬・脳循環改善薬の副作用
 6 薬物動態・相互作用
 7 その他の治療薬
9 抗 酒 薬
 1 抗酒薬開発の歴史と薬理作用
 2 薬理作用
 3 抗酒薬の選択基準
 4 抗酒薬の副作用
 5 抗酒薬の相互作用
10 悪性症候群治療薬
 1 悪性症候群
 2 悪性症候群治療薬
11 ハイリスク薬による副作用
 1 ハイリスク薬としての向精神薬
 2 精神科薬物療法における「副次的な作用」
 3 薬原性錐体外路症状


第3部 精神科薬物療法とその管理

1 統合失調症
 1 統合失調症とは(概念と疫学)
 2 特徴的な症状と病態生理
 3 経過と予後
 4 診断・治療方針(鑑別診断)
 5 薬物療法
 6 心理社会的介入
 7 医師による患者指導・接遇のポイント
 8 薬物療法管理
 CASE STUDY
2 神 経 症
 1 神経症とは(概念と疫学)
 2 特徴的な症状と病態生理
 3 経過と予後
 4 診断・治療方針(鑑別診断)
 5 医師による患者指導・接遇のポイント
 6 薬物療法
 7 薬物療法管理
3 心 身 症
 1 心身症とは(概念と疫学)
 2 特徴的な症状と病態生理
 3 経過と予後
 4 診断・治療方針(鑑別診断)
 5 薬物療法
 6 医師による患者指導・接遇のポイント
 7 薬物療法管理
4 気分障害
 1 気分障害とは(概念と疫学)
 2 特徴的な症状と病態生理
 3 経過と予後
 4 診断・治療方針(鑑別診断)
 5 薬物療法
 6 医師による患者指導・接遇のポイント
 7 薬物療法管理
 CASE STUDY
5 睡眠障害
 1 不眠とは(概念と疫学)
 2 不眠の特徴的な症状と病態生理
 3 不眠の診断と治療方針(鑑別診断)
 4 不眠の薬物療法
 5 不眠の医師による患者指導・接遇のポイント
 6 過眠とは(概念と代表的疾患)
 7 睡眠時随伴症とは(概念と代表的疾患)
 8 薬物療法管理
 CASE STUDY
6 認 知 症
 1 認知症とは(概念と疫学)
 2 特徴的な症状と病態生理
 3 経過と予後
 4 診断・治療方針
 5 薬物療法
 6 医師による患者指導・接遇のポイント
 7 薬物療法管理
 CASE STUDY
7 発達障害
 1 発達障害とは(概念と疫学)
 2 特徴的な症状と病態生理
 3 経過と予後
 4 診断・治療方針(鑑別診断)
 5 薬物療法
 6 医師による患者指導・接遇のポイント
 7 薬物療法管理
 CASE STUDY
8 薬物依存症
 1 薬物依存症とは(概念と疫学)
 2 特徴的な症状と病態生理
 3 経過と予後
 4 診断・治療方針(鑑別診断)
 5 薬物療法
 6 医師による患者指導・接遇のポイント
 7 薬物療法管理
 CASE STUDY
9 アルコール依存症
 1 アルコール依存症者は,日本に何人いるのか
 2 アルコール依存症とは(概念と疫学)
 3 特徴的な症状
 4 診断・鑑別診断
 5 治療方針
 6 薬物療法
 7 経過と予後
 8 医師による患者指導・接遇のポイント
 9 薬物療法管理
 CASE STUDY


精神科薬物療法の管理 Q & A