南山堂

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カテゴリー: 臨床薬学

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症例から学ぶTDM実践アプローチ

1版

佐々木忠徳 著
喜古康博 著
木村利美 著
小杉隆祥 著
渋谷正則 著
高尾良洋 著

定価

3,300(本体 3,000円 +税10%)


  • B5判  237頁
  • 2012年7月 発行
  • ISBN 978-4-525-77461-5

本書ではさまざまな症例を経時的に解析し,薬剤師の視点で解説した.症例の解析では,TDMを行う際に必要な,基本式と患者パラメータを用いて手計算で行う.これは,血中濃度解析ソフトにより,得られた結果に振り回されないTDMの基礎力を身につけることを目的としている.実践に即したTDM業務のスキルを身につけることができる一冊.

  • 目次
  • 序文
目次
第1章 総 論

TDM業務を上手に実践するために
症例を時間経過のなかで考える

第2章 抗菌薬

バンコマイシン
Scene01 PK-PD(AUC/MIC)を考慮した投与設計
Scene02 血液透析患者の投与設計

硫酸アルベカシン
Scene03 1日1回投与の投与設計

アミノグリコシド系抗菌薬
Scene04 高齢患者の初期投与設計
Scene05 小児の薬物動態と投与設計

テイコプラニン
Scene06 荷用量と維持用量

第3章 強心配糖体

ジゴキシン
Scene07 投与開始初期の副作用の疑いと維持投与
Scene08 経口投与への変更と外来でのTDM
Scene09 非定常状態における投与量の評価と投与設計


第4章 抗不整脈薬

リドカイン
Scene10 投与開始から維持投与量の決定

メキシレチン
Scene11 処方内容の評価と維持投与量の決定

フレカイニド
Scene12 過量投与時の検討

フレカイニドとアプリンジン
Scene13 維持投与量の検討

・抗不整脈薬の母集団パラメータ


第5章 抗てんかん薬

フェニトイン
Scene14 急速飽和から維持投与
Scene15 維持投与

フェノバルビタール
Scene16 単剤投与
Scene17 多剤併用


カルバマゼピン
Scene18 投与開始初期の副作用と維持投与
Scene19 維持投与の再調整と発作出現後の投与設計

バルプロ酸
Scene20 即放性製剤と徐放性製剤
・ゾニサミド薬物動態パラメータ

第6章 気管支拡張薬

テオフィリン
Scene21 初期投与設計から外来維持投与設計
Scene22 外来フォロー中の緊急入院時対応
Scene23 薬物相互作用に注目する投与設計

第7章 TDMを活かす

特定薬剤治療管理料と血中濃度測定
 代表的な測定方法を知る

TDMをより有効に活かすために腎機能を検証する
 腎機能の評価
序文
 平成24年4月薬学教育6年制導入後初の薬剤師が誕生した.高度化する医療,求められる医療の質向上などを考慮すると薬剤師への期待は大きい.さらに診療報酬改定において,薬剤管理指導料に加え,病棟薬剤業務実施加算が承認された.病院薬剤師は病棟に常駐し,すべての患者に対してファーマシューティカルケアを提供しなければならない.今さらではあるが,そのためにプロフェッショナルとしての知識,技能は求められている.薬剤師業務の中心は薬物治療であり,安全,安心の医療を提供するためにはエビデンスが必要とされる.科学的根拠に基づいた薬物治療こそが,最も求められるプロフェッショナルスキルであり,これを実践することこそ医療人として現場に常駐する意義があるのである.薬物はヒトの体内に入り,吸収,分布,代謝,排泄の過程を経て,効力を発揮する.この過程を科学する学問として薬物動態学があり,これに基づいて個別医療に役立てることこそがTDMの極意であり,使命である.医療現場で薬剤師として君臨するためのスキルとしてTDM業務は欠かすことができないが,単にパソコンにデータを入力するだけでは,決してよい結果を生むはずがない.個々の患者の時間経過の中で病態を見極め,最適な薬物治療に対応することも現場では必要である.質を求められる実地医療では患者の状況に対応したTDMが必須である.本書はこれらのことを解決できるように薬剤師の視点を重視し,医療現場ですぐに薬物治療に役立つと確信している.

2012年5月
亀田メディカルセンター薬剤部
佐々木忠徳
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