抗菌薬 虎の巻
改訂2版
国立国際医療研究センター 国際感染症センター 大曲貴夫 監修
名古屋セントラル病院薬剤科 坂野昌志 著
四日市羽津医療センター薬剤科 片山歳也 著
静岡県立静岡がんセンター薬剤部 望月敬浩 著
定価
3,080円(本体 2,800円 +税10%)
- B5判 259頁
- 2016年9月 発行
- ISBN 978-4-525-77472-1
プロフェッショナルの存在価値は,その「判断」にあり!
初版から6年,ついに改訂2版ができました!
“抗菌薬虎の巻”というタイトルどおり,感染制御専門薬剤師が臨床現場で経験する様々な疑問・質問について解説し,合理的な判断につながる情報を盛り込んでいます.
Q&A形式なので,知りたい内容の答えがすぐにわかり,抗菌薬に対し苦手意識を持っている方々にもおすすめの一冊です!!
- 序文
- 目次
序文
監修のことば
わが国における感染症を取り巻く環境は,この10年で大きく変わった.私はその過程を幸いにも体験することができた.当初は臨床感染症に対する関心そのものが乏しかったものが,徐々にその重要性が認識されるようになっていった.とともに,感染症診療は医師だけでは成り立たないことが認知され,ここに薬剤師の方々が大いに感染症の診療に関わる素地ができた.本書の初版は2010年に発刊されているが,その大きなうねりの起きはじめの時期に発刊され,多くの薬剤師の方々に役立てていただいている.
今年は2016年.日本の今後の感染症診療を大きく動かす出来事があった.それは日本政府によるAMRアクションプランの発表である.動物の世界と人間の世界の健康を統合した概念であるワンヘルスの旗の下,人間の世界だけでなく,動物,環境の世界の抗菌薬耐性の問題に国を挙げて取り組むという政府の強い意思が示された.
このアクションプランには,抗菌薬の使用量を削減するための数値目標が掲げられている.この数値目標ばかりが取り上げられ,「抗菌薬の使用量を減らすことが目的のアクションプラン」と狭く捉えられているようである.実はこれはアクションプランを歪んで捉えていることになる.このプランの根底には,抗菌薬という資源を守って適正に使用することで国民の健康に役立てるという考えがある.要は,抗菌薬を適切に使って感染症をきちんと治療できる環境を整えていくことこそが,このプランの目指していることなのである.
このプランは国民全体で取り組むべきである.そして,そのなかで薬剤の果たす役割は大きい.つまり,医療の世界において抗菌薬の適正使用を推進するための中心的な存在が薬剤師なのである.現実の業務レベルの話でいえば,日々の業務で感染症診療に関わる機会が今後どんどん増えることが予想される.薬剤師への期待は大きい.
その過程で,新たにこの領域を学ぼうと欲する方もおられるだろう.あるいは,すでに感染症の領域に足を踏み入れているが,持続的に学ぶ,あるいは学び直しを必要とする方もおられるであろう.本書は,そのような方々のための書籍である.
2016年夏
国立国際医療研究センター国際感染症センター
大曲貴夫
はじめに -改訂にあたって-
ガイドラインに沿った治療を基本とし,薬剤の選択や投与量を理論的に考えやすい「感染症・抗菌薬」は薬剤師の思考回路からすると比較的取り組みやすい分野だと思われます.しかし,実際に臨床にいると「感染症・抗菌薬」が苦手という薬剤師が少なくないのが現状です.苦手な理由の多くは食べ物の好き嫌いと同じで「食わず嫌い」によるもので,嫌だといって逃げ回ることができなくなり,仕方なく関与してみると一転して自ら学ぶようになる人も珍しくありません.
2010年12月に初版が発行された本書ですが,企画をしたときには薬剤師が「感染症・抗菌薬」を学びたいと思っても十分な環境ではありませんでした.そこで,この分野に対して苦手意識をもっている薬剤師に少しでも興味をもってもらえるような入門書を作成し,究極の目標として感染症に関わる薬剤師の裾野を広げる契機になることを目指しました.その結果,私たちの予想を上回る非常に多くの方に手にしてもらうことができました.
初版が発行されてから5年以上が経過し,感染症に関与する薬剤師への教育環境は大きく変化しています.日本全国において感染症や感染対策に関する研究会が発足し,熱心な活動が行われるようになっています.また,資格認定者では日本化学療法学会による薬剤師教育によって多くの抗菌化学療法認定薬剤師が輩出されていますし,日本病院薬剤師会では感染制御専門薬剤師数は伸び悩んでいるものの感染制御認定薬剤師数は着実に増えています.感染症治療や感染対策における薬剤師の役割は重要であるという認識も定着し,人材育成の土壌も醸成しつつあります.
このように,本書を企画した当初の目的は,私たちの力が遠く及ばない所で達成に近づき,入門書である本書の役割は果たしたのではないかと考えています.しかし,自身の行動を振り返ってみると,著者の一人でありながら日常業務のなかで調べものをするときに頻繁に本書を手にしていることに気づきました.それは,本書が日常業務のなかで生じやすい疑問について,多忙な業務のなかでも確認しやすいQ&A形式でまとめてあるからだと思います.また,多くの方に手にしていただけたということは,「感染症・抗菌薬」を勉強したいが,数多くあるテキストや専門書はハードルが高いと感じている方にとって,本書のような入門書も一定の存在価値があると考え,今回改訂することになりました.
改訂2版では,第2章の項目を多数追加しただけでなく,既存の項目についても見直しを行い,現在の考え方に沿った内容に大幅に修正しています.初版の発行から5年以上が経過し,30代だった著者3名のうち2名は40代になり徐々に記憶力・気力の衰えを感じるようになっていますが,少しでも本書を手にしていただいた方のお役に立てることを願いながら執筆しました.本書が皆さまにとって少しでもお役に立つものになれば,これに勝る喜びはありません.
最後になりますが,今回の改訂でも監修いただきました,国立国際医療研究センター 大曲貴夫 先生に心よりお礼申し上げます.
2016年8月
著者を代表して 坂野昌志
わが国における感染症を取り巻く環境は,この10年で大きく変わった.私はその過程を幸いにも体験することができた.当初は臨床感染症に対する関心そのものが乏しかったものが,徐々にその重要性が認識されるようになっていった.とともに,感染症診療は医師だけでは成り立たないことが認知され,ここに薬剤師の方々が大いに感染症の診療に関わる素地ができた.本書の初版は2010年に発刊されているが,その大きなうねりの起きはじめの時期に発刊され,多くの薬剤師の方々に役立てていただいている.
今年は2016年.日本の今後の感染症診療を大きく動かす出来事があった.それは日本政府によるAMRアクションプランの発表である.動物の世界と人間の世界の健康を統合した概念であるワンヘルスの旗の下,人間の世界だけでなく,動物,環境の世界の抗菌薬耐性の問題に国を挙げて取り組むという政府の強い意思が示された.
このアクションプランには,抗菌薬の使用量を削減するための数値目標が掲げられている.この数値目標ばかりが取り上げられ,「抗菌薬の使用量を減らすことが目的のアクションプラン」と狭く捉えられているようである.実はこれはアクションプランを歪んで捉えていることになる.このプランの根底には,抗菌薬という資源を守って適正に使用することで国民の健康に役立てるという考えがある.要は,抗菌薬を適切に使って感染症をきちんと治療できる環境を整えていくことこそが,このプランの目指していることなのである.
このプランは国民全体で取り組むべきである.そして,そのなかで薬剤の果たす役割は大きい.つまり,医療の世界において抗菌薬の適正使用を推進するための中心的な存在が薬剤師なのである.現実の業務レベルの話でいえば,日々の業務で感染症診療に関わる機会が今後どんどん増えることが予想される.薬剤師への期待は大きい.
その過程で,新たにこの領域を学ぼうと欲する方もおられるだろう.あるいは,すでに感染症の領域に足を踏み入れているが,持続的に学ぶ,あるいは学び直しを必要とする方もおられるであろう.本書は,そのような方々のための書籍である.
2016年夏
国立国際医療研究センター国際感染症センター
大曲貴夫
はじめに -改訂にあたって-
ガイドラインに沿った治療を基本とし,薬剤の選択や投与量を理論的に考えやすい「感染症・抗菌薬」は薬剤師の思考回路からすると比較的取り組みやすい分野だと思われます.しかし,実際に臨床にいると「感染症・抗菌薬」が苦手という薬剤師が少なくないのが現状です.苦手な理由の多くは食べ物の好き嫌いと同じで「食わず嫌い」によるもので,嫌だといって逃げ回ることができなくなり,仕方なく関与してみると一転して自ら学ぶようになる人も珍しくありません.
2010年12月に初版が発行された本書ですが,企画をしたときには薬剤師が「感染症・抗菌薬」を学びたいと思っても十分な環境ではありませんでした.そこで,この分野に対して苦手意識をもっている薬剤師に少しでも興味をもってもらえるような入門書を作成し,究極の目標として感染症に関わる薬剤師の裾野を広げる契機になることを目指しました.その結果,私たちの予想を上回る非常に多くの方に手にしてもらうことができました.
初版が発行されてから5年以上が経過し,感染症に関与する薬剤師への教育環境は大きく変化しています.日本全国において感染症や感染対策に関する研究会が発足し,熱心な活動が行われるようになっています.また,資格認定者では日本化学療法学会による薬剤師教育によって多くの抗菌化学療法認定薬剤師が輩出されていますし,日本病院薬剤師会では感染制御専門薬剤師数は伸び悩んでいるものの感染制御認定薬剤師数は着実に増えています.感染症治療や感染対策における薬剤師の役割は重要であるという認識も定着し,人材育成の土壌も醸成しつつあります.
このように,本書を企画した当初の目的は,私たちの力が遠く及ばない所で達成に近づき,入門書である本書の役割は果たしたのではないかと考えています.しかし,自身の行動を振り返ってみると,著者の一人でありながら日常業務のなかで調べものをするときに頻繁に本書を手にしていることに気づきました.それは,本書が日常業務のなかで生じやすい疑問について,多忙な業務のなかでも確認しやすいQ&A形式でまとめてあるからだと思います.また,多くの方に手にしていただけたということは,「感染症・抗菌薬」を勉強したいが,数多くあるテキストや専門書はハードルが高いと感じている方にとって,本書のような入門書も一定の存在価値があると考え,今回改訂することになりました.
改訂2版では,第2章の項目を多数追加しただけでなく,既存の項目についても見直しを行い,現在の考え方に沿った内容に大幅に修正しています.初版の発行から5年以上が経過し,30代だった著者3名のうち2名は40代になり徐々に記憶力・気力の衰えを感じるようになっていますが,少しでも本書を手にしていただいた方のお役に立てることを願いながら執筆しました.本書が皆さまにとって少しでもお役に立つものになれば,これに勝る喜びはありません.
最後になりますが,今回の改訂でも監修いただきました,国立国際医療研究センター 大曲貴夫 先生に心よりお礼申し上げます.
2016年8月
著者を代表して 坂野昌志
目次
第1章 臨床にでる前に
1 抗菌薬投与の考え方
2 抗菌薬の分類と特徴
3 感染症の第1選択薬とは
4 PK/PDとは
5 数式なしでわかるTDM
6 薬剤感受性試験の結果の読み方
7 De-escalationから臨床能力を身に付ける
8 抗菌薬の効果判定
9 論文を読む
10 感染症の各種ガイドライン
第2章 抗菌薬Q&A
●効能・効果
Q1 疾患別MRSA感染症における抗MRSA薬はどれがよいですか?
Q2 エンピリックセラピーで抗MRSA薬の投与を開始するポイントを教えてください.
●スペクトラム
Q3 腸球菌に有効な抗菌薬にはどのようなものがありますか?
Q4 広域スペクトル抗菌薬であるカルバペネムと第4世代セフェムとタゾバクタム・ピペラシリンで使い分けはありますか?
Q5 グラム陽性菌にアミノグリコシドを使いますか?
Q6 ブレイクポイントとは何でしょうか?
Q7 ブレイクポイントが変わることはありますか? 具体例とその理由について教えてください.
Q8 MICの測定方法について教えてください.
Q9 クロストリジウム・ディフィシル関連下痢症におけるバンコマイシンとメトロニダゾールの使い分けを教えてください.
Q10 ゾシン®(タゾバクタム・ピペラシリン)の採用に伴って,ペントシリン®(ピペラシリン)の採用が削除されました.β-ラクタマーゼ阻害薬との配合剤があるものは,すべて変更したほうがよいのですか?
Q11 MRSA感染症治療にリファンピシンやミノマイシンなどを使用する意義は何ですか?
Q12 メロペネム点滴用とクリンダマイシン注射用の併用は必要ですか?
Q13 多剤耐性緑膿菌に対する抗菌薬選択について教えてください.
Q14 肺MAC症にはどんな抗菌薬を使いますか?
Q15 発熱性好中球減少症の際に緑膿菌をカバーする薬剤を選ぶ必要があるのはなぜですか?
●用法· 用量① 用法について
Q16 リファンピシンは朝食前空腹時投与ではなくて,食後でもよいと聞いたことがありますが本当ですか?
●用法· 用量② 用量について
Q17 添付文書に記載されている最小投与量を使用することはあるのですか?
Q18 抗菌薬はたくさんの量を使ったほうがよいと聞きますが,「多すぎる」場合もあるのですか?
Q19 Sepsisにおける抗菌薬の薬物動態について教えてください.
Q20 CHDFにおける抗菌薬投与設計について教えてください.
Q21 ローディング投与が必要な抗真菌薬について教えてください.
●用法· 用量③ 投与経路について
Q22 点滴メインルートの側管投与で一番安定しているカルバペネム系抗菌薬は何ですか?
Q23 注射薬から経口薬への切り替えのタイミングと,その理由をうまく患者に説明する方法はありますか?
Q24 セフトリアキソンと結石について教えてください.
Q25 抗菌薬のワンショット静脈注射禁忌について教えてください.
●TDM
Q26 TDM対象抗菌薬の採血のタイミングを教えてください.また,TDMをしない抗菌薬の特徴は何ですか?
Q27 テイコプラニンのローディングドーズは必須ですか?
Q28 TDM対象薬の最新の目標値と理由を教えてください.
Q29 バンコマイシン以外の血中濃度は院外測定である場合,ほかのTDM対象抗菌薬にどのように関わっていけばよいでしょうか?
Q30 抗菌薬TDMガイドラインからわかるTDMの限界について教えてください.
●組織移行性
Q31 「髄液移行性のよい抗菌薬ってなんだった?」と問い合わせがありました.髄液移行性がよい代表的な薬剤を教えてください.
Q32 皮膚・軟部組織感染症で移行性のよい抗菌薬は何がありますか?
Q33 バンコマイシンの髄液移行性はあまりよくないと聞きますが,MRSA髄膜炎にバンコマイシンを投与して治療効果はあるのですか?
Q34 MRSA腸炎に静注用バンコマイシンを投与することがありますか?
●副作用
Q35 抗菌薬に関連するかもしれないと考えられる下痢を,どう考えて,どう対応すべきですか?
Q36 抗菌薬に共通して起こりやすい副作用,投与中止を考慮しなければならない副作用には何がありますか?
Q37 ペンタミジン吸入前のβ2刺激薬前投与には,どんな意味があるのですか?
Q38 ペニシリンアレルギーの患者に術前の予防投与でセファゾリンを使用できますか?
Q39 ピボキシル基含有の抗菌薬服用でカルニチン欠乏になるのはどうしてですか?
Q40 リネゾリドによる血小板減少症について教えてください.
●相互作用
Q41 バルプロ酸Naとカルバペネム系抗菌薬の併用は禁忌ですが,バルプロ酸Na服用中のてんかん患者がカルバペネム系抗菌薬を使用したい感染症に罹ったら,どうするのですか?
Q42 ニューキノロン系抗菌薬と一緒に酸化MgやNSAIDsが処方されています.相互作用が起きませんか?
Q43 経口ニューキノロン系抗菌薬を不整脈患者に使用したいのですが,どのニューキノロンが安全ですか?
Q44 ワルファリンと抗菌薬の併用で注意すべきことを教えてください.
●治療期間・治療法
Q45 ジフルカン®静注液を点眼に使うことがあるのに,プロジフ®静注液を使えないのはなぜですか?
Q46 骨髄炎・感染性心内膜炎・真菌性眼内炎の治療期間が長い理由を教えてください.
●処方情報
Q47 医師はどんな時に抗菌薬を変更し,その変更意図を処方から読み取ることはできますか?
Q48 第1選択薬はどうやって決められるのですか?
Q49 問い合わせがあったときに,投与量や投与薬剤をすぐに答えられなければならない疾患を教えてください.
Q50 複数の抗菌薬を併用するケースを教えてください.
Q51 経口抗菌薬にも使い分けがありますか?
Q52 抗菌薬処方に対して疑義照会するポイントはどこですか?
Q53 風邪には通常,抗菌薬を出さないはずなのに,クラリスロマイシンやレボフロキサシンなどが処方されることがあるのはなぜですか?
Q54 抗インフルエンザ薬の予防投与とその治療期間について教えてください.
Q55 小児における抗菌薬投与量の監査について教えてください.
Q56 抗菌薬の後発医薬品は先発医薬品と適応症が異なる場合があるのですか?
●コミュニケーション① 医師と話す
Q57 抗菌薬がダラダラと続いているような気がします.抗菌薬の投与中止の判断要素を教えてください.
Q58 抗菌薬選択の理由を医師に聞きたいのですが,どのように聞けばよいでしょうか?
Q59 TDMや血中濃度解析をせずに抗MRSA薬を使う医師を,どう説得したらよいでしょうか?
Q60 グラム陽性菌への効果を期待してバンコマイシンの併用を提案すべき場面は,どんな時ですか?
Q61 グラム陰性菌への効果を期待してアミノグリコシドの併用を提案すべき場面は,どんな時ですか?
●コミュニケーション② 患者と話す
Q62 抗菌薬を服用してから赤い湿疹が出たと夜間に薬局に連絡がきました.どう対応すればよいのですか?
Q63 検査結果に基づき抗菌薬が変更され,患者は不安に感じています.どのような説明が適切でしょうか?
Q64 お昼ごろに朝・夕食後の指示のタミフル®の処方せんを患者がもってきました.どのような服薬指導を行えばよいですか?
●微生物
Q65 自然耐性について教えてください.
Q66 耐性菌といわれているものと抗菌薬の関係を教えてください.
Q67 CNSについて教えてください.
Q68 β-ラクタマーゼ阻害薬なのにスルバクタムはアシネトバクターに効くのですか?
●感染予防
Q69 薬剤による感染症予防について教えてください.
Q70 G-CSFについて教えてください.
Q71 CRBSIとは何ですか?
Q72 SSIと予防抗菌薬について教えてください.
付録:おまけの一覧表
索 引
コラム
■ 抗菌薬の眼内投与
■ De—escalation:メチシリン感性黄色ブドウ球菌ならセファゾリン,ペニシリン感性E. faecalisならアンピシリン
■ フルコナゾールはAUC=投与量
■ 免疫抑制剤や抗がん剤投与前のお作法:HBVのチェック
■ 魚釣りと抗菌薬
■ ピンポイント
■ 秘密のケンミンSHOW
■ 周術期の生物学的製剤の中止・再開は?
■ 定常状態になるまでの時間は半減期で決まる
■ 抗菌薬の点滴時間はどこまで長くできる?
■ 抗菌薬関連脳症とは?
■ 市中獲得型MRSAと院内感染型MRSA
■ 耐性化と退化……
■ 多剤耐性アシネトバクター・バウマニー
■ 肺結核と肺外結核の治療で使用する抗菌薬は異なりますか?
■ バンコマイシンの腎障害はどんなとき?
1 抗菌薬投与の考え方
2 抗菌薬の分類と特徴
3 感染症の第1選択薬とは
4 PK/PDとは
5 数式なしでわかるTDM
6 薬剤感受性試験の結果の読み方
7 De-escalationから臨床能力を身に付ける
8 抗菌薬の効果判定
9 論文を読む
10 感染症の各種ガイドライン
第2章 抗菌薬Q&A
●効能・効果
Q1 疾患別MRSA感染症における抗MRSA薬はどれがよいですか?
Q2 エンピリックセラピーで抗MRSA薬の投与を開始するポイントを教えてください.
●スペクトラム
Q3 腸球菌に有効な抗菌薬にはどのようなものがありますか?
Q4 広域スペクトル抗菌薬であるカルバペネムと第4世代セフェムとタゾバクタム・ピペラシリンで使い分けはありますか?
Q5 グラム陽性菌にアミノグリコシドを使いますか?
Q6 ブレイクポイントとは何でしょうか?
Q7 ブレイクポイントが変わることはありますか? 具体例とその理由について教えてください.
Q8 MICの測定方法について教えてください.
Q9 クロストリジウム・ディフィシル関連下痢症におけるバンコマイシンとメトロニダゾールの使い分けを教えてください.
Q10 ゾシン®(タゾバクタム・ピペラシリン)の採用に伴って,ペントシリン®(ピペラシリン)の採用が削除されました.β-ラクタマーゼ阻害薬との配合剤があるものは,すべて変更したほうがよいのですか?
Q11 MRSA感染症治療にリファンピシンやミノマイシンなどを使用する意義は何ですか?
Q12 メロペネム点滴用とクリンダマイシン注射用の併用は必要ですか?
Q13 多剤耐性緑膿菌に対する抗菌薬選択について教えてください.
Q14 肺MAC症にはどんな抗菌薬を使いますか?
Q15 発熱性好中球減少症の際に緑膿菌をカバーする薬剤を選ぶ必要があるのはなぜですか?
●用法· 用量① 用法について
Q16 リファンピシンは朝食前空腹時投与ではなくて,食後でもよいと聞いたことがありますが本当ですか?
●用法· 用量② 用量について
Q17 添付文書に記載されている最小投与量を使用することはあるのですか?
Q18 抗菌薬はたくさんの量を使ったほうがよいと聞きますが,「多すぎる」場合もあるのですか?
Q19 Sepsisにおける抗菌薬の薬物動態について教えてください.
Q20 CHDFにおける抗菌薬投与設計について教えてください.
Q21 ローディング投与が必要な抗真菌薬について教えてください.
●用法· 用量③ 投与経路について
Q22 点滴メインルートの側管投与で一番安定しているカルバペネム系抗菌薬は何ですか?
Q23 注射薬から経口薬への切り替えのタイミングと,その理由をうまく患者に説明する方法はありますか?
Q24 セフトリアキソンと結石について教えてください.
Q25 抗菌薬のワンショット静脈注射禁忌について教えてください.
●TDM
Q26 TDM対象抗菌薬の採血のタイミングを教えてください.また,TDMをしない抗菌薬の特徴は何ですか?
Q27 テイコプラニンのローディングドーズは必須ですか?
Q28 TDM対象薬の最新の目標値と理由を教えてください.
Q29 バンコマイシン以外の血中濃度は院外測定である場合,ほかのTDM対象抗菌薬にどのように関わっていけばよいでしょうか?
Q30 抗菌薬TDMガイドラインからわかるTDMの限界について教えてください.
●組織移行性
Q31 「髄液移行性のよい抗菌薬ってなんだった?」と問い合わせがありました.髄液移行性がよい代表的な薬剤を教えてください.
Q32 皮膚・軟部組織感染症で移行性のよい抗菌薬は何がありますか?
Q33 バンコマイシンの髄液移行性はあまりよくないと聞きますが,MRSA髄膜炎にバンコマイシンを投与して治療効果はあるのですか?
Q34 MRSA腸炎に静注用バンコマイシンを投与することがありますか?
●副作用
Q35 抗菌薬に関連するかもしれないと考えられる下痢を,どう考えて,どう対応すべきですか?
Q36 抗菌薬に共通して起こりやすい副作用,投与中止を考慮しなければならない副作用には何がありますか?
Q37 ペンタミジン吸入前のβ2刺激薬前投与には,どんな意味があるのですか?
Q38 ペニシリンアレルギーの患者に術前の予防投与でセファゾリンを使用できますか?
Q39 ピボキシル基含有の抗菌薬服用でカルニチン欠乏になるのはどうしてですか?
Q40 リネゾリドによる血小板減少症について教えてください.
●相互作用
Q41 バルプロ酸Naとカルバペネム系抗菌薬の併用は禁忌ですが,バルプロ酸Na服用中のてんかん患者がカルバペネム系抗菌薬を使用したい感染症に罹ったら,どうするのですか?
Q42 ニューキノロン系抗菌薬と一緒に酸化MgやNSAIDsが処方されています.相互作用が起きませんか?
Q43 経口ニューキノロン系抗菌薬を不整脈患者に使用したいのですが,どのニューキノロンが安全ですか?
Q44 ワルファリンと抗菌薬の併用で注意すべきことを教えてください.
●治療期間・治療法
Q45 ジフルカン®静注液を点眼に使うことがあるのに,プロジフ®静注液を使えないのはなぜですか?
Q46 骨髄炎・感染性心内膜炎・真菌性眼内炎の治療期間が長い理由を教えてください.
●処方情報
Q47 医師はどんな時に抗菌薬を変更し,その変更意図を処方から読み取ることはできますか?
Q48 第1選択薬はどうやって決められるのですか?
Q49 問い合わせがあったときに,投与量や投与薬剤をすぐに答えられなければならない疾患を教えてください.
Q50 複数の抗菌薬を併用するケースを教えてください.
Q51 経口抗菌薬にも使い分けがありますか?
Q52 抗菌薬処方に対して疑義照会するポイントはどこですか?
Q53 風邪には通常,抗菌薬を出さないはずなのに,クラリスロマイシンやレボフロキサシンなどが処方されることがあるのはなぜですか?
Q54 抗インフルエンザ薬の予防投与とその治療期間について教えてください.
Q55 小児における抗菌薬投与量の監査について教えてください.
Q56 抗菌薬の後発医薬品は先発医薬品と適応症が異なる場合があるのですか?
●コミュニケーション① 医師と話す
Q57 抗菌薬がダラダラと続いているような気がします.抗菌薬の投与中止の判断要素を教えてください.
Q58 抗菌薬選択の理由を医師に聞きたいのですが,どのように聞けばよいでしょうか?
Q59 TDMや血中濃度解析をせずに抗MRSA薬を使う医師を,どう説得したらよいでしょうか?
Q60 グラム陽性菌への効果を期待してバンコマイシンの併用を提案すべき場面は,どんな時ですか?
Q61 グラム陰性菌への効果を期待してアミノグリコシドの併用を提案すべき場面は,どんな時ですか?
●コミュニケーション② 患者と話す
Q62 抗菌薬を服用してから赤い湿疹が出たと夜間に薬局に連絡がきました.どう対応すればよいのですか?
Q63 検査結果に基づき抗菌薬が変更され,患者は不安に感じています.どのような説明が適切でしょうか?
Q64 お昼ごろに朝・夕食後の指示のタミフル®の処方せんを患者がもってきました.どのような服薬指導を行えばよいですか?
●微生物
Q65 自然耐性について教えてください.
Q66 耐性菌といわれているものと抗菌薬の関係を教えてください.
Q67 CNSについて教えてください.
Q68 β-ラクタマーゼ阻害薬なのにスルバクタムはアシネトバクターに効くのですか?
●感染予防
Q69 薬剤による感染症予防について教えてください.
Q70 G-CSFについて教えてください.
Q71 CRBSIとは何ですか?
Q72 SSIと予防抗菌薬について教えてください.
付録:おまけの一覧表
索 引
コラム
■ 抗菌薬の眼内投与
■ De—escalation:メチシリン感性黄色ブドウ球菌ならセファゾリン,ペニシリン感性E. faecalisならアンピシリン
■ フルコナゾールはAUC=投与量
■ 免疫抑制剤や抗がん剤投与前のお作法:HBVのチェック
■ 魚釣りと抗菌薬
■ ピンポイント
■ 秘密のケンミンSHOW
■ 周術期の生物学的製剤の中止・再開は?
■ 定常状態になるまでの時間は半減期で決まる
■ 抗菌薬の点滴時間はどこまで長くできる?
■ 抗菌薬関連脳症とは?
■ 市中獲得型MRSAと院内感染型MRSA
■ 耐性化と退化……
■ 多剤耐性アシネトバクター・バウマニー
■ 肺結核と肺外結核の治療で使用する抗菌薬は異なりますか?
■ バンコマイシンの腎障害はどんなとき?