書籍カテゴリー:臨床薬学

スキルアップのための妊婦への服薬指導

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スキルアップシリーズ
スキルアップのための妊婦への服薬指導

1版

  • 新潟大学大学院医歯学総合研究科産婦人科 教授 田中 憲一 編
  • 新潟大学医学部附属病院 教授・薬剤部長 佐藤 博 編

定価:2,592円(本体2,400円+税8%)

  • A5判 326頁
  • 2003年9月 発行
  • ISBN978-4-525-77651-0
  • ISBN4-525-77651-X

概要

妊娠中の患者や授乳中の母親が服用した薬物に対する不安感や疑問に対して,医師のみならず薬剤師や看護師は薬物療法上の観点からその安全性の程度について,何らかの回答を迫られる機会も多くなってきている.本書は新潟大学病院産科婦人科遺伝外来で現在行われている妊婦への服薬指導をもとに,実践面で活用できるよう医療関係者向けにわかりやすくかつ論理的に解説した書である.

序文

このたび「スキルアップのための妊婦への服薬指導」を上梓することとなった.従来から広範な薬剤関連情報を提供し,好評を博している「スキルアップシリーズ」であるが,このたびは,要望の大きかった妊娠婦人に対する服薬に関する諸問題を取り上げ,解説書として本書を編集した.
一般の薬物投与と異なり,妊娠している婦人に対し薬物を投与する際には,その薬物が妊婦本人のみならず胎児にどのような影響を与えるかを念頭に置かなければならないことは当然のことである.一方,妊娠していることを知らずに妊娠初期に薬物を服用していた場合,医師,妊婦ともに大きな不安を抱くことがある.
このような日常臨床における大きな問題を解決するためには,各種薬剤の妊婦,胎児に与える影響に関する知識とともに,妊娠に関する基礎的な知識も不可欠である.本書では,これらの点を考慮して,産科婦人科医師の立場から妊娠の基礎と,妊婦に対する薬物投与の実際を解説するとともに,薬剤師の立場から各種薬剤の妊婦・胎児に与える影響について解説した.とくに後者については,これまで,新潟大学医学部附属病院産科婦人科遺伝外来における薬剤服用妊婦に対する相談の場で,実際に用いられた薬剤情報を中心に,過去のデータに基づく各種薬剤の妊婦,胎児に与える影響を提示し,日常臨床に役立つよう配慮した.この点が,類書にない,本書の特徴であるといえる.
本書により,妊婦に対する薬剤投与の問題の多くは解決されるものと考えられ,臨床医,薬剤師,看護師はじめ多くの医療関係者の方々に広く活用していただきたい.
最後に,本書の執筆にあたり,多大な労をお取りいただいた南山堂編集者各位に深謝する次第である.

2003年8月 新潟大学大学院医歯学総合研究科 産科婦人科 教授 田中憲一

目次

I.患者さんから:出産後のフォローアップ・カウンセリング
  症例1〜症例6

II.医師から:妊娠中によく相談される疾患を中心に
 A.妊婦への服薬指導,とくに妊娠に対する薬剤の影響に関する相談のための基礎知識
  1.妊婦への服薬指導にあたっての留意点
  2.妊婦への服薬指導にあたって重要な妊娠時期の診断について
 3.薬剤の催奇形性について
 B.妊娠中の各種疾患と薬物療法
 1.妊娠中の栄養
 2.妊婦感染症の治療
 C.妊娠中によくみられる疾患とその服薬指導
  1.口内炎
  2.胃 炎
  3.便秘症
  4.下痢症
  5.痔核症
  6.貧 血
  7.上気道炎
  8.解熱・鎮痛剤
  9.気管支喘息
  10.高血圧
  11.腎疾患
  12.糖尿病
  13.甲状腺疾患
  14.癲 癇
  15.不眠症
  16.統合失調症
  17.眼疾患
  18.外用剤
  19.ビタミン類

III.薬剤師から:妊婦への服薬指導はどうしていますか?
 A. パンドラの箱
 B.医薬品添付文書「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」における記載
 C.新潟大学医学部附属病院産科婦人科遺伝外来の現況
 D.薬剤情報量は少ないが,ないわけではない
 E.「妊娠時における服薬による胎児への影響」に関する情報源
 F.カウンセリング時における失敗談,充実感,エピソードから
   症例7〜症例15
 G.現状が分かれば,ちょっと安心!
  1.薬剤情報提供の依頼件数
  2.年齢分布
  3.調査医薬品の薬剤数
  4.調査医薬品の薬剤
  5.カウンセリング時における妊娠の週数
  6.妊娠の転帰
  7.薬剤評価における検索率
 H.最近の話題
  1.C型肝炎ウイルス(HCV)治療薬と妊娠
  2.サリドマイドの再登板(?)と妊娠
 I.妊娠期間中に服薬を必要とするクライアントへのメッセージ
 J.薬剤師へのメッセージ

IV.薬剤情報

V.妊婦を取り巻く医療倫理とその対策
 A.はじめに
 B.不妊治療における問題点
 C.遺伝子をめぐる問題点
 D.遺伝子診断をめぐる問題点
 E.余剰な受精卵や余剰胚の研究使用に関する問題点
 F.胎児組織移植に関する問題点
 G.医療関連特許と知的財産
 H.まとめ

索引  一般索引
    薬剤索引