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カテゴリー: 臨床薬学

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経口抗がん薬チェックリスト

1版

静岡県立静岡がんセンター 薬剤部 編

定価

2,200(本体 2,000円 +税10%)


  • B6判  219頁
  • 2019年3月 発行
  • ISBN 978-4-525-77791-3

「経口抗がん薬」監査のエッセンスを詰め込んだ一冊!

経口抗がん薬は近年数多く発売され,外来で遭遇する機会が増えている.本書は,経口抗がん薬の処方監査時に確認すべきポイントを“1薬剤2ページ”に凝縮してまとめた.また,作用機序や代表的な副作用を簡潔に整理して記載した.外来で抗がん薬を取り扱う薬剤師におすすめの一冊!

  • 目次
  • 序文
目次
Chapter 1 経口抗がん薬チェックリスト
・アイクルシグ錠(ポナチニブ塩酸塩)
・アグリリンカプセル(アナグレリド塩酸塩水和物)
・アフィニトール錠(エベロリムス)
・アムノレイク錠(タミバロテン)
・アリミデックス錠(アナストロゾール)
・アルケラン錠(メルファラン)
・アレセンサカプセル(アレクチニブ塩酸塩)
・アロマシン錠(エキセメスタン)
・イクスタンジ錠,カプセル(エンザルタミド)
・イブランスカプセル(パルボシクリブ)
・イムブルビカカプセル(イブルチニブ)
・イレッサ錠(ゲフィチニブ)
・インライタ錠(アキシチニブ)
・ヴォトリエント錠(パゾパニブ塩酸塩)
・エストラサイトカプセル(エストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物)
・塩酸プロカルバジンカプセル(プロカルバジン塩酸塩)
・エンドキサン錠(シクロホスファミド)
・オダイン錠(フルタミド)
・オペプリム(ミトタンカプセル)
・カソデックス錠,OD錠(ビカルタミド)
・カプレルサ錠(バンデタニブ)
・グリベック錠(イマチニブメシル酸塩)
・ザイティガ錠(アビラテロン酢酸エステル)
・ザーコリカプセル(クリゾチニブ)
・サレドカプセル(サリドマイド)
・ジオトリフ錠(アファチニブマレイン酸塩)
・ジカディアカプセル(セリチニブ)
・ジャカビ錠(ルキソリチニブリン酸塩)
・スタラシドカプセル(シタラビン オクホスファート水和物)
・スチバーガ錠(レゴラフェニブ)
・スーテントカプセル(スニチニブリンゴ酸塩)
・スプリセル錠(ダサチニブ)
・ゼルボラフ錠(ベムラフェニブ)
・ゼローダ錠(カペシタビン)
・ゾスパタ錠(ギルテリチニブフマル酸塩)
・ゾリンザカプセル(ボリノスタット)
・タイケルブ錠(ラパチニブトシル酸塩水和物)
・タグリッソ錠(オシメルチニブメシル酸塩)
・タシグナカプセル(ニロチニブ塩酸塩水和物)
・タフィンラーカプセル(ダブラフェニブメシル酸塩)
・タルグレチンカプセル(ベキサロテン)
・タルセバ錠(エルロチニブ塩酸塩)
・ティーエスワン配合OD錠(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)
・テモダールカプセル(テモゾロミド)
・ニンラーロカプセル(イキサゾミブクエン酸エステル)
・ネクサバール錠(ソラフェニブトシル酸塩)
・ノルバデックス錠(タモキシフェンクエン酸塩)
・ハイドレアカプセル(ヒドロキシカルバミド)
・5-FU錠(フルオロウラシル)
・ファリーダックカプセル(パノビノスタット乳酸塩)
・フェアストン錠(トレミフェンクエン酸塩)
・フェマーラ錠(レトロゾール)
・フトラフールカプセル(テガフール)
・フルダラ錠(フルダラビンリン酸エステル)
・フルツロンカプセル(ドキシフルリジン)
・ベサノイドカプセル(トレチノイン)
・ベージニオ錠(アベマシクリブ)
・ベプシド/ラステットSカプセル(エトポシド)
・ペラゾリン細粒(ソブゾキサン)
・ボシュリフ錠(ボスチニブ水和物)
・ポマリストカプセル(ポマリドミド)
・マブリン散(ブスルファン)
・ムンデシンカプセル(フォロデシン塩酸塩)
・メキニスト錠(トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物)
・メソトレキセート錠(メトトレキサート)
・ユーエフティ配合カプセル,配合顆粒(テガフール・ウラシル)
・ラパリムス錠(シロリムス)
・リムパーザ錠(オラパリブ)
・レブラミドカプセル(レナリドミド水和物)
・レンビマカプセル(レンバチニブメシル酸塩)
・ロイケリン散(メルカプトプリン水和物)
・ローブレナ錠(ロルラチニブ)
・ロンサーフ配合錠(トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)

Chapter 2 有害事象の評価
・CTCAEとは
・血液毒性
・腎機能障害
・電解質異常
・腫瘍崩壊症候群(TLS)
・Laboratory TLS
・Clinical TLS
・肝機能障害
・HBVスクリーニング
・膵炎
・低血糖・高血糖
・脂質異常症
・高血圧
・心障害
・神経障害
・消化器・粘膜症状
・Child-Pugh分類
・DIC診断基準

Chapter 3 副作用の初期症状
・好中球減少症
・出血傾向,血小板減少症
・貧血
・肝機能障害
・急性腎不全
・ネフローゼ症候群
・腫瘍崩壊症候群(TLS)
・うっ血性心不全
・心室頻拍
・横紋筋融解症
・低血糖
・急性膵炎
・甲状腺機能低下症
・間質性肺炎
・胸膜炎,胸水貯留
・末梢神経障害
・麻痺性イレウス

Chapter 4 抗がん薬の作用機序
・アルキル化薬
・トポイソメラーゼ阻害薬
・代謝拮抗薬
・フッ化ピリミジン系代謝拮抗薬
・急性前骨髄球性白血病治療薬
・mTOR阻害薬
・HDAC阻害薬
・多発性骨髄腫治療薬
・チロシンキナーゼ阻害薬
  ALK阻害薬
  Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬
  EGFRチロシンキナーゼ阻害薬
  BRAF阻害薬
  VEGFR等マルチキーゼ阻害薬
  その他
・抗女性ホルモン薬
・抗男性ホルモン薬
・CDK4/6阻害薬
・その他の抗がん薬

■付録:経口抗がん薬チェックに便利な計算・換算ツール
■事項索引
■薬剤名索引
序文
 がん化学療法は,主に注射抗がん薬を用いた多剤併用療法がレジメンやプロトコルと呼ばれ,専門家による審査委員会などで実施規定が定められていることが多い.そして,多くの医療機関において,外来点滴室のような専門部署で,経験豊富な医療者による手厚いケアのもと安全管理がなされている.しかし,治療内容が変わり,経口抗がん薬による治療になるとどうであろうか.経口抗がん薬の中には,初回から外来通院での治療となることもある.この処方時の病院薬剤師による安全管理は,手薄になることが少なくない.つまり,外来院内処方では,待ち時間に追われ,処方内容の確認や患者指導が行き届かないことが多い.さらに,院外処方になれば,病院薬剤師の手を離れ,検査値やカルテ閲覧のできない,保険薬局での安全管理に委ねられる.
 分子標的薬など多彩な作用機序の経口抗がん薬では,確認事項も非常に多い.その安全基準となるのは,適正使用ガイドや添付文書となるであろうが,たとえがん医療に精通した薬剤師であっても,詳細な投与基準を把握するのは困難である.そこで,本チェックリストは,経口抗がん薬の監査や調剤時に,安全性の観点で特にこれだけは確認してほしい基準を整理した.さらに,処方チェック時に有用な計算ツールなども合わせて紹介した.
 著者らの施設では,本チェックリストを,日々の調剤業務で使用している.このチェックリストをもとにした確認は,調剤業務への大きな負担にはなっていない.さらに,多くの疑義照会やプレアボイドがなされているのが実際である.現在では,このチェックリストなしには,安全な調剤ができないと感じている.このようなわれわれの経験が,経口抗がん薬治療を行う医療者の助けとなり,患者の安全な治療に寄与することを願って本書の出版に至ったことをお伝えしたい.

2019年2月
著者を代表して 佐藤淳也
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