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カテゴリー: 臨床薬学

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薬局プレアボイド

見逃さない!薬剤師の事例103

1版

東京大学大学院薬学系研究科 医薬品情報学講座 教授 澤田康文 編著
株式会社アインファーマーシーズ 千葉朋寛 著
株式会社アインファーマーシーズ 宮城正翠 著
株式会社アインファーマーシーズ 粕谷知美 著
東京大学大学院薬学系研究科 医薬品情報学講座 佐藤宏樹 著

定価

3,850(本体 3,500円 +税10%)


  • B5判  290頁
  • 2014年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-78571-0

『Ph.D.SAWADAの処方せん鑑査ラボ』に続く処方監査・疑義照会の実践書の第2弾!患者の不利益を事前に回避・軽減するプレアボイド実例を保険薬局から収集し,ヒヤリハット事例の第一人者である澤田先生が解説.事例を原因・場面・重大度などで分類し現場を意識した目次構成で,日々の処方監査の力をつけることのできるお薦めの一冊.

  • 序文
  • 目次
序文
 2006年の薬事法改正により保険薬局は「医療提供施設」と位置づけられ,地域医療の拠点としての役割を担っている.
 保険薬局は,病院のように患者の検査値などの詳細な情報を把握することは難しいこともあるだろうが,医薬品の相談相手として患者情報にアクセスしやすく,複数の医療施設からの処方情報を一元的に把握しやすい立場にあり,個人の薬歴や投与歴を基とした処方せん監査が可能となるといった大きな長所を持つ.
 薬剤師が処方せん監査・疑義照会などを行うことにより薬物療法に直接関与し,患者への重複処方や相互作用などの不利益を事前に回避・軽減した事例を“プレアボイド”と呼ぶ.日本病院薬剤師会のプレアボイド報告小委員会の報告によれば,平成23,24 年度では年間2 万件以上のプレアボイド事例の報告が寄せられているという.これは,薬剤師において,より安全な医療を提供するために処方せん監査におけるプレアボイドを行おうとする意識がより浸透し,薬剤師の職能をこれまで以上に発揮していることのあらわれだと言える.
 処方せん監査・疑義照会のノウハウを処方せんチェックのポイント別に「解説書」としてまとめた『処方せん鑑査ラボ』を2011年に上梓したが,本書は全国の保険薬局において実践された103 のプレアボイド事例をまとめた「実際の事例集」であり,まさに薬局版のプレアボイド報告集と言えるだろう.
 薬物治療のゲートキーパーである薬剤師は,重要な使命である「処方せん監査」および「疑義照会」を研鑽することが求められている.そのための臨場感溢れた教材として本書は有効に活用できるものと確信する.
 処方せん監査業務の技能を研鑽するために体系的な理解がもっとも能率的と考え企図した本書が,患者のためにより良い,さらには最良の処方せん監査を実践するために,少しでもお役に立てば著者にとって望外の喜びである.

2014年3月
澤田康文 
目次
1.販売名一般名
case 01 剤形が指定されていないリンデロン
case 02 過少量で処方されたアレロック顆粒

2.組成・性状・有効成分
case 03 粉薬の服用が苦手な患者への散剤処方
case 04 毛のある患部へのテープ剤処方
case 05 胃瘻の患者に処方された大きなカプセル剤

3.効能および効果
case 06 唇の保護に処方されたプロトピック軟膏
case 07 NSAIDsの2剤併用処方
case 08 てんかん症状がない患者へのマイスタン錠
case 09 血圧が安定している患者へのアムロジンOD錠の追加処方
case 10 整形外科へ通院していた患者へのローコール錠
case 11 ステロイドによる副作用歴のある患者へのステロイド軟膏
case 12 ピロリ菌二次除菌に対してクラリス錠とフラジール内服錠の併用処方
case 13 皮膚科クリニックから処方されたフルメトロン点眼液
case 14 ユーゼル錠が処方されていないホリナート・テガフール・ウラシル療法
case 15 強い咳が持続しているのに鎮咳薬が処方から削除
case 16 降圧薬を併用している血圧コントロール不良患者へのディオバン錠の追加
case 17 テモダールカプセル,ナゼアOD錠が突然中止
case 18 トラマールカプセルが突然中止
case 19 患者が訴える「足のつっぱり」に対応していない処方
case 20 治療計画上,投与量が不足しているティーエスワン配合カプセル
case 21 右下肢痛で痛み止め服用中の患者からリリカカプセルが削除

4.用法および用量
case 22 患者が希望する用法とは異なるザンタック錠
case 23 化学療法施行日と服用日が異なるイメンドカプセル
case 24『1日3回 毎食後』で処方されたオゼックス細粒
case 25 降圧配合剤への切り替えにより1回服用錠数を減らした処方
case 26『1日2回服用』で処方されたジャヌビア錠
case 27『食前服用』で処方されたアカルボース錠
case 28『1日1回服用』で処方されたクラリス錠
case 29『ビオチン散0.2% 1,000mg』と記載された散剤処方
case 30『1日1回服用』で処方されたゾーミッグRM錠
case 31『1日1回1噴霧』で処方されたイミグラン点鼻液
case 32『 便秘時』頓用で処方されたロペミンカプセル
case 33 メニエール病と推測される患者へのダイアモックス錠『1日3回』処方
case 34 休薬期間のないティーエスワン配合カプセルの14日間処方
case 35 ジスロマックSR成人用ドライシロップの10日間処方
case 36 変則的な服用方法で処方されたチガソンカプセル
case 37 成人量を超過しているホスミシンドライシロップの小児への処方
case 38 小児に処方された10倍量のアセトアミノフェン
case 39 小児/成人体重比率で小児用量を決定したサワシリン細粒
case 40 3歳患児に処方された『1日1回1枚』のホクナリンテープ0.5mg
case 41 2歳1ヵ月,13kgの患児に処方されたムコダインシロップ5% 800mg(成分量)
case 42 13歳患児に処方された成人量のエプカロール錠
case 43 川崎病の慢性期に処方されたアスピリン
case 44 6歳患児に処方された過量のセフゾン細粒小児用
case 45 アリセプトD錠の急激な増量処方
case 46『2週間服用1週間休薬』の計画で処方されたティーエスワン配合カプセル
case 47 週3回,継続服用しているバクタ配合錠
case 48『4週間服用2週間休薬』の計画で処方されたティーエスワン配合カプセル
case 49『4週間服用1週間休薬』のホリナートテガフールウラシル療法
case 50 患者の判断で服用が中止されていたティーエスワン配合カプセル
case 51 28日間連続服用で処方されたゼローダ錠
case 52『5日間服用2日間休薬』で処方されたフルツロンカプセル
case 53『2週間服用1週間休薬』で服用を継続しているティーエスワン配合カプセル
case 54 過量に処方されたアスベリン散
case 55 がん性疼痛をコントロールしていたオキシコンチン錠の減量
case 56 低血糖対策で減量されたインスリンの投与単位
case 57『1錠 分3 毎食後』で処方されたテルネリン錠
case 58 シムビコートタービュヘイラーの過少量処方
case 59 増量のスケジュール中にテグレトール細粒の投与量が減量
case 60 継続服用しているミカルディス錠40mg/日の減量処方
case 61 排尿をコントロールしているエブランチルカプセルの減量処方
case 62 継続服用していたブロプレス錠12mg/日の処方変更
case 63 非専門医が処方したプラビックス錠とアーチスト錠
case 64 成人へ処方されたタミフルドライシロップ
case 65 突発性難聴へのプレドニゾロン錠の漸減処方
case 66 高齢者へ処方されたプラザキサカプセル
case 67 薬剤ごとに服用時期が異なる多剤併用処方
case 68 目の不自由な患者への多剤併用処方
case 69 24歳女性への『1日3回 毎食後』の継続的な処方
case 70『2包 1日2回』の用法で処方されていたユーエフティE配合顆粒
case 71 エフピーOD錠服用中止後に処方されたサインバルタカプセル
case 72 アリセプトD錠とレミニールOD錠の併用処方
case 73 1日10mgより投与が開始されたメマリー錠

5.禁忌・慎重投与(薬剤に不適切な疾患)
case 74 肺塞栓症の既往がある患者へ処方されたビビアント錠
case 75 テグレトール細粒服用中の患者へ処方されたザジテンドライシロップ
case 76 泌尿器科へ通院中の患者へ処方されたセラピナ配合顆粒
case 77 前立腺肥大症患者へ処方された抗コリン作用を有する薬剤
case 78 ユリーフ錠服用中の患者へ処方されたゼスラン錠
case 79 糖尿病患者へ処方されたエブトール錠
case 80 緑内障患者へ処方されたPL配合顆粒

6.禁忌・慎重投与(薬剤に不適切な生理的状態)
case 81 牛乳アレルギーの小児へ処方されたタンナルビン
case 82 卵アレルギーのある患者へ処方されたノイチームシロップ
case 83 アスピリン喘息が疑われる患者へ処方されたバイアスピリン錠
case 84 セフェム系抗菌薬に副作用歴がある患者への同種の抗菌薬処方
case 85 数種類の抗アレルギー薬に副作用歴がある患者へ処方されたアレグラ錠
case 86 トミロン錠で顔面麻痺の副作用歴がある患者へ処方されたケフラールカプセル

7.禁忌慎重投与(薬物相互作用)
case 87 同時に処方されたゾニサミド錠とメジコン錠
case 88 ジフルカンカプセル服用中の患者へ処方されたカルブロック錠
case 89 複数診療科から処方されたセルベックス
case 90 がん化学療法中に複数施設から処方されたオメプラール錠
case 91 同時に処方されたハイペン錠とセレコックス錠
case 92 内科と整形外科から処方されたガスロンN OD錠
case 93 複数診療科から処方されたリリカカプセル
case 94 同一医師から処方されたPPI,スタチン系薬各々の同効薬の併用処方
case 95 歯科から処方されたケフラールカプセルと整形外科から処方されたセフゾンカプセルの重複処方
case 96 同時に処方されたアシノン錠とファモチジンD錠
case 97 複数診療科から処方されたセルベックスカプセルとアンタゴスチンカプセル
case 98 整形外科から処方されたプロサイリン錠と心臓血管外科から処方されたドルナー錠
case 99 メンタル科に通院中の患者へ処方されたバルネチール錠
case 100 エクセグラン錠服用中の患者に他科から処方されたトラマゾリン点鼻液

8.副作用
case 101 うつ病患者が訴えた昼間の眠気
case 102 向精神薬服用患者が頓服服用しているタスモリン錠
case 103 副作用の初期症状発現が把握されず処方が継続されたユーエフティE配合顆粒

INDEX
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