書籍カテゴリー:歯学

エックス線診断と生体構造

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臨床歯科エビデンス
臨床歯科エビデンス
エックス線診断と生体構造

1版

  • 日本歯科大学解剖学第1講座教授 佐藤 巌 著
  • 日本歯科大学歯科放射線学講座教授 代居 敬 著
  • 日本歯科大学歯科放射線学講座 河合 泰輔 著

定価:4,320円(本体4,000円+税8%)

  • A4判 116頁
  • 2004年5月 発行
  • ISBN978-4-525-80021-5
  • ISBN4-525-80021-6

概要

 “歯科エックス線診断学”を学ぶ際に知っておいてほしい“解剖学”の基礎知識を,目で見て理解できるスタイルを目指した結果,全ページカラーの教科書が完成しました.ここでの“解剖学”の知識は,臨床における“エックス線診断スキル”を確実にアップさせることでしょう.
 学内試験・CBTなどの前に“自分自身の知識を整理・確認するための本”をコンセプトに,重要項目をそれぞれ1ページ単位で,Q&Aのスタイルによる解説と全頁約500枚からなるエックス線写真・解剖写真などを用いて簡潔に解説してあります.
従来の教科書ではほとんど解説されることのないエックス線診断学と解剖学に関する疑問や謎が,これではっきりします.

序文

歯科学生が基礎医学を学ぶには解剖学,生理学,生化学,薬理学,微生物学,さらには病理学,衛生学,法医学と多岐にわたり多くの知識の習得が不可欠であるが,これらの情報を的確に捉え,臨床科目と結びつけるには多くの経験と理解力を必要とされるため,歯科基礎医学を学び始める学生には多くの忍耐と困難を伴う.しかも最近の目覚しい医学の発展は歯科基礎医学の領域でも単に専門野の知識のみならず隣接科目,さらには基礎と臨床医学の野の統合した知識が要求されるようになった.
そのため歯科医学教育でも統合科目が設置されるようになり,学際分野での知識の整理が要求されるようになった.しかし,このような統合科目に対応した適切な教科書や参書が充実していないのが現状である.最近ではパーソナルコンピュータの飛躍的な開発により,多くの学生が大量の情報を瞬時に共有するようになった.このため,最近の学生は情報の氾濫の中で必要な知識を選択し,理解力を深めていかなければならない状況になってきている.しかも,各専門野の知識は膨大で,基礎医学に必要な知識の領域も広がりをみせている.
そこで,学生諸君に少しでも基礎と臨床医学の接点を理解して頂くために,今回は解剖学と歯科放射線学に必要で最小限度の重要な項目を基礎的事項を中心に両者を統合し,まとめた.具体的には頭頸部の肉眼標本写真とエックス線画像を対比しながら,エックス線画像診断に必要な基礎的な知識の習得と理解を得るために1ページを2段組にして理解しやすくまとめたものである.さらに,低学年の学生でも理解しやすいようにページごとにテーマに関係する質問形式の項目を設け,関連した知識を深める工夫をしてある.このため,この教科書が医・歯学系の学生のみならず,卒後教育,さらにはコ・メディカルの分野の学生諸君にも活用していただければ幸いである.
最後に,この本の中で教育を担当してくれた献体諸氏,患者諸氏,主治医の諸氏,その他関係各位に深謝いたします.

2004年3月 著者一同

目次

I 解剖学的指標1:歯に関する解剖学的指標
1 歯根膜腔
  ■歯の刺激を脳に伝えるメガホン?
  ■歯の移動には歯根膜腔が必要?
2 歯槽線
  ■歯槽線は骨の病気のメルクマール?
  ■骨化症と化性骨炎はどう違うの?
3 セメント質
  ■発生由来の違う2つのセメント質?
  ■エックス線写真ではセメント質は見えない?
4 歯髄腔
  ■歯髄腔は次第に狭くなる?
  ■咬耗症と磨耗症の違いは?
5 象牙質
  ■動水力学説とは?
  ■象牙質粒とは?
6 エナメル質
  ■エナメル質の臨床的特徴とは?
  ■エナメル滴とは?
7 咬頭頂
  ■ドリオピテクス型は人類と類人猿の架け橋?
  ■唇側にあるものと舌側にあるものはデンタルエックス線写真で鑑別可能か?

II 解剖学的指標2:上顎のデンタル写真の解剖学的指標
1 正中口蓋縫合
  ■口蓋は変化する?
  ■縫合は外すことはできるの?
2 切歯管
  ■切歯管は上顎と下顎にある?
  ■切歯管嚢胞とは?
3 切歯孔
  ■伝達麻酔のランドマーク?
  ■口蓋乳頭嚢胞とは?
4 前鼻棘
  ■切歯管嚢胞は本当にハート形?
  ■形態は特異的でも人類学では重要な指標?
5 鼻腔
  ■鼻腔は顔面全体にひろがっている?
  ■鼻腔を構成している骨の形態を把握しておこう?
6 鼻中隔
  ■鼻中隔の湾曲は鼻づまりの原因?
  ■どのような撮影法をすれば,鼻中隔が現れるの?
7 鼻尖
  ■鼻が高いというのは?
  ■何%,透過エックス線量が違うと,ヒトの目は認識できるの?
8 犬歯窩
  ■歯の喪失を最後まで守る砦?
  ■犬歯部の“Y ”,犬歯窩とは?
9 上顎洞
  ■上顎洞は下方に移動する?
  ■上顎洞の中に頬骨弓があるように見える?
10 頬骨弓
  ■頬骨弓は歯根尖の診断のオジャマ虫?
  ■上顎大臼歯根尖と頬骨弓との関係は?
11 上顎結節
  ■歯槽孔伝達麻酔には重要?
  ■Hounsfield Unitって何?
12 翼突鉤
  ■口狭にあるフックとは?
  ■蝶形骨は名づけ親?
13 筋突起
  ■筋突起は下顎骨の指標?
  ■筋突起と智歯の位置関係とは?
14 上顎の歯の撮影に現れない解剖学的指標
  ■デンタルでは写らないが,手で触れる大口蓋孔?
  ■口蓋はどうして角化しているの?

III 解剖学的指標3:下顎のデンタル写真の解剖学的指標
1 栄養管
  ■栄養管の構造?
  ■穿孔と栄養管は大違い?
  ■辺縁性歯周炎でよく見える栄養管?
2 オトガイ棘
  ■オトガイ棘は人類の特徴?
  ■いつまでも残るオトガイ棘?
3 オトガイ孔
  ■オトガイ孔から下顎管への移行部に注意?
  ■オトガイ孔の前後的な位置は?
4 下顎管
  ■歯の喪失により下顎管も変化?
  ■下顎管の走行とは?
5 内斜線と外斜線
  ■斜線とは解剖学用語にはない名称?
  ■意外と重要な線?
6 顎舌骨筋線
  ■顎舌骨筋線は老化の指標?
  ■開口筋が強いと下顎は発達?
7 舌
  ■舌はセンサー?
  ■舌が写らなくても頬舌の判別をする方法とは?
8 下顎の歯の撮影に現れない解剖学的指標
  ■サスペンダーマッスルとは?
  ■成長は勝利のV?

IV 解剖学的指標4:その他の口内法における解剖学的指標
1 口内法と?骨弓
  ■頬骨骨折とは?
  ■頬骨弓と歯根尖の重なりを避けるには?
2 下顎咬合法と舌骨
  ■開口反射とは?
  ■舌骨はどこまで動くの?
3 咬翼法
  ■歯の異常とは?
  ■齲歯の5段階とは?

V 解剖学的指標5:パノラマ像における解剖学的指標
1 上顎洞後壁
  ■上顎洞後壁は薄くなる?
  ■上顎骨の4つの突起とは?
  ■上顎洞後壁にある裂目とは?
2 パノラマ無名線(PIライン)
  ■上顎洞癌によるパノラマ無名線の破壊像とは?
  ■パノラマ無名線とは何?
3 下顎切痕
  ■下顎切痕はよく見える?
  ■下顎切痕の像も変化する?
4 関節結節
  ■関節結節は成長により膨らんでくる?
  ■パノラマエックス線写真の軌道域とは?
5 舌骨
  ■舌骨の骨折は非常に危険?
  ■舌骨唾石?
6 下鼻甲介
  ■下鼻甲介は骨という名称がつかない骨?
  ■鼻中隔湾曲症の原因?
7 鼻涙管
  ■号泣すると大量の鼻水?
  ■鼻涙管をCTで確認しよう?
8 骨口蓋
  ■入れ歯の安定にアーチは重要?
  ■パノラマ撮影の水平面の位置付けと骨口蓋とは?
9 眼窩下縁
  ■頬骨は審美的に喜ばれない?
  ■吹き抜け骨折,悪性腫瘍の上方への浸潤とは?
10 関節突起
  ■関節突起の尖端は食生活や環境が影響?
  ■介達骨折と直達骨折の定義は?
11 茎状突起
  ■ライヘルト軟骨は残る?
  ■茎状突起過長症とは?
12 気道(1)
  ■異物は右の気管支に入る?
13 気道(2)
  ■パノラマエックス線写真と気道の位置確認とは?
14 筋突起
  ■下顎枝筋突起の前にあるプロテクター?
  ■筋突起が過形成をすると?
15 頸椎
  ■ほとんど動かない可動関節?
  ■頸椎の傾斜と下顎前歯部の陰影とは?
16 パノラマ撮影の軌道
  ■突っ込み過ぎのパノラマ像とは?
  ■突っ込み不足のパノラマ像とは?
  ■パノラマ撮影の原理?

VI 解剖学的指標6:口外法と解剖学的指標
1 正面撮影法の下顎骨
  ■閉口反射とは?
  ■頸部の三角とは?
2 正面撮影法の上顎骨
  ■表情筋は老後に皺をつくる?
  ■吸収窩や穿孔は上顎骨の歯槽骨の判定を鈍らせる?
3 正面撮影法の上顎洞
  ■無呼吸症候群とは?
  ■副鼻腔排泄機能検査とは?
4 正面撮影法の頬骨
  ■頬がこける?
  ■頬骨の裏に隠された筋とは?
5 Waters法の下顎骨
  ■何でWaters法っていうの?
  ■下顎骨骨折の治療は咀嚼,咬合を念頭に?
6 Waters法の上顎洞
  ■歯根は歯種を鑑別する?
  ■Waters法の上顎洞底は本当の上顎洞底?
7 Waters法の頬骨
  ■頬棚とは?
  ■顎動脈の分岐路?
8 Waters法の前頭洞
  ■前頭結節は前頭洞?
  ■前頭骨の形態は性差が顕著?
9 Waters 法の眼窩
  ■前かがみになると痛さの増す前頭洞炎?
  ■十字縫合とは?
10 Waters 法の蝶形骨
  ■下垂体は中間管理職?
  ■蝶形骨の髄膜腫は視覚,眼球運動の障害を引き起こす?
11 側面撮影法と下顎骨
  ■側面撮影法では左右の下顎骨が重なるのか?
  ■下顎頭は変形する?
12 側面撮影法と上顎洞
  ■上顎骨を走る眼窩下神経とは?
  ■線毛上皮と重層扁平上皮の混在とは?
13 オトガイ下頭頂方向撮影法と顎関節
  ■オトガイ下頭頂方向撮影法における?
  ■正常な顎関節像とは?
  ■顎運動は頭がよくなる?
14 頭頂オトガイ方向撮影法と頬骨弓
  ■顎関節の軸方向撮影法のエックス線写真に頬骨弓が写っていない?
  ■三脚骨折とは?
15 シューラー法と顎関節
  ■シューラー法の欠点は?
  ■耳小骨に伝えられる雑音?
16 パルマ法と顎関節
  ■近接撮影法とは?
  ■開口に働く外側翼突筋?
17 眼窩下顎枝方向投影法と顎関節
  ■なぜ眼窩から撮影する必要があるの?
  ■食性で骨の形態は異なる?

VII 唾液腺の解剖と画像検査法
1 耳下腺の解剖と画像検査法
  ■唾液腺造影の造影剤は?
  ■おたふくかぜのウイルスは精巣にも感染?
2 顎下腺の解剖と画像検査法
  ■ヨード過敏症とショックとは?
  ■金がたまらず石がたまる唾液腺?
  ■唾液は殺菌作用がある?
3 舌下腺の解剖と画像検査法
  ■夜に活躍する唾液腺?
  ■発見しにくい唾液腺?
  ■唾液腺腫瘍は主にどこに多い?

VIII 12脳神経とCT像
1 12脳神経の一覧
  ■脳底面のマクロ?
  ■12脳神経の一覧?
2 第I脳神経:嗅神経
  ■鼻腔の最上部は複雑?
  ■香水は悪臭と恐怖?
3 第II脳神経:視神経
  ■脳膜に包まれる視神経?
  ■顔面骨折は失明?
4 第III脳神経:動眼神経
  ■糖尿病は視力低下の元凶?
  ■動眼神経は瞳孔の運動に関与する?
5 第IV脳神経:滑車神経
  ■滑車を持つ特異な上斜筋?
  ■滑車神経は運動性神経,でも滑車上・下神経は知覚性神経
6 第V脳神経:眼神経(三叉神経第1枝)
  ■3つの呼び方がある三叉神経節?
  ■視神経とよく間違えられる眼神経?
7 第V脳神経:上顎神経(三叉神経第2枝)
  ■翼口蓋窩の5差路?
  ■歯根膜反射とは?
8 第V脳神経:下顎神経(三叉神経第3枝)
  ■求心性と遠心性の伝導路とは?
  ■神経細胞突起は輸送道路?
9 第VI脳神経:外転神経
  ■ネコの目はきょろきょろではなく光る?
  ■顔面骨折は視野を失う?
10 第VII脳神経:顔面神経
  ■顔面神経麻痺とは?
  ■中間神経とは?
11 第VIII脳神経:内耳神経
  ■唾を飲み込むことで楽になる?
  ■骨伝導ヘッドホンとは?
12 第IX脳神経:舌咽神経
  ■良性の腫瘍とは?
  ■神経の布が違う苦味と甘み?
13 第X脳神経:迷走神経
  ■反回神経は左右で異なる?
  ■怒りはやせる?
14 第XI脳神経:副神経
  ■咀嚼の補助筋?
  ■二重支配とは?
15 第XII脳神経:舌下神経
  ■頸神経と吻合する?
  ■舌筋の働きは自在変化?

IX 病態のエックス線像
1 歯の疾患
  ■タウロドントとは?
  ■歯の形成不全症とは?
  ■エックス線写真の解像力はどの程度?
2 発育異常(奇形)
  ■口蓋裂の診断は?
  ■歯の奇形の融合歯って何?
  ■診断に重要な5項目とは?
3 炎症
  ■炎症による骨の反応にはどのようなものがあるのか?
4 歯原性嚢胞
  ■歯根の周囲には上皮がある?
  ■歯冠嚢胞(?)とは?
  ■含歯性嚢胞の好発部位は?
5 非歯原性嚢胞
  ■鼻歯槽嚢胞とは?
  ■上顎洞粘液貯留嚢胞とは?
  ■嚢胞性疾患の放射線学的類は?
6 偽嚢胞
  ■単純性骨嚢胞とは?
  ■静止性骨空洞とは?
  ■偽嚢胞はどこが偽物なの?
7 歯原性腫瘍
  ■エナメル上皮腫とは?
  ■歯牙腫とは?
8 非歯原性良性腫瘍
  ■腫瘍の類は?
  ■骨腫とは?
9 非歯原性悪性腫瘍
  ■扁平上皮癌のエックス線像の特徴とは?
  ■骨肉腫のエックス線像の特徴は?
10 腫瘍類似疾患
  ■線維性骨異形成症とは?
  ■良性セメント芽細胞腫と根尖性セメント質異形成症とは?
11 歯と顎骨の損傷
  ■歯の損傷のエックス線像とは?
  ■単骨折と単純骨折とは?
12 系統疾患
  ■鎖骨頭蓋異骨症とは?
  ■パピヨン・ルフェーブル症候群とは?
13 唾液腺疾患
  ■唾石症のエックス線像とは?
  ■シェーグレン症候群とは?
14 上顎洞疾患
  ■上顎洞炎とは?
  ■術後性上顎嚢胞とは?
15 顎関節疾患
  ■顎関節内障って何?
  ■顎関節異常時の4つの像とは?