書籍カテゴリー:歯学

臨床歯科エビデンス 口腔インプラントの常態と病態
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臨床歯科エビデンス
臨床歯科エビデンス 口腔インプラントの常態と病態

1版

  • 東京歯科大学臨床検査学研究室 教授 井上 孝 編著
  • 武田歯科医院院長 武田 孝之 編著

定価:4,860円(本体4,500円+税8%)

  • A4判 122頁
  • 2008年11月 発行
  • ISBN978-4-525-80071-0

概要

インプラント治療では,患者の安全と医療の質の保証が約束されることが重要事項であり,それらを十分に認識する必要がある.このようなコンセプトのもと,インプラント治療における基礎的歯科医学と臨床的歯科医学が十分理解できるように,本書では簡潔な解説と写真・イラスト総数267点を網羅した.
インプラントを学ぶすべての人に最適な書である.

序文

21世紀になり,口腔インプラントは「健康長寿への道」に貢献するものとして市民権を得た感がある.しかし,学問体系としてのインプラント学はまだ発展途上であるといわざるを得ないのが現実である.今後,インプラント治療の拡大は必至であることから,学問体系としての口腔インプラント学を早急に構築することが必要であると考える.
周知のように,口腔インプラント学は,多領域連携型の包括学問である.しかし,現実には,臨床先導型となり包括学問として捉えられてはこなかった.このような現状を踏まえると,包括的なインプラント学教育体系を構築することが急務であり,具体的には,基礎的歯科医学と臨床的歯科医学を十分に理解しつつ,基礎と臨床それぞれの学問体系を縦横に結びつける本が必要であると思われる.
このようなコンセプトにおいて,口腔インプラント学は,骨増生など再生医療に関わるようなアドバンス的教育を包含すべきではなく,あくまでも健康な人間にインプラント植立のための十分な骨が存在していることが前提であるべきである.しかし,昨今の事情を考え,患者のQOLを考えればアドバンス的な骨増生や骨補填材などにも触れざるを得ないと考えている.
また,インプラント治療は患者の安全と医療の質の保証が約束されることが重要事項であり,それらを十分に認識する必要もある.このようなコンセプトで書かれた本書が,患者の健康長寿につながることを望んでいる.


2008年8月
編著者
井上 孝  武田孝之



目次

1章 イントロダクション
 I インプラントの病態
  1.インプラントの病態論
  2.内部環境と検査
  3.臨床検査の役割
 II インプラント治療を行うに際して
 III 起こしてはならない事故と画像診断
 IV 犯しやすい血管,神経損傷
 V アレルギー検査
 VI 全身状態の把握としての血液,尿検査
 VII 歯の喪失原因の把握としての検査
 VIII 細菌検査
 IX 力学的検査

2章 インプラント体
【臨床】
 I インプラントの形状,材質,表面性状の変遷
  1.形状
  2.材質
  3.表面性状
 II 臨床サイドから考える今後の開発の必要性
【基礎】
  1.所要性質
  2.インプラント基材
  3.インプラント表面
  4.これからのインプラント表面

3章 外 科
 I 即時荷重
 【臨床】
  ■適応する条件は?
  ■術前の準備には?
 【基礎】
  ◆骨の生理
  ◆線維骨と層板骨
 II 即時埋入
 【臨床】
  ■治療方法の適応選択は?
  ■埋入設計は?
 【基礎】
  ◆抜歯窩の治癒とインプラント
  ◆創傷治癒を遅延させる因子
 III 骨造成
  1.GBR
  【臨床】
   ■メンブレンの選択は?
   ■GBR術後のトラブルとその対処法は?
  【基礎】
   ◆骨の形態と役割
   ◆GBR法の形態学的変化
  2.Onlay Graft(骨移植)
  【臨床】
   ■治療期間は?
   ■採骨部位は?
  【基礎】
   ◆骨の構造
   ◆骨腫(骨隆起,外骨症)
   ◆移植骨の運命
  3.Split Crest(歯槽頂分割)法
  【臨床】
   ■適応症は?
   ■Split Crest法後のインプラント治療成績は?
  【基礎】
   ◆創傷治癒
   ◆骨折の治癒
  4.Distraction Osteogenesis(仮骨延長術)
  【臨床】
   ■延長方向は?
   ■治療期間は?
  【基礎】
   ◆骨の発生
   ◆リモデリング
  5.Sinus Lift(上顎洞挙上術)
  【臨床】
   ■治療期間は?
   ■サイナスリフト後のインプラント治療成績は?
  【基礎】
   ◆上顎洞粘膜
   ◆上顎洞粘膜上皮の扁平上皮化生
  6.Socket Lift(口腔側挙上術)
  【臨床】
   ■治療期間は?
   ■ソケットリフト後のインプラント治療成績は?
  【基礎】
   ◆上顎洞粘膜の炎症
   ◆上顎洞炎の瘢痕治癒
  7.Bone Substitutes(骨補填材)
  【臨床】
   ■主な人工骨の特徴は?
   ■法規制については?
  【基礎】
   ◆異物の処理
   ◆代替骨の行方
   ◆補填材の条件

4章 治 療
 I 喫 煙
 【臨床】
  ■インプラント治療は禁煙しなければ成功しないのか?
  ■禁煙の指導は?
 II 糖尿病
 【臨床】
  ■糖尿病がどの程度コントロールされていればインプラント治療に進んでもよいのか?
  ■糖尿病患者のインプラント手術時に注意すべき点は?
 III 粘膜の性状
 【臨床】
  ◆可動粘膜と非可動粘膜
  ■インプラント周囲の粘膜の厚さは,インプラント治療に影響するか?
 IV 硬化性骨炎
 【臨床】
  ■硬化性骨炎部へのインプラント埋入での注意点は?
  ■インプラント治療を行った後,不幸にして硬化性骨髄炎を併発してしまい,疼痛が強い場合にはどのような治療が必要になるか?
 【基礎】
  ◆インプラントと硬化性骨炎
 V 骨粗鬆症
 【臨床】
  ■骨粗鬆症患者へのインプラント治療は禁忌か?
 【基礎】
  ◆骨粗鬆症とインプラント治療

5章 補 綴
 I 粘膜下の材質と組織反応
 【臨床】
  ■可動粘膜,非可動粘膜どちらでも組織反応に差はないのか?
  ■一旦感染が進んだ場合,粘膜下の構造はそのままでよいのか?
 II 力による周囲骨の変化
  1.咬合の付与
   ◆オーバーロード(過重負担)と骨吸収
   ■ミスフィットは骨吸収を起こしますか?
   ■傾斜埋入はリスクファクターとなりますか?
  2.インプラント上部構造の材質
  【臨床】
   ■オッセオインテグレーションに不安のあるインプラントの上部構造の選択は?
   ■インプラント上部構造の選択基準は?
  【基礎】
   ◆骨の病態
  3.パラファンクション(非生理的運動)
  【臨床】
   ■ブラキシズムは禁忌症か?
   ■ブラキシズムの患者に用いる上部構造は?
 III 歯間乳頭
  【臨床】
   ◆回復の難易度と安定度
   ■埋入条件に大きく影響を受けるのか?
   ■必ず歯間乳頭様の組織がなければ失敗か?
 IV 連結の効果
  【臨床】
   ◆連結の効果と注意点
   ■天然歯と連結すると,どんな問題が起きやすいのか?
   ■欠損歯数と同じ数だけインプラントを入れ,単独で修復することが理想か?
 V 固定法の種類と特徴
  【臨床】
   ◆固定法の違いと臨床上の注意点
   ■患者可撤式にするほうがよい場合とは?
   ■セメント固定の場合,永久セメントを使っていいですか?

6章 メインテナンス
 I 歯周病患者の場合
  【臨床】
   ■メインテナンスを行う間隔は?
   ■インプラントに石灰化物が付着した場合のメインテナンス法は?
 II インプラント周囲炎
  【臨床】
   ◆治療法
   ■殺菌洗浄および抗生物質療法とは?
   ■外科的療法とは?
 III オーバーロード(過重負担)
  【臨床】
   ◆過重負担の影響
   ■インプラントの対合歯は早期に喪失しやすいのか?
   ■過重負担はインプラント周囲炎を誘発するのか?

7章 経過(変化)症例
 【臨床】
 I 前歯1歯欠損
  1.経過良好例
  2.経過不良例
 II 前歯多数歯欠損
  1.前歯2歯欠損症例
  2.前歯5歯欠損症例
 III 前歯・臼歯にわたる多数歯欠損
  1.固定性上部構造の1例
  2.局部床義歯のサポートとして使用した1例
 IV 無歯顎
  1.固定性上部構造の1例
  2.オーバーデンチャーの1例

 【基礎】
 I インプラント周囲組織の発生
  1.生活反応期の中のインプラント
  2.組織浄化期の中のインプラント
  3.組織修復期の中のインプラント
  4.組織再構築期の中のインプラント
 II インプラント周囲の創傷治癒に影響を及ぼす因子
  1.理想的な創傷の治癒
  2.創傷治癒を遅延させる因子
 III 天然歯付着上皮とインプラント周囲上皮
 IV インプラント周囲結合組織
 V オッセオインテグレーション
 VI インプラントの種類と骨結合

8章 トピックス
 1.次世代のインプラント
 2.骨造成後の変化
 3.CT光造形実体モデルとレーザー溶接法を利用した埋入即時負荷インプラント治療
 4.高度萎縮下顎骨の骨折症例に対する骨の絶対的増生とインプラントによる再建
 5.CAD/CAMを用いたインプラント上部構造作製の現状と将来
 6.β-TCP吹き付けによる不純物除去法
 7.メタルフリーインプラント
 8.インプラント治療と軽症うつ病,抑うつ状態
 9.骨芽細胞を制御してインプラントを成功に導く
 10.骨代謝マーカー−リスクファクターの明確化−

9章 インプラント治療の基本的考え方
 1.インプラント治療の流れ
 2.インプラント治療の適応症

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