2009年3月臨時増刊号 Vol.91

「治療」2009年3月臨時増刊号 Vol.91
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熟練医から"日常診療のさまざまなコツ"を伝授
「治療」Vol.91 3月臨時増刊号

  • 日本プライマリ・ケア学会 編集

定価:1,620円(本体1,500円+税8%)

  • A5変形判 192頁

概要

研修医や若手のプライマリ・ケア医/開業医に,日常診療のちょっとしたコツをさまざまな視点から伝授します.総勢125名(プライマリ・ケア医,家庭医,内科専門医など)による,日々の診療においての対応・工夫・考え方など,その「極意」を集約した一冊です.
以下6領域に関する,見開き2ページでまとめたコツを,消化吸収していただき,明日からの診療にお役立てください.
1)医療面接/診察/患者とのコミュニーションのコツ
2)疾患への対応のコツ
3)薬物療法/処方/服薬指導のコツ
4)患者さんのマネジメントのコツ
5)運動・栄養指導/コ・メディカル・病院との連携のコツ
6)院内の設備環境/ITによる情報収集と管理のコツ

序文

わが国では,プライマリ・ケア(以下PC)の必要性が長年唱えられてきた.このなかには,卒前教育や臨床研修制度,地域・僻地医療,病診連携などの問題が含まれる.医療崩壊が進む現在,その役割がとくに注目されていると言えよう.
以前からしばしば議論されてきたのが,いわゆる専門家とPC医の比較である.通常,専門家(specialist)というのは「臓器別専門家」を指しており,一方,PC医は臨床現場でさまざまな健康問題に対応できる「機能的専門家」であるという.なお,primaryには,secondaryやtertiaryと続く第一次という意味よりも,むしろプリマ・ドンナ(prima donna,伊,主演女優)のように,重要なという意味合いが込められている.
本書は,医学知識を集めた教科書でもなければ,医療概論や接遇を説いたマニュアルでもない.長年の経験で得られた診療上のコツや秘訣が,まとめられたものである.執筆者は,日本PC学会や関連学会を中心とし,日本内科学会や各専門学会の先生方にもお願いした.全127項目の中身を見ると,予想を超えた多様性と深みのある記述に驚かされる.いずれも,すぐに消化吸収されて血となり肉となり,明日からの診療に役立つであろう.
なお,本書は従来と異なる編集方法で刊行に至った.その特徴として,執筆者との連絡はすべてメールの送受信を活用,誌面の文字数や体裁を決定した書き込み用ファイルに,直接原稿を入力,疑問や質問などには,メールで24時間対応などがあげられ,驚異的なスピードで完成できた.関係者各位に感謝申し上げたい.今後は,このような方法が標準となる可能性も考えられる.
たしかに,本誌は小さな冊子である.しかし,感銘を受けた研修医や若手医師により,近い将来,さらに良質なPCへの変革に貢献することを期待する.


日本プライマリ・ケア学会理事・広報委員長 板東 浩



目次

刊行にあたって(坂東 浩)

■“医療面接/診察/患者とのコミュニケーション”のコツ
黙って座ればぴたりと当たる(前沢政次)
診察前の3つの呪文(梶井英治)
面接の位置と姿勢─赤子を抱くように─ (吉山直樹)
安心と本音を引き出す医療面接(松村榮久)
医療とことば(永井友二郎)
言葉による「こころの触れ合い」(村田洋二)
患者に伝わる言葉を目指して(椎名くに)
医師が外来を去るときの患者への別れの告げ方(武田裕子)
聴きたいことが聞けるコミュニケーション(木戸友幸 )
外来での非言語コミュニケーション(大西弘高)
「なっとく説明カード」を使ったやさしく効果的な説明法(矢吹清人)
「患者さんとはお友達」笑う門には福きたる(渡辺 武
日常診療における笑いの活用(黒羽根洋司)
患者の疾患以外のことに関心をもとう(井上陽介)
患者との付き合い方(千田彰一)
医師は患者の神になれ(三谷一裕)
患者とのパートナーシップを築くコツ(大野毎子)
良好かつ継続的医師─ 患者関係構築のコツ(渡辺賢治)
リスクマネジメントは患者とのコミュニケーションから(真野俊樹)
あと何年ぐらい生きたいですか?(桜井 隆)
家族へのアプローチ(矢部正浩)
診察前・中・後における看護師の活用(牛久保美津子)
統合医療/代替医療診療のコツ(川嶋 朗)
治癒が望めない進行性の疾患を抱えた患者と家族の外来診療 平原佐斗司)
発達障害のある人への診療(土橋正彦)
ハンディキャップをもつ人の診療のコツ(丸山 泉)
親子のハートをつかむ小児診療のコツ(武田以知郎)
ここを押えれば頭痛診療は成功する(下村登規夫)
症状による胸痛鑑別のコツ(三ッ浪健一)
誤嚥を診察するコツ(渡邊 裕)
禁煙支援のコツ(高野義久)

■“疾患への対応”のコツ
ニコチン依存症への対応(加藤正隆)
COPD急性増悪は日常臨床の落とし穴である(牧瀬洋一)
気管支喘息への対応のコツ(津島健司)
薬剤性肺炎, 薬剤関連肺感染症の診断の決めて(中島正光)
在宅高齢者の肺炎感染症診断と治療(新田國夫)
プライマリ・ケア医ならではのリウマチ性多発筋痛症の発見と治療のコツ(雨森正洋)
ステロイドの著効する疾患 ─リウマチ性多発筋痛症─(松本孝夫)
片頭痛の診断を的確に行うコツ(山根清美)
5分で聞き出す「めまい」の病歴(亀井徹正)
認知症と思われる患者を診るコツ(川尻宏昭)
アルコール依存症を嫌がらずに診るコツ(本村和久)
日常診療で心身症をいかに診るか(林 直樹)
2型糖尿病診療のコツ(曽根博仁)
血液専門医へ紹介するタイミング(浅野嘉延)
原発性胆汁性肝硬変患者への対応(石橋大海)
口腔診査と摂食・嚥下機能評価のコツ(小玉 剛)
在宅高齢者の脱水に対する身体所見の捉え方(小谷和彦)
在宅療養に対する訪問診療体制の確立(浮谷勝郎)
がん患者ケアのコツ (鈴木荘一)
大腸癌の見つけ方と対応のコツ(神保勝一)
見ていても診えない疾患(水野 融)
救急外来で罠にはまらないために(加藤雅也)
外来診療におけるグラム染色(佐野良仁)
保険診療としての遺伝子検査の使い方(檜山桂子)

■“薬物療法/処方/服薬指導”のコツ
処方の仕方のコツ(畑野秀樹)
外来患者の処方薬を整理しよう(溝岡雅文)
私の処方ノートのコツ(西崎 統)
迷ったら処方しない(名郷直樹)
「冷える体質・暑がる体質」を確かめて漢方薬を処方しよう(中島正光)
処方・服薬指導のコツ(吉岡成人)
服薬指導におけるちょっとした心配り(織田一昭)
高齢者の薬物療法─副作用を最小限に─(東  理)
在宅患者の服薬支援のコツ(宇田和夫)
薬剤師との連携をどう実現するか(大頭信義)
循環器領域における服薬指導(相原恒一郎)
循環器領域における慢性投薬のコツ(木原康樹)
在宅がん終末期緩和ケアにおけるステロイド使用のコツ(鈴木 央)
高齢者での水分管理のコツ(小山雄太)
禁煙補助薬の選び方・使い方(山岡雅顕)
妊婦・授乳婦への薬剤投与(村島温子)
鉄欠乏性貧血の治療のコツ(米倉修司)
鉄剤はインクレミンRが一番飲みやすい(岡田 定)

■“患者マネジメント”のコツ
患者も人間,医者も人間(石川鎮清)
最高の診療は医師と患者の限りない“信頼”と深い“愛情”の上に築かれる(加行 尚)
感性と人間力についての偶感(方波見康雄)
複雑な3者以上にわたるコミュニケーションをマネージするコツ(木村琢磨)
生活面も考慮したマネジメント(折茂賢一郎)
患者を怒らせない方法(堀内正浩)
コンディショニングと患者メモ(根本聡子)
チーム医療におけるプロブレムリストの活用(俵  哲)
自分に合ったカルテを作成しよう(空地顕一)
在宅療養では連絡帳を作るのがコツ(細江雅彦)
在宅医療・過疎地医療におけるワルファリンコントロール 白川光雄)
在宅での看取りのコツ(阿波谷敏英)
過労死とどう向き合うか(須田民男)
民間療法のことを聞かれたら(鶴岡浩樹)
外来化学療法におけるプライマリ・ケアのコツ(元雄良治)
がん患者とその家族の心を支える(大中俊宏)
インスリン注射に不安をもつ2型糖尿病患者のマネジメント(石塚達夫)
気管支喘息の管理(松本祐二)
喘息患者のマネジメント(田名部 毅)
家庭血圧の測定について(土肥直樹)
経皮的冠動脈形成術(PCI)後の患者マネジメントのコツ(木野昌也)
パーキンソン病患者のリハビリテーション継続のコツ(戸田和夫)

■“運動・栄養指導/コ・メディカル・病院との連携”のコツ
楽しく運動を続けてもらうには(梶山泰男)
ダンベルとモンロー歩きで減量作戦(板東 浩)
閉じこもり予防とリハビリに「お参り」ウォーキング(河野光宏)
あなたができないことは患者もできない(上村伯人)
医科歯科協働のメリットとそのコツ(石橋幸滋)
医師と栄養士協働のコツ(坂根直樹)
肥満外来でのコ・メディカルとの連携(中村 巧)
栄養相談のポイント(田所直子)
コ・メディカルとの連携のコツ(川本龍一)
コ・メディカルスタッフとの連携について─地域医療を13年経験して─(的場 俊)
地域連携のコツ(大原昌樹)
ケアマネジャーとの連携のコツ(外山 学)
地域医療連携/多職種との連携・ネットワーク活用(鎌村好孝)
コ・メディカルとの衝突への対応法(草場鉄周)
地域で薬物療法の質を向上させるコツ(定本清美)
日々の診療のなかで病診連携を考える(和座一弘)
医療処置を有する患者の退院時連携(飯田苗恵)
がん診療における病診連携(土肥直樹)
在宅看取りを達成するために(筒井大八)
診療所研修・実習のススメ(松村真司)

■“院内の設備環境/ITによる情報収集と管理”のコツ
院内の感染管理(北村 大)
ノロウイルスの医療関連感染予防対策(斧 康雄)
コミュニケーションツールとしてのIT(中野一司)
外来診療における経過図の重要性(高林克日己)
莫大な情報の海でいかに有用な情報にたどりつくか(岡田唯男)
手作りで電子システムを作ってみよう(天野一夫)
院内LANを使った胃瘻管理(PEGJAK)(徳毛宏則)
テレビ電話を用いた遠隔医療(田代祐基)
動画撮影で診察のレベルアップ (中西重清)
メールを用いた診療フォローアップ(寺門道之)
手術前のインフォームド・コンセントにおけるIT活用(野村真哉)
熟練医の往診鞄(鶴岡優子)