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「治療」2017年8月 Vol.99 No.8

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2017年8月 Vol.99 No.8
皮膚のコモンディジーズとそのピットフォール

定価:2,700円(本体2,500円+税8%)

今月の視点

よくある病気に似ている疾患こそがピットフォールになる

 あらゆる診療科の医師がみたり触れたりせずには診療できないものが患者の皮膚である.皮膚に何か異常が起こるとまず発見するのは患者,あるいは患者の身近な人であり,総合診療を行っている医師が患者から「ところでこれは何ですか?」と皮膚病の相談を受けることは非常に多いと思われる.また診療領域の守備範囲の広い先生ほど,このような相談の機会が多いことと推察する.幸い皮膚疾患は命にかかわる重篤なものは少なく,治療法もステロイド外用薬,抗菌外用薬など多くはない.しかし,一方で皮膚疾患は非常に多彩で数多くの疾患がある.学生向けの教本でも400疾患ほどの病名が記載されている.「これはメラノーマかもしれないから念のため皮膚科を受診しなさい」ということはたやすいことだろう.しかし,「これはホクロだからしばらく様子をみてよいですよ」というのには,ちょっと勇気がいるのではないだろうか.
 われわれ皮膚科専門医のところに来院される患者のなかには,近医でとりあえず薬をもらったが治らないという人がしばしばおられる.これは治療が下手とかいう問題ではなく,診断が違っていることがほとんどである.目でみえる病変だけに患者自身が治療の失敗をよく理解している.みたこともないような皮膚病であれば専門医に送るだろうが,よくある病気に似ているが全く違う疾患こそがピットフォールになるのである.
 本特集では,「皮膚のコモンディジーズとそのピットフォール」と題して,ホクロ,ニキビ,湿疹,水虫,薬疹の5つをテーマに総説と鑑別疾患を専門家に解説いただいた.また,総合診療医の診療現場から出た疑問をQ&Aのかたちで取りあげている.本特集が,明日からの診療に役立つことを祈念してやまない.

[編集幹事]東邦大学医学部皮膚科学第一講座 石河 晃

特集の目次

■ホクロ
―総 説
総説:ホクロとメラノーマ (名嘉眞武国,他)
─メラノーマ以外のホクロの鑑別疾患
基底細胞がん(古賀弘志)
脂漏性角化症(外川八英)
角層下血腫(星野雄一郎,他)
爪甲色素線条(星野雄一郎,他)
─Q&A
Q1 赤ちゃんのホクロ(外川八英)
Q2 皮膚科受診が困難な人(古賀弘志)
Q3 ダーモスコープ(田中 勝)
■ニキビ
─総 説
総説:ニキビ(尋常性痤瘡)(佐々木 駿,他)
─鑑別疾患
酒 皶(山﨑研志)
好酸球性膿疱性毛包炎(寺木祐一)
抗がん薬による痤瘡様皮疹(渡辺秀晃)
─Q&A
Q1 抗菌外用薬の使い分け(菊地克子)
Q2 思春期のセルフケア(菊地克子)
■湿 疹
─総 説
総説:湿疹(関東裕美)
─鑑別疾患
乳房外Paget 病(中村元泰)
Bowen 病(吉田憲司)
日光角化症(志水陽介)
─Q&A
Q1 手湿疹の治し方(鷲崎久美子)
Q2 高齢者のかゆみ(とくに冬)(鷲崎久美子)
Q3 外用ステロイドの副作用(鷲崎久美子)
■水虫(白癬)
─総 説
総説:水虫(白癬)(福田知雄)
─鑑別疾患
掌蹠膿疱症(山本俊幸)
接触皮膚炎(佐藤友隆)
─Q&A
Q1 爪白癬の治療(畑 康樹)
Q2 抗真菌薬とステロイドの併用(畑 康樹)
Q3 白癬治療と蜂窩織炎(畑 康樹)
Q4 白癬の診断(畑 康樹)
■薬 疹
─総 説
総説:薬疹(福田英嗣)
─鑑別疾患
薬剤性Stevens-Johnson 症候群(SJS)初期と水痘(伊藤 崇)
薬剤性SJS とマイコプラズマ感染によるSJS(渡邉裕子)
薬剤性SJS と粘膜類天疱瘡および天疱瘡(石井 健)
─Q&A
Q1 発症時期によって否定できる薬剤(渡辺秀晃)
Q2 具体的な漸減法(渡辺秀晃)
Q3 ガイドラインや,被疑薬の本,インターネット情報(渡辺秀晃)
Q4 被疑薬を止められない薬疹(渡辺秀晃)

連 載

今月のお薬ランキング(17)
消化性潰瘍治療薬─防御因子増強薬(浜田康次)

「 治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は?(5)
必要悪とか言うから黒幕みたいにイメージされちゃうんだ ~Note5.「副作用」を言い換える~(市原 真)

ゼロからわかる遠隔医療(14)
遠隔医療のなかでは何が行われているのか?(竹村昌敏)〈監修〉exMedio

「治療」「薬局」合同企画 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(17)
効き時と止め時(矢吹 拓)

次号予告

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