最新号

「治療」2021年9月 Vol.103 No.9

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2021年9月 Vol.103 No.9
とことん極める! 腎盂腎炎

定価:2,750円(本体2,500円+税10%)

今月の視点

発熱診療の基本でありながら奥深い

 最近,誤嚥性肺炎が盛り上がっています.コモンな疾患でありながら診断や治療だけでなく,嚥下リハビリや食事介助そして倫理的な面など奥深く,雑誌での特集や各種書籍の発売などが相次いでいます.しかし待ってください,もう1つのコモンな疾患を忘れていませんか? そう「腎盂腎炎」です.臨床医が日常診療で腎盂腎炎を考えない日はないと言っても過言ではありません.救急外来や入院診療,そして在宅医療などで腎盂腎炎を発熱の鑑別に入れないことはないでしょう.「尿が汚くて熱があれば……腎盂腎炎!」という風に簡単に考えられることもありますが診断には他の疾患の除外が必要です.ただの尿路感染症だと思っていたら別の疾患で「痛い目にあった……」ということも経験があるのではないでしょうか.腎盂腎炎の診断,治療・マネジメントは発熱診療の基本でありながら,大変奥深く一朝一夕には身につけられるものではないと感じています.
 そんな腎盂腎炎について悩みやすいポイントについて第一線で活躍中の先生に執筆していただきました.「診断編」では基本となる問診,診察,尿検査,グラム染色だけでなく単純性・複雑性の区別や閉塞性腎盂腎炎・前立腺炎の診断,そしてCT検査は役に立つのか? について執筆していただきました.「治療・マネジメント編」では抗菌薬選択と治療期間,ドレナージ,そして腎盂腎炎として治療を始めたが熱が下がらないときにどう考えるかについて取り上げています.「再発予防編」ではバルーン定期交換,再発予防の具体的な指導方法,リスクファクターへの介入,そして再発予防に使える薬剤などについて述べていただきました.最後に実臨床で使えるtipsとしてグラム陽性菌が見えた場合や尿路感染が起こす意識障害,尿臭・尿色,真菌が生えたとき,嚢胞内感染,気腫性膀胱炎/腎盂腎炎,バルーン留置・交換の必要性,そして無症候性細菌尿について取り上げました.
 今回の特集を読めば腎盂腎炎について自信をもって診療そして指導できると思います.是非お楽しみいただければ幸いです.

〔編集幹事〕
京都大学大学院 医学研究科 医療経済学分野 博士課程/双樹会 よしき往診クリニック
長野広之

特集の目次

■総 論
たかが腎盂腎炎……されど腎盂腎炎! 長野広之

■腎盂腎炎の診断編
問診と診察を極める ─ CVA 叩打痛って役に立ちますか? ─ 豊岡達志,近藤敬太
尿検査・グラム染色を極める ─尿で診断にどこまで迫れますか?─ 小野雅敬,官澤洋平
単純性と複雑性腎盂腎炎の見分け方を極める 加藤心良,小笠原雅彦
閉塞性腎盂腎炎の診断方法を極める ─ エコーで十分ですか? ─ 加藤心良,小笠原雅彦
前立腺炎の診断を極める ─ 高齢男性って難しくないですか? ─ 古谷賢人,伊東直哉
腎盂腎炎の診断におけるCT 所見を極める─ 腎周辺がもやもやしてたら腎盂腎炎ですか? ─ 宮松弥生,谷崎隆太郎

■腎盂腎炎の治療,マネジメント編
単純性腎盂腎炎における抗菌薬の選択と治療期間,治療方法を極める 藤村周平,近藤敬太
複雑性腎盂腎炎における抗菌薬の選択と治療期間,治療方法を極める 西澤俊紀,小笠原雅彦
前立腺炎合併時の治療選択と治療期間を極める 枝川峻二,倉井華子
腎膿瘍合併時の治療期間,ドレナージの適応について極める 野本英俊,忽那賢志
治療効果判定・経過観察について極める─ 経過がよくないときの鑑別まで─ 佐藤直行

■腎盂腎炎の再発予防編
再発予防のためのバルーンの交換頻度─ そもそも定期交換は必要ですか? ─ 大塚勇輝,萩谷英大
若い女性への再発予防の指導方法について─ 実際どう指導していますか? ─ 長 陽二郎,官澤洋平
尿路感染を起こしやすいリスクファクターへの介入 長 陽二郎,官澤洋平
クランベリーって意味あるの?─ 再発予防に使える薬剤,その他について─ 大塚勇輝,萩谷英大

■腎盂腎炎のtips 編
尿グラム染色でグラム陽性球菌がみえたとき何を考える? 宮本雄気
閉塞+ウレアーゼ産生菌による腎盂腎炎は,意識障害を起こす? 宮本雄気
尿臭,尿色は尿路感染に関連するのか? 河野 圭
尿培養から真菌が発育したら? 野本英俊,忽那賢志
嚢胞内感染,どう診断・治療する? 井村春樹
気腫性膀胱炎/ 気腫性腎盂腎炎について 宮里悠佑
尿路感染症の治療に“尿道バルーンカテーテル留置/ 交換”は必要か? 藤田浩二
無症候性細菌尿と尿路感染症の区別  進藤達哉

連載

ゲンバで使える!リラックスして読める! 診療の○泌テク(21)
腎盂腎炎と泌尿器科診療(松木孝和)

今月のお薬ランキング(66)
経腸栄養剤(医薬品)(浜田康次)

臨床と宗教 死を臨む患者に私ができること(8)
死者との絆を考える(孫 大輔,井口真紀子)

頑張る女性をサポートする漢方処方プロセス(4)
めまい(谷川聖明)

ジェネラリストのためのLGBT講座(18)
医学教育 ─医学生,看護学生,すべての医療を学ぶ学生にLGBT について教える─ (青木昭子,原田芳巳)

次号予告

2021年10月 Vol.103 No.10
すべてのがん患者をみる人のための
がんサポーティブケア