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「治療」2019年5月 Vol.101 No.5

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2019年5月 Vol.101 No.5
医師の燃え尽き症候群

定価:2,750円(本体2,500円+税10%)

今月の視点

 医療現場で経験を積む過程で,医療者の燃え尽きについて考えさせられたことが1度もないという人はいるのだろうか? 読者のなかには,1度ならず,何度も辛く苦しい経験をした方もいるかも知れない.それどころか,自分自身が当事者として辛い経験をした方もいるかもしれない.
 私は現在,緩和ケアという分野で診療と教育,部門の運営をしている.緩和ケアに限らず医療職は感情労働とも表現される.診療での出来事はもちろん,労務環境や指導医との人間関係といったさまざまなストレスが降り掛かってくる.医師免許を取得する過程で,時として過酷ともいえる試練を乗り越えてきた医師が,休職を余儀なくされ,進路を変えることも見聞きしてきた.
 外に目を向けると,医療現場においても働き方改革の重要性が議論され,年間の時間外労働時間や連続労働時間の制限が現実味を帯びてきている.われわれの職場,そして国民に医療を提供することを考えるうえで,医療者自身のメンタルヘルスを考えずにはいられない時代となっているのだ.
 このような状況を背景として,今回の特集の必要性を強く感じている.医師だからこそ知っておくべき「燃え尽き」の知識を,実践に生かせる形で学びたい.そんな特集にしたいと願い,執筆者達には理論のみでなく,実践にこだわった原稿内容を求めた.そして,わが国におけるメンタルヘルスをリードする執筆者だけでなく,時には指導者として,そして時には当事者として悩んだ経験のあるメンバーにも執筆者として加わっていただいた.本特集を手にとったあなたが,自分自身と,そしてあなたの周りの医療者が幸せに働けることに少しでも貢献できたら幸いである.

[編集幹事]
飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 柏木秀行

特集の目次

■燃え尽きを理解する
燃え尽き概論(柏木秀行)
燃え尽きの疫学 ─諸外国の状況も含めて─(河村由吏可,他)
燃え尽きの原因(橋本法修)
わが国の燃え尽き対策 ─産業メンタルヘルスの潮流─(佐藤 隆)
専門的介入の必要な燃え尽き(中澤太郎)

■自分の燃え尽きと向き合う(セルフケア)
自分は大丈夫 それって本当?(上松東宏)
セルフケアとは?(松島和樹)
今日から取り組むヘルスケア(生田奈央)
マインドフルネスをはじめてみよう ─マインドフルネスの紹介と実践─(髙宮有介)
若手医師の経験(荒川裕香)

■燃え尽きを防ぐ職場づくり(ラインケア)
燃え尽きやすい職場,燃え尽きにくい職場(一ノ瀬英史)
仲間の燃え尽きに気づく(小杉俊介)
部下から相談されたとき(吉田 伸)
燃え尽きを防ぐ職場づくり(保坂 隆)
システムをつくろう! ─自分も仲間もしなやかに働き続けるために─(松尾純子)
指導医としての経験 ─研修医のエンゲージメントによって燃え尽きが予防できる環境を作る─(小坂鎮太郎)

■産業医として燃え尽きに向き合う
燃え尽き症候群における産業医の役割(平岡 晃)
過重労働面談のコツ(平岡 晃)
実際性のある燃え尽き対応を考える(鈴木 瞬)
燃え尽き症候群からの職場復帰(復職)支援(櫻澤博文)
燃え尽き症候群の再発防止 ─そもそもの発生ゼロへの提言─(櫻澤博文)

■コラム
看護師のメンタルヘルス(原田奈穂子)
心理専門職への相談(門田隆浩)

連載

今月のお薬ランキング(38)
抗精神病薬(浜田康次)

映画で読み解く医療 ─ シネメデュケーション(映画医療教育)—(5)
患者と家族やその周囲の人々との関係性を理解する(宇井千穂)