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治療

 ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌

月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

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2020年4月 Vol. 102 No.4

小児のPOCUS

定価

2,750(本体 2,500円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
小児はPOCUSの最も有用な対象だ!

 小児の特徴として,1.(無呼吸など)鎮静のリスクが高い,2.放射線感受性が高く侵襲に弱い,3.移動にリスクがあり低体温になりやすい,などがある.一方,超音波検査の特徴としては,1.鎮静が不要,2.放射線被曝がなく非侵襲的,3.ベッドサイドで繰り返し行える,などがある.これらのことから,超音波検査は,とくに小児にとって極めて有益な検査法であるといえる.
 いままでの超音波診断学は,新しい技術を用いていままでできなかった計測や画像表示を可能にすることで診断に寄与してきた.これとは別の方向性として,医師自らが超音波検査を行い,その場で日常診療に役立てるPoint of Care Ultrasound( POCUS) という概念が生まれてきた.小児医療では緊急性が高いことが多いため医師自らが検査しなければならないことが多く,POCUSの概念はまさに小児医療における超音波検査と合致する.
 しかし,超音波検査はいまだ小児領域において十分活用されているとはいえない.その最大の理由は,本検査が検者に依存するという欠点があるためである.エコー検査は画像を描出することと,その画像を正しく評価するという2つのプロセスが必要である.とくに前者の「画像を描出する」ことは,一定の経験と修練が必要である.初学者がいきなり始めるのには高いハードルになっているかもしれないが,誰がやってもすぐに出せる画像から始めることでも,十分な超音波検査の恩恵を受けることができる.たとえば,痛い部分や腫れている部分をエコーで観察することは,初学者でも十分行える.また,エコーをマスターするための努力と比べ,エコーができるようになる利点の方がはるかに大きいことも強調したい.
 今回,雑誌「治療」において「小児のPOCUS」という特集号を組んでいただいた.それぞれの筆者には,対象となる年齢や症状,描出方法,画像の特徴,鑑別診断とピットフォールを記載してもらった.この特集により小児のエコー検査の有用性を認識し,明日からの診療に役立つことを願っている.

[編集幹事]自治医科大学附属さいたま医療センター 小児科
市橋 光
特集の目次
■腹痛・嘔吐の鑑別
肥厚性幽門狭窄症 (神保圭佑)
腸重積 (東 良紘,他)
急性虫垂炎 (野中航仁)

■消化管が原因でない腹痛
先天性胆道拡張症 (藤井喜充)
腎疾患 (岡村隆徳)

■一般外来に潜む心疾患
心筋炎・心筋症 (森 一博)

■腫れているもの・痛いところを確認する
リンパ節 (河野達夫)
膿 瘍 (吉元和彦)
腫 瘍 (小熊栄二)
異 物 (森 崇晃)
陰 嚢 (池田太郎,他)

■骨・関節をエコーで診る
骨 (竹井寛和)
関 節 (小野友輔)

■気道・呼吸器への応用
気 胸 (福原信一)
連載
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