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 ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌

月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

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2020年10月 Vol. 102 No.10

医療機関でクレーム・暴力に出会ったら

定価

2,750(本体 2,500円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
クレームは患者・家族との関係を再構築するチャンスである

 「患者の家族がナース・ステーションに怒鳴り込んできた!」
 「せん妄患者に対する指示をきちんと出しているのに,看護師から“主治医は何もしてくれない”と冷たい目でみられる……」
 「忙しいなかがんばって外来を終わらせたのに,患者から“ちゃんと診てくれない”とクレームが入った」
 皆さんはこのような場面に遭遇したとき,適切に対応できるだろうか?
 わが国のある調査では,約80%の医療従事者がクレームを受けた経験があると回答し,その多くは頻度も増加傾向にあると感じている.しかしながら多くの医療従事者はこれらの問題に対する系統立った教育を受けたこともなく,クレーム・暴言・暴力への対応を自信を持って行える人は少ないのが現状だろう.
 クレームは「患者・家族との関係を再構築するためのチャンス」と捉えることが重要であり,医療従事者は自身の成長のため,また勤務する医療機関の成長のためにも当事者と適切なコミュニケーションを図らなければならない.一方で,暴言・暴力行為や悪質クレームなどの違法行為に対しては,弁護士・警察と連携して対応していく必要がある.
 もし,これらが適切に行われなければ,患者は行き場をなくし,患者中心の意思決定がなされず,本来行われるべき医療が提供されなくなる可能性がある.だからこそ医療者にとってクレーム・暴言・暴力への対応法は,身に付けるべき必須のスキルなのである.
 「胸痛が主訴なら,まず心電図」という原則があるのと同様に,「クレームが入ったら,まずはこうする」などの原則を身に付けることで,少しでも苦手意識が払拭され,医療者・医療機関としてのレベルアップの一助になれば幸いである.

[編集幹事]宮崎大学医学部 地域医療・総合診療医学講座
早川 学
特集の目次
■クレームの対応と予防
クレーム対応の原則 平松由布季,他
まっとうな人をクレーマーにしないために ─医療機関で勤務する職員が身に付けるべき接遇─ 三浦 拓
まっとうな人をクレーマーにしないために ─医師が診療時に意識するべき接遇─ 三浦 拓

■暴言・暴力・セクハラへの対応
暴言・暴力への対応 ─原因が病気(せん妄,認知症,精神疾患,発達障害)の場合─ 枝元真人
暴言・暴力への対応 ─原因がキャラクターの場合─ 䅏田一旭
入院患者によるセクシュアルハラスメントへの対応 新森加奈子
往診先(患者宅)での暴言・暴力,セクハラ行為 松田俊太郎

■チーム医療での実践
院内マニュアルを作成しよう! 鎌田太郎,他
医師-他職種間の衝突(コンフリクト)が生じたときの対応 川野綾子
悪質行為に対する法律 ─医療従事者が知っておくべき刑法─ 三浦雅生
弁護士介入を必要とする事例 三浦雅生

■最近の事例から
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症をめぐる差別・偏見 早川 学
連載
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結石発作と水腎症(松木孝和)

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