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「治療」2020年11月 Vol.102 No.11

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2020年11月 Vol.102 No.11
コロナにまつわるエトセトラ

定価:2,750円(本体2,500円+税10%)

今月の視点

新型コロナへの対応をじっくり振り返ろう

 新型コロナウイルス感染症が2019年12月に世界に現れて以降,世界は劇的に変化しました.私たちは常に屋内でマスクを着用するようになり,外食することもすっかり減り,そもそも「移動」というものをしなくなってしまいました.1つの感染症がこれだけ世界をガラッと変えてしまうのを目の当たりにし,感染症を専門にしている私でも,とても驚きました.新型コロナウイルスは感染症が本来もつインパクトを人類に思い出させると同時に,社会機能や経済,そして医療を破壊しました.まさに100年に一度の感染症による厄災といえるでしょう.
 これを書いている2020年9月18日現在,日本は第2波がやや収まりつつあります.第1波と比較して,第2波では患者数は多かったものの,重症者数は少なく,また致死率も大きく下がりました.これは,検査体制が充実し,重症例を中心に診断していた第1波と比べて,第2波では軽症者や無症状の濃厚接触者なども検査対象となり,これまで診断されていたかった症例が多く診断されることで,第1波では氷山の一角しか把握できていなかった感染者が,第2波では感染者の全体像がより把握できるようになり,結果として重症度が下がったことが主な原因でしょう.またレムデシビル,デキサメタゾンといった有効性が確認された治療薬の使用が標準化され,患者の予後が改善したことも理由の1つとして考えられます.世界的にも,新型コロナによる致死率は下がってきており,私たちは徐々に新型コロナに対応できるようになってきています.
 本特集では,今後さらに新型コロナにうまく立ち向かうために,これまでの日本における新型コロナへの対応をじっくりと振り返りました.本特集が,読者の皆様の新型コロナへのさらなる理解につながり,診療や日々の生活に役立つことを願っています.

〔編集幹事〕国立国際医療研究センター 国際感染症対策室
忽那賢志

特集の目次

特別座談会:ポストコロナ時代の診療のありかた:前半 忽那賢志,矢吹 拓,徳田安春,平島 修

■コロナ第1波を振り返る
武漢チャーター便対応を振り返る 忽那賢志
クルーズ船対応を通して学んだこと 高谷紗帆
新型コロナウイルス感染症の対策と数理モデル 小林鉄郎 西浦 博
コロナとクラスター対策 ─クラスターの概略とクラスター対策の概念,クラスター対策の実例─ 山藤栄一郎
コロナ院内アウトブレイクを経験して学んだ教訓 清水秀文
地域におけるコロナ対策 自治体との連携:静岡の場合 倉井華子
なぜ個人防護具は不足したのか? 萩野 昇

■ポストコロナ時代の新しい診療様式
ポストコロナ時代のプライマリ・ケアとは? 北 和也
大規模病院におけるポストコロナ時代の感染対策のありかた 笠原 敬
手術全例に術前PCR 検査をやりたい,入院症例全例にPCR 検査をやりたいといわれたら? 関谷紀貴
ポストコロナ時代の高齢者介護施設の感染対策のありかた 佐々木 淳

■コロナにまつわるエトセトラ
ポストコロナ時代のメンタルケア ─患者と医療者─ 森岡慎一郎
新型コロナウイルス感染症とSNS ─どんなことが話題になった? 課題は?─ 手を洗う救急医Taka(木下喬弘)(@mph_for_doctors)
コロナにまつわるメディアのありかた 岩永直子
コロナ禍の企業経営への影響と価値創造 忽那憲治

特別座談会:ポストコロナ時代の診療のありかた:後半 忽那賢志,矢吹 拓,徳田安春,平島 修

連載

ゲンバで使える!リラックスして読める!診療の○泌テク(11)
泌尿器科超音波検査事始め 排尿障害と超音波検査(1)(松木孝和)

今月のお薬ランキング(56)
NSAIDs 含有貼付剤(浜田康次)

こちらつるかめ病院臨床倫理カフェ つるりん(18)
事前の指示(金城謙太郎,長尾式子,竹下 啓)

映画で読み解く医療 ─シネメデュケーション(映画医療教育)─(20)
メンタルヘルスのための協同的ケアとは(宇井千穂)

ジェネラリストのためのLGBT講座(8)
LGBT の健康課題(2) 学齢期におけるいじめ被害・不登校・自傷行為・自殺未遂の現状 日高庸晴

PC医×精神科医 街角の遠隔診療 アタリマエのことを丁寧に(3)
受信控えにご用心 樫尾明彦,宮内倫也