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「治療」2009年増刊号 Vol.91

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2009年増刊号 Vol.91
患者さんの背景・病態で考える 薬の選び方・使い方のエッセンス

定価:8,208円(本体7,600円+税8%)

今月の視点

従来,医学部で受ける薬理学の授業は,薬物の特性・適応や副作用に焦点が合わされていた.そのため研修医となって患者を受けもっても,先輩の処方を踏襲したり,処方マニュアルの例をそのまま採用したり,製薬会社のMRの宣伝や雑誌広告でよく目にするものを選ぶといった基準で処方を経験していくことが少なくなかった.
薬剤選択においてもEBMの思考で選択するP-drugの教育が,医学部の臨床薬理学の分野で注目されている(P-drugの詳細は次項で紹介).実際,医薬品を適正に使用するためのP-drug選択による系統的教育は,医学生対象のランダム化比較試験でもその学習効果が示されている.
しかし,一般臨床医が自分の専門以外の分野の情報収集を行い,その評価をするのは必ずしも容易ではない.とくに治療薬については,自主的に医学雑誌で学習しようとしたり,各種学術講演会やセミナーに参加すればするほど,雑誌広告や前座で行われる製薬メーカーの製品宣伝が目についてしまうという問題がある.これらのなかには,マーケティング手法を取り入れた巧みな情報操作による企業戦略が行われている場合もあり,非専門医にとっては判断しがたく,場合によっては誘導されかねない状況がある.一方で,慣習的に使われている治療薬があっても,そのエビデンスの検討が不十分な疾患・病態も少なくない.さらに,エビデンスがある疾患でも,種々の患者の背景に合わせた検索をするとなかなか適切な論文が見つからなかったり,見つかってもわずかな統計的有意差しかなく,専門医ですらその臨床的実感がない場合も少なくない.
そこで今回は,臨床現場で適切な薬剤選択ができるように各分野の専門の先生方にお願いし,P-drugの処方集作成までのステップである患者背景・病態に応じた臨床における薬の使い方・選び方の具体的な適用を示していただいた.
さらに,薬剤師の先生方による「薬剤師の視点から」というコラムを設け,患者マネジメントのための薬剤情報をはじめ,相互作用や費用などについてのコメントもいただいた.
あまた薬剤処方本があるなかで,本誌は,プライマリ・ケア診療に従事する開業医・病院勤務医のみならず,プライマリ・ケア疾患が必修となった初期研修医も知っておくべき薬剤の選択指針となるようにと企画している.

雨森正洋 雨森医院(滋賀県)/滋賀医科大学臨床教授

特集の目次

巻頭言(雨森正洋)
薬剤選択におけるP-drugコンセプトの活用(雨森正洋)

■循環器
安定狭心症(川井和哉,他)
急性冠症候群(西山信一郎)
心筋梗塞後遺症(七里 守)
慢性心不全の急性増悪(加藤浩太,他)
拡張型心筋症(百村伸一)
肥大型心筋症(濱田希臣)
上室性不整脈(五十嵐都,他)
心室性不整脈(藤波竜也,他)
閉塞性動脈硬化症(渡部芳子,他)
本態性高血圧症(柴崎誠一,他)
肺動脈性肺高血圧症(高田 淳,他)
低血圧症(石川和信)

■呼吸器
急性上気道炎(中浜 力)
急性気管支炎(青木信樹)
ウイルス性肺炎(宮下修行,他)
市中肺炎(石田 直)
肺結核症(重藤えり子)
気管支喘息(美濃口健治)
特発性間質性肺炎(近藤康博)
サルコイドーシス(森本泰介,他)
慢性呼吸不全(桂 秀樹)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)(藤本圭作)
ニコチン依存症(鈴木幸男,他)
睡眠時無呼吸症候群(高橋 進,他)

■消化管
胃食道逆流症(玉川祐司,他)
急性胃炎(石井直樹,他)
慢性胃炎(小早川雅男,他)
機能性ディスペプシア(小早川雅男,他)
消化性潰瘍(伊藤俊之)
潰瘍性大腸炎(福田勝之)
クローン病(福田勝之)
カタル性虫垂炎(小林 滋,他)
機能性イレウス(小林 滋,他)
便秘症(松川正明)
下痢症(松川正明)
過敏性腸症候群(松枝 啓)

■肝・胆・膵
急性ウイルス性肝炎(寺田光宏)
B型慢性肝炎(竹越國夫)
C型慢性肝炎(榎本信幸,他)
ウイルス性肝硬変(今井康晴)
自己免疫性肝疾患(本吉康英,他)
NAFLD/NASH(西原利治)
胆石症(安藤朝章,他)
慢性膵炎(中谷直喜,他)

■内分泌・代謝
糖尿病(内服薬治療)(長坂昌一郎)
糖尿病(インスリン治療)(成田琢磨)
脂質異常症(横手幸太郎)
肥満症(坂根直樹他1009
痛風・高尿酸血症(谷口敦夫)
骨粗鬆症(竹内靖博)
甲状腺機能亢進症(和田典男)
甲状腺機能低下症(橋本病・粘液水腫)(有島武志,他)

■腎・泌尿器
慢性腎臓病(ステージ1および2)(安田 隆)
慢性腎臓病(ステージ3以降)(草場哲郎)
間質性腎炎(西 裕志)
高カリウム血症(志水英明)
低カリウム血症(志水英明)
低ナトリウム血症(北川 渡,他)
高・低カルシウム血症(白石 順,他)
薬剤性腎症(深津敦司)
尿路結石症(荒川 孝)
勃起障害(佐々木春明)
前立腺肥大症(佐々木秀郎,他)
過活動膀胱症候群(田中 博)
加齢男性性腺機能低下症候群(松下知彦,他)

■神 経
片頭痛(古和久典,他)
緊張型頭痛(大熊壮尚,他)
薬物乱用頭痛(今井 昇)
良性発作性頭位めまい症(國弘幸伸)
その他のめまい症(高嶋修太郎)
脳卒中二次予防(野田智子,他)
脳卒中後遺症(高尾昌樹)
てんかん(廣瀬源二郎)
ニューロパチー(國本雅也)
パーキンソン病・パーキンソン症候群(山脇健盛)

■血 液
鉄欠乏性貧血(岡田 定)
骨髄異形成症候群(大屋敷一馬)

■免 疫
関節リウマチ(美田誠二)
全身性エリテマトーデス(黒坂大太郎)
ループス腎炎(伊藤順子他1175
強皮症(西 和男他1181
多発性筋炎・皮膚筋炎(平形道人)
リウマチ性多発筋痛症(鈴木貴博)
シェーグレン症候群(美田誠二)
ベーチェット病(鈴木 厚)

■感染症
インフルエンザ感染症(吉田耕一郎,他)
HIV感染症/AIDS(藤井 毅)
緑膿菌感染症(舘田一博)
MRSA感染症(河野真二,他)
肺炎球菌感染症(伊藤 穣)
腸管出血性大腸菌感染症(谷口 暢,他)
クラミジア感染症(宮下修行,他)
敗血症(竹末芳生)

■心身・精神
アルツハイマー型認知症(中村悦子)
脳血管性認知症(須貝佑一)
統合失調症(杉山 一)
うつ病(仙波純一)
せん妄(佐伯俊成,他)
不安障害(境 洋二郎,他)
社交不安障害(永田利彦)
心気症・身体表現性障害(宮岡 等)
摂食障害(鈴木(堀田)眞理)
不眠症(千葉 茂,他)
過眠症(田ヶ谷浩邦)
アルコール依存症(角南隆史,他)
薬物依存(成瀬暢也)
更年期障害(平島奈津子)

■耳鼻咽喉
突発性難聴(加藤 健,他)
急性中耳炎(工藤典代)
アレルギー性鼻炎・花粉症(太田伸男)
副鼻腔炎(保富宗城,他)
メニエール病(近江永豪,他)
味覚障害(池田 稔,他)
耳 鳴(馬場俊吉)

■眼
結膜炎(石岡みさき)
白内障(山口剛史)
緑内障(尾関直毅,他)

■皮 膚
湿 疹(片山一朗)
蕁麻疹(室田浩之)
褥 瘡(立花隆夫)
ざ瘡(赤松浩彦)
白癬菌感染症(加藤卓朗)

■小 児
インフルエンザ感染症(齋藤昭彦)
気管支喘息(勝沼俊雄)
アレルギー性鼻炎・花粉症(大久保公裕)
アトピー性皮膚炎(大矢幸弘)
起立性調節障害(田中英高)

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コラム:薬剤師の視点から/・・

循環器(上野和行)
服薬コンプライアンスが基本
血中濃度モニタリングの勧め
投与ノモグラムの紹介
飲食物やOTC薬にも注意
ACE阻害薬vs ARB

呼吸器(木村利美)
テオフィリン製剤投与時の採血と血中濃度評価の注意
アスピリン喘息とステロイド薬
イセチオン酸ペンタミジン(ベナンバックスR)吸入上の注意
喫煙と薬物代謝
OTC・医療用の禁煙補助薬

消化管(佐々木英久)
ヘリコバクター・ピロリ除菌治療の相互作用
H2受容体拮抗薬の先発品,後発品,OTC薬の比較
潰瘍性大腸炎,クローン病に対する開発中の薬剤
注腸剤の使用法
消化器疾患の漢方薬

肝胆膵(舟越亮寛)
インターフェロン治療における医療費助成
門脈圧亢進症予防のための薬理作用に基づく適応外処方
サプリメントによる肝機能障害

内分泌・代謝(伊東明彦)
経口血糖降下薬の併用はどこまで有効か?
女性へのチアゾリジン薬の投与は注意が必要
錠剤を服用する際の必要水分量は?

腎(木村 健)
腎機能に応じた投与設計方法-薬剤師との連携で適正使用を推進-
加齢による腎機能低下を常に考慮する

泌尿器(木村和哲)
勃起不全(ED)治療薬
医薬品販売専門資格者制度-2009年6月からの心配ごと-

神 経(倉田なおみ)
経管投与であっても,錠剤の潰しはできる限り避けるべきである
ワルファリンの投与量を減らすためのパラミヂンR
アドヒアランスが向上しても,コンプライアンスが良好であるとは限らない
徐放性錠剤の仕組み
薬品費の負担

血 液(梅村雅之)
サリドマイドの管理システム

免 疫(高村徳人)
アルブミンのタンパク結合置換を利用したジクロフェナク坐剤の新たな投与法
副腎皮質ステロイド薬は免疫・アレルギー全般に重宝されるのだが…
生物学的製剤インフリキシマブの特徴

感染症(瀬尾 量)
シトクロムP450酵素系と抗菌薬
抗菌薬におけるユースフルジェネリック
PK/PDに基づいた抗菌薬の効果的投与法
トランスポーターと抗菌薬

心身・精神(吉尾 隆)
精神科領域の薬剤で注意すべき薬剤
向精神薬の相互作用
非精神科専門医が向精神薬を処方する際の注意点
気分障害の薬物治療に使用される薬剤

耳鼻咽喉(後藤伸之)
花粉症の効果的な予防のために
メニエール病の治療薬(イソソルビド)服用のコツ
亜鉛欠乏性味覚障害

眼(河嶋洋一)
点眼指導あれこれ
点眼薬と高齢者

皮 膚(大谷道輝)
軟膏はどのくらい塗ればいい?-1FTUの重量は一定ではない-
スイッチOTC外用薬は医療用と成分が違う!
ステロイド外用薬は希釈しても効果は同じ?

小 児(石川洋一)
2歳未満の乳幼児へのかぜ薬投与について
細菌性髄膜炎予防に有効な小児ワクチン
小児では医薬品成分と食物アレルギーに注意

くすり全般(浜田康次)
黒人が高血圧になりやすい理由
自飲3話-人に呑まれた薬の話-
サプリメントの怪
バイエル・クロスの運命
サリドマイドの復活

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