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「治療」2015年10月 Vol.97 No.10

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2015年10月 Vol.97 No.10
がんサバイバーシップ

定価:2,700円(本体2,500円+税8%)

今月の視点

がんサバイバーの時代

 日本人のがん罹患率は年々増え続け,2011年の統計では,85万人ががんになったと報告されています(参考文献 1)).日本人の2人に1人ががんになる時代となり,がんはもはや特殊な病気ではなく,common disease になったといえます.年々増え続けるがん患者さんを支えるのには,専門医だけでは間に合いません.これからは,総合内科医(総合診療医)や,家庭医,在宅診療医が積極的にがんとかかわっていく時代になっていくと思います.
 本特集では,がんに対して,総合内科医(総合診療医)や家庭医がどうかかわっていったらよいか,海外での取り組みなどを含めて解説していただきました.また,地域社会でどうやってがん患者さんを支えていくかについても取り上げています.
 がん診療では,分子標的薬の進歩が著しいところですが,一方で副作用対策には,より専門的な知識や経験が必要です.そういった意味でも,がん薬物療法専門医である腫瘍内科医の役割はますます大切になっていくと思われます.腫瘍内科医は,単にがん薬物療法(抗がん薬)の専門家というだけではなく,がんの総合内科医(総合診療医)として,治療コーディネーターの役割も果たさなくてはなりません.最近注目されている「早期の緩和ケア」や「アドバンス・ケア・プランニング」は,腫瘍内科医だけでなく,がんにかかわるすべての医師に知っていてほしい内容です.
 がんサバイバーの時代を迎えるに当たって,がん患者さんが安心して暮らせる社会となるために,本特集が参考になればと願っています.

参考文献
1) 国立がん研究センターがん対策情報センター:がん登録・統計.
http://ganjoho.jp/reg_stat/index.html

[編集幹事]
日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科
勝俣範之

特集の目次

■総 論
がんサバイバーシップとは何か(酒井 瞳,他)
がん診療と腫瘍内科医の役割(古武 剛,他)
がん診療医と総合内科医の役割(東 光久)
家庭医が担うがん診療(岡田唯男)
専門病院と地域医療の連携(谷水正人)

■各 論
がんサバイバーのための二次がんの予防法について —生活習慣で気をつけること—(津金昌一郎)
がん化学療法の副作用対策(津端由佳里,他)
分子標的薬の副作用対策(山内照夫)
がん患者とのコミュニケーションスキル(高橋通規)
これからのことを話し合う:アドバンス・ケア・プラン二ング(木澤義之,他)
早期緩和ケアとその問題点て(鵜池直邦)
これからの緩和ケア —誰でもできる緩和ケア!—(日下部明彦)
がん情報の質とメディアの役割(渡邊清高)
がんと診断されたら、仕事は辞めるべきなのでしょうか?(桜井なおみ)
がん患者に民間療法をやりたいといわれたらどうするか?(西 智弘)
がん哲学外来のすすめ —偉大なるお節介—(樋野興夫,他)
がんサバイバーシップと日本のがん対策(江副 聡)

連載

すんなりわかる
実践! がんサバイバーシップ(北尾章人)

プロ×プロ イナダ(研修医)も学べばブリ(指導医)になる 現場のプロと臨床推論のプロが教える診断能力アップ術 (3)
眼が真っ赤で,頭は真っ白 !??(眼球結膜充血─まさかの redeye の redflags)(山中俊祐,林 寛之,大西弘高)

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識 (10)
【理念編】「枯れるように逝くということ」② ─亡くなる前は輸液をしないという選択肢の提示─(永井康徳,他)

タイムマシンに連れられて 30年後の未来医療
細胞移植の未来(森実飛鳥)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(12)
ミスする人(京極 真)

子どもの今と未来を支える医療と教育 〜スウェーデンにおける最新の医学・医療とダイバーシティ教育〜 (5)
病気の子どもに対する包括的ケアシステム(小野尚香)