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「治療」2017年2月 Vol.99 No.2

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2017年2月 Vol.99 No.2
乳幼児健診のコツ

定価:2,700円(本体2,500円+税8%)

今月の視点

効果をあげるには創意工夫と職種間の連携が必要

 乳幼児健康診査は「母子保健法」により実施が定められており,すべての市町村が行う義務を課せられています.健診に携わる医師は健診業務に熟練した小児科医であるのが理想的ではありますが,専属の医師がいるわけではなく,集団と個別に分けられる健診の形態ですが,どちらも診療の合間に行われているのが実情です.従来,健診を行うための教育は特別に行われてはいませんでしたが,21世紀の母子保健の取り組みを提示するビジョンと,その達成のための国民運動として,「健康日本21」の一翼を担う「健やか親子21」が登場してきました.2015年4月から10年計画で開始された「健やか親子(第2次)」では,すべての子どもが健やかに育つ社会を目指すとしています.実際的な活動となる乳幼児健康診査と保健指導については,研究班が結成されて,検討のうえまとめられた内容が刊行されて,「健やか親子21」のホームページ上から自由に閲覧できるようになりました.そして,これに沿ったかたちで各地方自治体の乳幼児健康診査マニュアルも作成されています.多職種が健診にかかわり,その実績をあげるための,講習会や講演会も開催されて,乳幼児健康診査の質の向上が明らかになってきました.健康診査の情報が継続的に利用されるようになったのも新しい動向といえるでしょう.
 マニュアルにしたがえば,健診を行うのは一応可能です.しかし,効果をあげるには,創意工夫が必要であり,異なる職種間の連携も必要となります.本特集では,限られたテーマではありますが,実際に現場で業務に携わる方々に,原稿をご執筆いただくことができました.すべての課題について触れることはできていませんが,本特集をお読みいただくことで取り組みを見直していただくことができ,結果として現場での個人として,集団としての質の向上に寄与できるのではないかと考えます.子どもの多くが健康に育ち,障害や健康に問題をもった子どもたちも社会のなかで受け入れられ,生き甲斐をもって生きていけることを願います.

[編集幹事] はらこどもクリニック 原 朋邦

特集の目次

■総 論
健やか親子21を軸にした乳幼児健診の現状 ─市町村栄養担当者が捉えた乳幼児健康診査における子どもの栄養・食生活の心配ごとの分析から─(石川みどり)
行政の立場からみた乳幼児健診の現状と今後の課題(都市部)(渡邉洋子)
行政の立場からみた乳幼児健診の現状と今後の課題(へき地)(江原 朗)
プライマリ・ケアの立場からみた乳幼児健診(鈴木英太郎)
地域医師会長の立場からみた乳幼児健診の今後の課題(峯 眞人)
助産師が新生児訪問からみた現状(竹内理恵子)

■月齢別 乳幼児健診のポイント
1か月健診のポイント(西澤善樹)
3-4か月健診のポイント(立麻典子)
10-12か月健診のポイント(児玉和彦)
1歳6か月健診のポイント(佐古篤謙)
3歳児健診のポイント(田中久也)
5歳児健診のポイント(澁井展子)

■こんなケースに出会ったら
食物アレルギーがある子どもへの対応(西本 創)
耳鼻咽喉科的疾患がある子どもへの対応(坂田英明)
眼科的疾患がある子どもへの対応(笹野光矢,他)
皮膚科的疾患がある子どもへの対応(定平知江子)
育児不安をもった親にかかわる(吉永陽一郎)
虐待をする親にかかわる(澤田 敬)
Failure to thrive and 運動発達の遅れている子どもへの対応(田中秀朋)
心の発達に問題がある子どもへの対応(南 武嗣)
すでに診断されている健康問題をもった子ども,親への対応(原 朋邦)

■スキルアップ
私はこのようにして乳幼児健診の質の向上に努力した(小林 治)
乳幼児健診に役立つ臨床遺伝学の知識 ─ダウン症の概略と出生前診断─(坂爪 悟)
予防接種と乳幼児健診(細部千晴)
健診余話 ─今後乳幼児健診に携わる医師へ先輩医師からの伝言─(時松 昭)

連載

今月のお薬ランキング(11)
フルオロキノロン系抗菌薬(浜田康次)

「 治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“ 処方整理力”を鍛える! Dトレ(11)
血圧が高いのは心配です!(矢吹 拓)

楽しく臨床(10)
往診訪問で知る家族の物語と地域の文化(宮森 正)

ゼロからわかる遠隔医療(8)
オンライン診療の論文をみる(竹村昌敏)〈監修〉exMedio