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「薬局」2015年7月 Vol.66 No.8

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2015年7月 Vol.66 No.8
褥瘡で外用剤を使いこなす
基剤の特性を考慮した皮膚外用療法の実践

定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

特集の目次

■特集にあたって(宮地 良樹)
■巻頭カラーグラビア
■基剤の特性を徹底理解!
・外用剤の基礎知識(大谷 道輝)
・皮膚病変に応じた基剤の選び方(五十嵐 敦之)
・基剤の「水」特性(野田 康弘)
・褥瘡に対する基剤の効果(磯貝 善蔵)
■褥瘡に対する皮膚外用療法のキホン!
・褥瘡の病態とその評価(安部 正敏)
・褥瘡に用いる外用剤の種類と特徴(古田 勝経)
・褥瘡の薬物治療戦略(門野 岳史)
■症例で学ぶ! 褥瘡ステージごとの外用剤の選び方・使い方
・急性期・慢性期の浅い褥瘡(田村 敦志)
・黒色期(安田 浩)
・黄色期(藤澤 章弘)
・赤色期・白色期(立花 隆夫)
■ココがポイント! 外用剤使用時・使用後の「ワザ」と「知恵」
・褥瘡に外用剤を塗布する際のポイント(岡田 克之)
・褥瘡における外用剤使用後の洗浄のコツ(溝上 祐子 ほか)
・外用剤使用後の褥瘡モニタリング(仲上 豪二朗 ほか)
・在宅での外用剤の使い方と注意点(塚田 邦夫)
・皮膚の浸軟に対する撥水剤の使い方(三富 陽子)

TOPICS

・“ダプトマイシンとスタチン”の相互作用-併用は避ける? それとも避けなくてもよい?!-
・治癒切除不能な進行・再発胃がん患者の生存期間延長への新たなキードラッグ「ラムシルマブ」の実力
・チアジド系利尿薬とチアジド系類似薬では心血管病発症の予防効果に違いがある?
・新規経口抗凝固薬の出血リスクは?

シリーズ

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
先発vsジェネリック医薬品 シェアは薬効領域別でも同じか?!
(浜田 康次)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
外来化学療法後の意識障害
(山崎 晃憲/山田 和範/岸田 直樹)
■がん治療への薬学的介入と症例サマリ
膵がん化学療法に対する薬学的介入
(輪湖 哲也/松下 晃)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
4つのステップで不整脈を見分ける②
(大八木 秀和)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
これからの薬剤師に期待される役割とは?
~「医療の基本構造」からみた薬剤師としての理性と感性の働かせどころ~
(中野 重行)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
・医薬品情報提供における薬剤師の役割に関するASHPガイドライン
・大学医療センターにおける特筆すべきOff-label-use(適応外使用)の扱いについて
(木村 利美 ほか)

特集にあたって

 ガイドラインや最近のコンセプトの進歩により,褥瘡治療のスキームがかなり明確となり,従来の創面評価を無視した画一的な治療は姿を消しつつある.ドレッシング材が数多く開発され,臨床現場でも頻用されるようになったが,褥瘡局所治療の基本が外用療法であることに変わりはない.私どもが若いときは,外用剤の基剤選択と適応についてかなり厳しく指導されたが,最近は皮膚科医でさえ,基剤に無頓着で,皮膚病変をわきまえない処方や無節操な混合処方が横行するようになった.その背景として,ステロイドや抗真菌成分などの作用が極めて強力となり,多少基剤の使用を誤っても,相当の効果が現れるようになったことが挙げられる.これらの成分がない時代には,基剤や基礎膏を中心に各皮膚科医秘伝のレシピがあり,微妙な効能・効果を競っていたが,強力な新規主成分の登場により,その手法とともに基剤への関心も霧散してしまった感がある.
 しかし,褥瘡は皮膚潰瘍という最も基剤の影響を受けやすい皮膚病変が主体であるがゆえに,基剤に対する細心の配慮が必要となる.そこで,本特集では,褥瘡における,基剤の特性を考慮した外用剤の使い方について再検証した.褥瘡治療の全容については昨年刊行の『まるわかり創傷治療のキホン』(南山堂)で詳説したので,併せてお読みいただければ,外用療法のポジショニングも自ずと明らかになろう.薬剤師は,外用剤においてもエキスパートであるべきで,医師の不用意な外用剤選択や混合に遭遇したら,疑義照会により適正使用の推進することで,褥瘡チーム医療の一員として,凛としてその専門性を矜持するようになっていただきたい.

宮地 良樹
滋賀県立成人病センター 病院長/京都大学 名誉教授