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「薬局」2016年12月 Vol.67 No.13

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2016年12月 Vol.67 No.13
地震・火山災害の医療支援
被災地最前線で薬剤師個人がもっておきたい知識とスキル

定価:2,160円(本体2,000円+税8%)

特集の目次

■特集にあたって(西澤 健司)
■医療従事者が押さえておきたい大規模地震・火山災害の知識(石峯 康浩)
■大規模自然災害時における薬剤師の役割(小林 映子)
■自然災害発生時のバイスタンダーによるファーストエイド ―その時できることとピットフォール―
・意識消失・心肺停止(近藤 祐史)
・呼吸困難(吉原 秀明)
・外傷・出血性ショック(本間 正人)
・熱傷・環境障害(暑熱・寒冷環境)(森野 一真)
■避難所診療における薬歴が不明な患者の使用薬剤プロファイリング(豊見 敦)
■避難所診療における慢性疾患治療薬の必要最小化(齊藤 岳児 ほか)
■薬剤供給不足状況下の各種慢性疾患薬物治療における処方支援と患者指導の実践
・高血圧(橋本 貴尚)
・不整脈(伊藤 功治)
・糖尿病(住吉 加奈)
・気管支喘息(中根 茂喜 ほか)
・関節リウマチ(林 秀樹)
・てんかん(市川 暁 ほか)
・気分障害(松田 公子)
・緑内障(原田 大 ほか)
■避難所で被災者が訴える“一見OTCで対処できそうな症状”への対応 ―薬剤師のためのDon't & Do―
・感冒様症状(山崎 行敬 ほか)
・下痢・腹痛(大路 剛)
・頭痛(橋本 洋一郎)
・下肢の痛み・腫脹(星出 聡)
■ライフラインが断たれた被災地での計量調剤の実践ポイント
・散剤調剤:上皿天秤がある場合(鈴木 貴明 ほか)
・散剤調剤:上皿天秤がない場合(渡邉 暁洋)
・水剤調剤(古田 精一)

シリーズ

■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
患者への説明の際に医療者が使う言葉をわかりやすくするために
~特に医薬品の臨床試験で使用する専門用語について~
(中野 重行)
■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第9回
Lower is better?!
(矢吹 拓)

Report

■すべての薬剤で適切な投与設計を構築する時代がやってきた!
病院や保険薬局でワンランク上の処方提案・疑義照会ができるクリニカルファーマコメトリクス
(辻 泰弘)

付録

総目次

巻頭言

 わが国は環太平洋火山帯に位置する地震・火山活動が活発な火山列島である.近年,大規模な地震災害が生じ,さらに,南海地震も30年以内に高確率で発生するとされている.また,大規模火山噴火も数百~数万年周期で発生しており,わが国は常に地震・火山災害の脅威に晒されていると言える.
 阪神・淡路大震災の発生以後,被災地における薬剤師の役割について多くの議論がなされてきた.さらに,広域にインフラ・ライフラインに影響を及ぼした東日本大震災では,災害医療における薬剤師の役割がより一層認識されるようになった.役割としては,被災地での医療支援や後方支援など,さまざまなものがあるが,特に東日本大震災で際立ったものとして,薬歴が不明な患者の使用薬剤の割り出し,薬剤不足の状況下における代替薬提案といった処方支援などが挙げられる.他方,被災地の最前線においては,地震・火山噴火の発生直後など医師や看護師がいない状況下,バイスタンダーとして心肺蘇生をはじめとしたファーストエイドを実践する知識・スキルが求められる.また,災害時には,さまざまな感染症,下肢深部静脈血栓症,脳卒中などの患者が増加するが,これらの症状は一見OTC(一般用医薬品)で対処してしまいそうな症状であるため,その見極めや隔離などの対応を判断する必要がある.
 そこで今回,災害医療における薬剤師の役割のうち,特に地震・火山噴火の被災地の最前線でバイスタンダーとして遅滞なくけがの治療を行うことができるよう,その結果防ぎ得た災害による死(Preventable Deaths)がないようにするため,薬剤師として個々人に求められる知識とスキル(応急手当・搬送法・一次救命処置など)にスポットをあて,上記以外にも,現代の日本人が経験していない火山災害の知識,さらに東日本大震災の際に問題となった計量調剤について,ライフラインが断たれた状況下でいかに実践すべきかを第一線でご活躍の先生方にご解説いただく本特集を企画した.

西澤 健司
東邦大学医療センター大森病院 薬剤部 部長