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「薬局」2018年3月 Vol.69 No.3

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2018年3月 Vol.69 No.3
薬剤過敏症歴がある患者の薬物治療
リスク&ベネフィットを考慮した薬の選び方と使い方

定価:2,160円(本体2,000円+税8%)

特集の目次

■特集にあたって(岡田 正人)
■薬剤過敏症歴がある患者への問診と診察!何を確認してどう評価するか?!(岡田 正人)
■薬剤アレルギー検査はこう考える! 得られる情報とその限界(山口 正雄)
■小児の薬剤アレルギー! 押さえておきたい勘所(山口 賢一)
■第一選択薬に過敏症歴あり! そのとき薬物治療はどう行うか?!
・β-ラクタム系抗菌薬(堤 直之ほか)
・テトラサイクリン系抗菌薬(山藤 栄一郎)
・キノロン系抗菌薬(浦上 宗治ほか)
・マクロライド系抗菌薬(岩渕 千太郎)
・グリコペプチド系抗菌薬(太田 康男)
・抗結核薬(佐々木 結花)
・サルファ剤(陶山 恭博)
・非ステロイド性抗炎症薬・アセトアミノフェン(池田 行彦ほか)
・インスリン(大沼 裕ほか)
・抗てんかん薬(高橋 幸利ほか)
・分子標的薬(樋口 雅樹ほか)
・白金製剤(柳田 佳嗣ほか)
・タキサン系抗がん薬(喜多川 亮)

シリーズ

■緩和ケアでの問題解決力を磨く! 薬剤師のための5ステップ実践ガイド【最終回】
非がん性慢性疼痛に対して,どのように医療用麻薬を使用するの?
(伊勢 雄也/片山 志郎/鈴木 規仁/岡村 由美子)

■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える!【最終回】
素晴らしきこの世界 〜処方整理のその先へ〜
(矢吹 拓)

■薬立つブレイクスルー! メディカル・レコード書き方講座
緩和ケアにおける指導記録の記載
(槙原 克也/寺沢 匡史)

■Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳 〜“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は〜
ダイジョーブ博士の手術はぜんぜん大丈夫じゃない
〜Note 12. 大丈夫でしょうか? に答える〜
(市原 真)

■医療マンダラ 〜思考と感性のセンスを磨く〜
治療医学では,理性と感性をバランスよく働かせることが重要!
〜現代医学で原因を見つけられない耐えがたい慢性疼痛を有する患者の治療を通じて学んだこと〜
(中野 重行)

■プロフェッショナルEYE 専門薬剤師からみた勘所
がん領域における薬剤師の職能を考える
(川上 和宜)

巻頭言

 薬物治療において副作用は1~15%に認められ,その6~10%が薬剤過敏症である.副作用は,完全に避けることは不可能であるが,ヒポクラテスの誓いの“Do No Harm”に反すものであり,最小限にしなければならない.
 副作用が疑われる場合はまず薬理学的な知識から,薬剤過敏症とそれ以外の区別をつけることが重要である.薬剤過敏症は,免疫学的反応であるアレルギーと,非免疫学的機序でアレルギーと臨床的に類似する偽アレルギーに分けられる.臨床的に類似するため治療は同様であることが多く,IgE非依存性の偽アレルギー反応は抗ヒスタミン薬またはステロイドを加えた前投与にて反応を抑制しうることが多くあるが,IgE依存性のⅠ型アレルギーではそれらを投与しても危険が高い.また,将来同様の反応を引き起こす薬剤を理解する上で,この区別は大変重要である.
 例えば,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)によって惹起される喘息は,アスピリンを含めシクロオキシゲナーゼ―1(COX―1)を阻害する薬剤すべてで同様の反応が起こりうる.この場合,薬剤の分子構造は関係ない.逆にペニシリン系抗菌薬は,どんなに抗菌スペクトラムが異なっていても分子構造の共通性から交差アレルギーが起こりうる.
 今回の特集は,薬剤過敏症の総論から始まり,過敏症が問題になる薬剤をそれぞれ独立して各論で扱うという思い切った企画である.ほかではなかなか得られない各薬剤における過敏症の豊富な情報が掲載されている.各薬剤に関して最新の知識をもった専門の先生方による詳細でわかりやすい解説は,日常診療においても大変役立つと確信している.

岡田 正人
聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center センター長