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「薬局」2018年10月 Vol.69 No.11

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2018年10月 Vol.69 No.11
CKD-MBDのリン管理
栄養・薬物療法の実践力を身につける

定価:2,160円(本体2,000円+税8%)

特集の目次

■特集にあたって(安藤 亮一)

■要点整理!リン恒常性維持機構とCKD-MBDの病態生理
・生体内でのリン恒常性維持機構(宮本 賢一)
・CKD-MBDの病態生理とリン管理の重要性(深川 雅史/石出 崇)

■CKD-MBDにおける検査値の見方・考え方と最新の治療戦略(濱野 高行/土井 洋平)

■リン制限が必要なCKD-MBD患者への食事・栄養管理
・リン摂取量の評価と食事指導のポイント(市川 和子)
・経腸栄養管理の実践ポイント(安藤 亮一)
・静脈栄養管理の実践ポイント(加藤 明彦)

■リン吸着薬・カルシウム受容体作動薬・ビタミンD製剤を使いこなす!
 プロが教える“知識”と“ノウハウ”
・沈降炭酸カルシウム(永野 伸郎)
・セベラマー・ビキサロマー(角田 隆俊)
・炭酸ランタン(山本 脩人,重松 隆)
・クエン酸第二鉄・スクロオキシ水酸化鉄(小岩 文彦)
・シナカルセト・エテルカルセチド・エボカルセト(横山 啓太郎)
・活性型ビタミンD製剤(庄司 哲雄)

■ここが勘所! リン吸着薬の薬学的管理の実践ポイント
・リン吸着薬で注意すべき薬物有害事象と薬物相互作用(三宅 健文)
・医薬品・サプリメント中の無機リン含量とその考え方(下石 和樹/安楽 誠/丸山 徹)
・服薬アドヒアランスを考慮したリン吸着薬の患者指導のポイント(三星 知)

シリーズ

■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
医薬品の治験におけるインフォ-ムド・コンセントについて考える
~臨床試験の中核となるコンセプトが,患者には最もわかりにくい!
医療者にとっても説明が難しい!~
(中野 重行)

■Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳 ~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は~
からくりサーカスのカーテンコールが最高でしたね
~Note 19. 病院ことばを言い換える(前編)~
(市原 真)

■薬立つブレイクスルー! メディカル・レコード書き方講座
入院前の常用薬の確認と中止薬の指導
(中村 有理/寺沢 匡史)

■プロフェッショナルEYE 専門薬剤師からみた勘所
妊娠中の免疫抑制薬の使用は安全か?
(中島 研)

Report

抗てんかん薬と妊娠
(小野寺 憲治/桑原 弘行/大関 三夫/市川 勤/若林 広行/神田 循吉/大槻 泰介/曽我 孝志)

巻頭言

 高齢化が世界一のレベルで進むわが国において,慢性腎臓病(CKD)およびそれに伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD―MBD)の管理は,新たな局面を迎えようとしている.一つには,CKD―MBDの概念が広がってきていることである.これにはリンの負荷に応じて分泌され,腎におけるリン排泄促進やビタミンDの活性化の抑制をはじめ,副甲状腺や心臓,血管石灰化さらには,生命予後に影響を及ぼすFGF23などの新たな調節因子の登場に代表される.また,対象となるCKD患者が高齢化して,サルコペニア・フレイルの合併や骨粗鬆症が問題となっていることから,栄養や運動などの重要性が増してきていることもある.そして,カルシウム非含有のリン吸着薬やカルシミメティクス,さらに骨粗鬆症の分野で抗RANKLモノクローナル抗体デノスマブ,PTH製剤テリパラチドなど次々に開発されてきている薬剤をこれらの病態に応じていかに使いこなすか,という点である.
 本特集では,CKD―MBD管理では最も基本となるリン管理の栄養および薬物療法の実践力をつけるための企画を立てた.病態については,基本的なリンの種類(有機リン,無機リン)とその役割,多臓器によるリン恒常性維持機構と腎機能低下時のリンの動態,CKD―MBDの病態生理とリンの占める役割,CKD―MBDに関連する検査値の読み方・考え方を取り上げた.実践的な対応として,リン管理を中心としたCKD―MBDの食事療法および食事指導,食事による栄養摂取ができない場合の経腸栄養および静脈栄養管理の実践ポイント,そして,リン吸着薬,カルシウム受容体作動薬,ビタミンD製剤の使い方について解説いただいた.さらに,リン吸着薬使用時の有害事象や薬物相互作用,医薬品,サプリメントに含まれる無機リン,リン吸着薬の服薬アドヒアランスについても触れていただいている.
本特集の特にCKD―MBD管理を行う上での栄養管理は,従来の企画にはあまりないものである.CKD―MBDの管理の上では,薬物療法と並んで,日々の栄養管理の積み重ねが重要となる.
 これらを総合的に理解し,実践することにより,多因子が複雑に関連しているCKD―MBD管理,特にリン管理を理論的にも,実務的にも現時点における範囲で適切に対応できることになる.この分野は,新たなステージを迎えてはいるが,進歩は日進月歩であり,今日の知識が永久に通用するということはない.今後も,最新の情報を取り入れて,リンの管理をはじめとしたCKD―MBDの管理にあたっていただきたい.

安藤 亮一
武蔵野赤十字病院 副院長・腎臓内科部長