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「薬局」2018年11月 Vol.69 No.12

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2018年11月 Vol.69 No.12
慢性運動器疼痛
整形外科のペインマネジメント徹底解説

定価:2,160円(本体2,000円+税8%)

特集の目次

■特集にあたって(三木 健司)

■慢性運動器疼痛の病態と治療薬の選び方・使い方(三木 健司)

■慢性運動器疼痛治療薬を使いこなす匙加減の極意!
・侵害受容性疼痛(池本 竜則)
・神経障害性疼痛(川﨑 元敬)
・非器質的疼痛-非器質的疼痛に対する薬物療法の実践と工夫:心身医療の観点から-(細井 昌子)

■治療戦略と薬物治療の位置づけ!痛みの場所ごとに徹底解説!
・脊椎・脊髄(渡邉 和之/矢吹 省司)
・肩・肘関節(岩堀 裕介)
・手関節(岩月 克之)
・股・膝関節(谷口 亘)
・足関節(山口 智志)

■ピットフォールに要注意!併存疾患を考慮したマネジメントの勘所!
・心不全患者における慢性運動器疼痛治療(池田 安宏)
・慢性腎臓病患者における慢性運動器疼痛治療(國津 侑貴/寺田 智祐)
・抗血栓薬服用患者における慢性運動器疼痛治療(井坂 由佳/神林 泰行)
・うつ・睡眠障害患者における慢性運動器疼痛治療(中川 貴之)

■慢性運動器疼痛治療における薬学管理の実践ポイント!
・慢性運動器疼痛治療薬の副作用マネジメント(神崎 浩孝)
・慢性運動器疼痛治療薬の薬物動態学的特徴と薬物相互作用マネジメント(百 賢二)
・高齢慢性運動器疼痛患者における薬学管理の実践ポイント(杉田 直哉)

シリーズ

■Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳 ~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は~ 【最終回】
予想を裏切り,期待は裏切らない物語に,人々は拍手を送る
~Note 20. 病院ことばを言い換える(後編)~
(市原 真)

■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
参加体験型学習の重要性と大分における経験から
~学生主体の内輪の勉強会「あとほーむアーベント」から,社会に開かれた対話の場「あとほーむカフェ」へ!~
(中野 重行)

■薬立つブレイクスルー! メディカル・レコード書き方講座
短期入院患者へのかかわりと指導記録
(寺沢 匡史/吉本 佳那子)

巻頭言

 2018年の厚生労働省の発表によると,2017年のわが国の平均寿命は女性87.26歳,男性81.09歳で過去最高となった.しかし,2000年に世界保健機関(WHO)で提唱された健康寿命「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」との差はいまだ9~12年程度ある.平均寿命と健康寿命との差は,日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味する.健康寿命を延ばして「健康ではない期間」を短くし,介護を必要とする期間を短くすることが重要であると考えられる.大阪では「ピンピンコロリ」と人生を全うしたいと奈良斑鳩の吉田寺に参拝する高齢者が後を絶たない.このような民間信仰は日本全国でみられる.現実はそうなっていないことを多くの人が感じているのだろうと思われる.整形外科で治療される慢性運動器疼痛は就労世代の生産性低下の原因となり,また高齢者の要介護・要支援の代表的な原因である.この予防・治療はわが国の重要なテーマの一つと言える.慢性運動器疼痛治療においては,この10年でプレガバリン,デュロキセチン,ブプレノルフィン,トラマドール,フェンタニルなどのNSAIDs以外の鎮痛薬である神経障害性疼痛治療薬,オピオイド製剤などが使用可能となり,ペインマネジメント戦略は大きく変わった.しかし,薬剤の選択肢が増えるにつれ,その適応や投与方法などの工夫など従来よりもより多くの知識が求められるようになった.慢性運動器疼痛の病態や治療戦略に加え,これら薬剤の薬剤特性や使い方,さらに運動療法などの非薬物療法の重要性を十分理解した上で,患者支援を行う必要がある.今回は,慢性運動器疼痛の治療に携わるわが国を代表する第一線でご活躍の整形外科医のみならず,心療内科医・循環器内科医からも原稿をいただき,また薬剤師としての留意点も詳細に解説いただいた.本特集を読むにあたっては,医師の視点・薬剤師の視点だけではなく,より集学的な観点から患者―医療者の関係をより良くして治療成績を向上させるべく,処方行動の裏にある医師の意思をくんで薬剤説明を行っていただけると幸いである.

大阪行岡医療大学医療学部 特別教授
早石病院 整形外科・疼痛医療センター センター長
認定NPO いたみ医学研究情報センター 理事長
三木 健司