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「薬局」2020年1月 Vol.71 No.1

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2020年1月 Vol.71 No.1
Evidence Update 2020
最新の薬物治療のエビデンスを付加的に利用する

定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

特集の目次

■特集にあたって(名郷 直樹)

■2019年論文ベストテン(名郷 直樹)

■薬剤師介入のエビデンス(木村 丈司)

■エキスパートが注目する最新エビデンスをアップデート!
・降圧薬(菊池 大輔 ほか)
・抗不整脈薬(梶間 勇樹 ほか)
・心不全治療薬(高井 靖 ほか)
・虚血性心疾患治療薬(和田 恭一)
・抗血栓薬(福島 将友 ほか)
・気管支喘息治療薬(加藤 一雲 ほか)
・慢性閉塞性肺疾患治療薬(宮崎 雅之)
・消化性潰瘍治療薬(米田 博輝)
・糖尿病治療薬(青島 周一)
・脂質異常症治療薬(青島 周一)
・高尿酸血症治療薬(三星 知)
・慢性腎臓病治療薬(鈴木 大介)
・統合失調症治療薬(桑原 秀徳 ほか)
・抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬(桑原 秀徳 ほか)
・認知症治療薬(福士 元春)
・抗てんかん薬(山本 吉章)
・抗リウマチ薬(小林 俊介 ほか)
・骨粗鬆症治療薬(鈴木 諒)
・抗菌薬(門村 将太)
・抗ウイルス薬(矢倉 裕輝)
・抗真菌薬(武田 龍馬 ほか)
・ワクチン(福士 元春)
・鎮痛薬(神林 祐子)
・肺癌治療薬(内山 将伸 ほか)
・胃癌治療薬(岩井 美奈 ほか)
・大腸癌治療薬(藤井 宏典 ほか)
・前立腺癌治療薬(吾妻 慧一)
・膵臓癌治療薬(鈴木 秀隆 ほか)
・乳癌治療薬(橋詰 淳哉 ほか)
・子宮癌・卵巣癌治療薬(佐藤 淳也)
・血液腫瘍治療薬(小井土 啓一)
・がん支持療法(藤堂 真紀)
・経静脈栄養(東 敬一朗)
・救急・集中治療(髙木 奏 ほか)

シリーズ

■「治療」「薬局」合同連載 
症例×Q&A 超高齢社会シコウの利尿薬適正使用シコウ
ループ利尿薬が効かなくなってきた!腎機能が悪化して低Na血症が出てきた!
利尿薬と電解質異常・腎機能障害
(杉本 俊郎)

巻頭言

 今年もまたEvidence Updateをお届けする時期がやってきました.巻頭言も毎年書き直していますが,毎年読んでいる人は飛ばしてもらってもよいと思います.
 本書のコンセプトは変わりません.新しい論文を付加的に利用する,ということです.新しい論文だけを読んでも,決して現実的な勉強にはなりません.これまでの論文を踏まえ,それに新たな論文を付け加えることで現実的な論文の利用が可能になります.さらに,その作業を日々積み重ね継続していくことが重要です.私もそんな風にして,臨床医として働き続けてきました.1990年代の半ば頃からで,やがて25年になろうというところです.
 当初は,インターネットがつながり始める頃で,PubMedもまだ有料でした.MEDLINE検索は,DOSプロンプトのような画面でコマンドを打ちながら検索し,その都度検索している時間に依存して電話料金や検索料金が発生し,月数万のコストがかかっていたように記憶しています.さらにNew England Journal of Medicine,Lancet,JAMA,BMJ,Annals of Internal Medicine,ACP Journal Clubを紙媒体で定期的に購読し,毎週のチェックを欠かさないようにしていました.今や電子教科書の王道となったUpToDateも当初は高血圧と腎臓病の教科書という感じで,取り上げられていない項目も多く,日々の臨床で使うにはまだまだという状況でした.システマティックレビューの最大のデータベースとなったコクランライブラリもほとんど中身は空っぽで,メタ分析のためのソフトのようなものでした.
 しかし,今やインターネットにさえつながっていれば,PubMedは無料で使い放題で,無料で提供される論文もどんどん増えています.紙媒体で読んでいた医学雑誌もすべてインターネット上で購読でき,目次までなら誰でもチェックできます.さらに,目次どころか,Evidence Alertsのようなサービスにより,自分自身で論文サーベイをしなくても,重要な論文を無料で知らせてくれるサービスも出現しました.
 UpToDateは臨床上のほとんどすべての領域をカバーし,DynaMedという,週単位で更新されるという点ではUpToDateをはるかにしのぐ,電子ジャーナルも現れました.コクランライブラリはシステマティックレビューを探すならまずコクランとでもいうべき巨大なデータベースとなり,新たなレビューが続々と追加されています.
 こうした歴史を紹介していて,2021年号では,データベースの歴史みたいなことを詳しく取り上げるのもいいかもしれません.論文情報そのものも重要ですが,その周辺の情報もなかなか興味深く,論文を読んで使うことに対するモチベーションを大いに駆り立ててくれるような気がします.大事なのは論文そのものより,論文を読みたいと思う気持ちです.
 では今回のEvidence Updateが論文を読みたくなる気持ちを駆り立ててくれるものになっているかどうか,ぜひ読んでみてください.

名郷 直樹
武蔵国分寺公園クリニック 院長