「薬局」2018年増刊号 Vol.69 No.4

2018年増刊 Vol.69 No.4

病気とくすり2018

基礎と実践 Expert's Guide

書評

倉田 なおみ 先生(昭和大学薬学部 社会健康薬学講座 社会薬学部門 教授)

 本書は,書名の通り「病気とくすり」の解説書です.同様な書籍は今までにもありましたが,ほかの書籍と大きく異なる点は,「病気」あるいは「くすり」だけをそれぞれ別にしてまとめても,十分に1冊の書籍になるほど詳しく解説されている点です. しかも執筆者は300名近くに及び,それぞれの専門分野に関して詳細な図や表を示してわかりやすく解説されています.
 「病気」の部分は,疾患分類(循環器,呼吸器など)ごとに「解剖と生理」が解説されていますが,各組織の構造が解剖学書のように詳細なので,新たな発見がたくさんあります.各疾患の解説においては,冒頭に病気と薬の関連が図式化されています. 疾患がどのようにして起こり,各薬剤がどこに作用して疾患が治癒するかの理解が深まります.治療の項目に記載されている処方例は1薬剤だけでなく,同効薬すべての処方が記載されています.各薬品の正しい処方例を確認できるため,自信を持って処方提案することができます.
 「くすり」の部分では,同効薬ごとに血漿タンパク結合率,Tmax,T1/2,尿中排泄率,糞中未変化態排泄率,バイオアベイラビリティ,分布容積,代謝酵素が一覧表にまとめられています. これらの要素を調べて比べるためには多くの資料と時間を要しますが,本書では一目で比べることができるため患者に適した薬剤の選択が容易にできるようになります.
 本書は,あらためて病気と治療薬を学び,復習するのに最適な書籍です.