ブックタイトル免疫学コア講義 改訂4版

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概要

免疫学コア講義 改訂4版

3る異物を自己 self でないもの,すなわち,非自己nonself として認識することで免疫応答が開始される. 病原体は,皮膚(表皮)や粘膜組織(上皮)のバリアを越えて侵入してくる.そうすると,表皮や上皮の直下で貪食細胞が速やかに病原体を貪食する.同時に,貪食細胞の一種の樹状細胞はナイーブリンパ球が配置されている所属リンパ節(二次リンパ組織)に移動し,病原体を貪食して作製した抗原を提示し,リンパ球を活性化する.活性化されたリンパ球は病原体が侵入した部位に動員され,そこで精緻な免疫反応を繰り広げて病原体を排除する(図1 -1).この一連の生体防御反応をさ1-1 免疫とは われわれの身体は,感染症の原因となる病原微生物(病原体 pathogen ともいう)の侵入に対して,生体防御反応を起こして排除する.このシステムを免疫 immunity とよんでいる.すなわち,免疫とは疫病(今でいう感染症)を免れるためのシステムである. 免疫システムは,貪食細胞などが大きな役割を果たす自然免疫 innate immunity と,B 細胞,T 細胞などのリンパ球が活躍する獲得免疫 acquiredimmunity(適応免疫 adaptive immunity ともいう)から成り立っている.どちらの細胞も侵入してく1 免 疫基礎免疫学図1-1 免疫反応における貪食とリンパ球の教育樹状細胞二次リンパ組織樹状細胞によるリンパ球(獲得免疫)の活性化B細胞T細胞胸腺骨髄一次リンパ組織病原体皮膚,粘膜組織貪食細胞(マクロファージ,樹状細胞)貪食細胞による自然免疫応答活性化リンパ球の感染部位への動員病原体の排除リンパ球の生成