ブックタイトル薬局69巻6月号

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概要

薬局69巻6月号

76 2582 薬 局 2018 Vol.69, No.7はじめに医療機関を受診する患者が外国人であっても,その原因の探索のための検査,治療の提供は何ら日本人と変わるところはない.言語や文化がバリアとなって,説明が伝わらなかった,必要な治療が行われなかった,事故が起きた,未収金が発生した,とならないように取り組むことが医療機関の課題となっている.当院では,2015年4月に国際診療部が新設され,トラブルや未収金につながりそうなリスク因子のあるケースへの早期介入・スタッフ支援を行っている.本稿では,この活動の中で経験した問題とその回避方法を解説する.医療通訳は必要か・誰が担当するのか(表1)外国人患者であっても,挨拶や買い物レベルの日本語なら話せるという人もいる.しかし,診察室における会話は,日本人同士であっても100%伝わらないこともある.「あまり理解していないようだ」「伝わっていない気がする」と医療者が判断した時点で,何らかのトラブルを回避するための外国人患者対応の勘所日本語でも難しい医療の会話は,挨拶程度の会話力,日常会話ができるレベルでは伝わらないリスクがあるため,医療通訳を確保したい.患者誤認事故防止のため,診療申し込みの時点で写真付きの身分証明書(パスポート/在留カード)で本人確認を行う.未収金は発生したら回収困難である.発生させないためには,概算額の説明,同意確認が重要である.緊急帰国や法的トラブルも受け入れ体制として準備したい.■ 外国人患者対応の実践ポイント?? ?堀 成美国立国際医療研究センター 国際診療部表1 通訳分担カテゴリー語学堪能者医療通訳電話問い合わせ◯初診受付◯問診◯ ◯診察・検査・治療◯服薬指導◯ ◯会計◯