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月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,750円(本体2,500円+税10%) ISSN 0022-5207

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2022年12月 Vol. 104 No.12

自動車運転支援

超高齢社会における医療介入

定価

2,750(本体 2,500円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
高齢者にとって,自動車は大切な“足”である

 核家族化や少子高齢化が進んだ日本では,老老介護や高齢者の一人暮らしはありふれた光景となった.自動車を利用して買い物や通院をする高齢者はとても多い.今日,私たちの診察室にやってきた患者で,車を利用した方は何人もいるだろう.車は高齢者の生活や社会参加に不可欠である.
 しかし高齢者は身体機能が衰え,病気も抱えるようになる.私たち医療者は彼らを心配して「運転をやめませんか?」,「免許を返納しませんか?」と声をかけたくなるだろう.しかし,この私たちの優しいことばは,高齢者たちの生活を脅かすおそれがある.では私たちは,どうやって高齢者の暮らしを支えていけばよいのだろうか?
 本特集第1章の「運転支援の第一歩」では,日本の制度や運転適性評価の取り組みについて解説した.現状では,医療者は患者の状態を評価するが,運転の可否を判断する権限はもっていない.最終判断は公安委員会が担うことになっているため,制度を理解することは重要である.
 第2章の「疾患と自動車運転」では,疾患ごとに患者評価のポイントを概説した.疾患によっては日本における明確な基準がないため,自動車交通網が発達している諸外国の文献等を引用し解説している.
 第3章の「支援のポイント」では,私たちが患者の診察や支援を行う際のポイントを紹介する.診察室のなかのトピックだけでなく,自動車の改造やまちづくりなど,内容は多岐にわたるので注目してほしい.
 いずれは自動車に高度な自動運転技術が搭載されるようになるだろう.しかし自動運転技術の普及には法整備・費用・時間が必要となる.しばらく私たちは,高齢者の運転について向き合わなくてはならない.
 日々の診察の悩ましい場面で,本特集が活用されることを願う.

〔編集幹事〕
亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科/            
横浜市立大学大学院データサイエンス研究科 ヘルスデータサイエンス専攻
鵜飼万実子
特集の目次
■運転支援の第一歩
医療機関における運転支援介入はどうあるべきか(渡邉 修)
医療者がおさえておきたい 運転にかかわる法と制度(一杉正仁)
診断書記載に当たって知っておくべきこと(武原 格)
医療機関における取り組み―頴田病院における運転支援(赤岩 喬)
各都道府県における取り組み(小林康孝)

■疾患と自動車運転
認知症,軽度認知障害(MCI)(上村直人)
脳血管疾患(加藤徳明)
失神と自動車運転(森川敬太,他)
糖尿病―運転の危険性の高い患者のスクリーニングとその対策(山田真子,他)
アルコール依存(吉本 尚)
脳神経疾患に伴う交通事故(永山正雄)
精神疾患,睡眠障害(田坂真哉,他)

■支援のポイント
運転再開前に確認すべきポイント―その患者さん,すぐに運転して大丈夫?(吉田 伸)
自動車運転の評価・訓練の実際(松岡 秀,他)
コラム 患者さんに教えてあげたい! 安全運転のコツ(熊倉良雄)
「免許返納なんて絶対にしない!」頑固な患者の理解を得るには(橋本彦太郎)
免許返納者への移動支援(大場秀樹,他)
コラム 身障者が運転できる自動車(杉山光一)
連載
1問1答! 在宅報酬必須知識(5)
特別訪問看護指示書(永井康徳)

えびさんぽ(12)
ランドマークスタディで振り返る2022年(青島周一)
―ランドマークスタディと路地裏エビデンス
―臨床での使い方

メンタル産業医が教える! 今月の筋トレ処方(12)
膝まで腹筋(ニータッチクランチ)これもキチンとするととっても辛いのでまずはキョンシー腹筋トレーニングから(櫻澤博文)

総合診療POEMs ―診療で使える! 旬なオススメ文献―(10)
心不全患者に塩分制限は有用なのか?(森本梨加,他)

高齢者の元気をサポートする漢方処方プロセス(4)
認知症 谷川聖明

メンタル産業医が解決! 忙しい医師のためのレジリエンスUp術(12)
中期(数ヵ月のうちに.長くても半年以内と季節を複数またぐことはない)に 自身だけで気分転換ができていない場合に(櫻澤博文)
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