ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌
月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,970円(本体2,700円+税10%) ※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0022-5207
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語りたい! 総合診療のエビデンス
ISBN 978-4-525-93008-0
定価
2,750円(本体 2,500円+税10%)
- 今月の視点
- 特集の目次
- 連載
今月の視点
現場で使う! 現場で作る!
ある分野が学問領域たるための条件として,カナダの家庭医Ian McWhinneyは「特有の実践の場」,「知の体系」,「研究」,「教育」が必要と述べている 1).これは,学問領域というものが,その領域に特有の実践の場・そこから作られた体系的な知・知を創り出すための研究・知を伝えるための教育からなっているということだと考えられる.これらは互いにつながっているが,本特集ではそのなかでとくに「研究」に焦点を当てる.総合診療という領域を理解するためには,その「知」の元となっている研究を理解する必要がある.そして,その領域の新たな「知」を創り出すためにも研究が必要となる.
本特集前半の「総合診療医が活躍するフィールドの最新エビデンス」では幅広い知識とそのアップデートが求められる総合診療医のために,外来・訪問診療・病棟など診療セッティング別に分けた7つの領域の近年のエビデンスを概説する.
後半の「日本発! 総合診療医が作るエビデンス」では,日本の総合診療医が日本をフィールドとして行った研究を中心に総合診療の「知」の発展に貢献した論文を紹介する.当初は海外や国内の他領域からのエビデンスを借りることが多かった日本の総合診療も,その発展とともにさまざまな研究が行われ自身のエビデンスを提示することができるようになってきている.近年,日本における総合診療領域の研究の発展は目覚ましく,本来はここに取り上げたかったものの,紙幅の都合で取り上げられなかった多くの論文がある.本特集を読んで興味をもたれた方はぜひ,ほかの論文にも目を通すことをお勧めする.
そしてそのような特集全体の縦糸として「プライマリ・ケア研究今昔」,横糸として総合診療の研究に欠かせない他領域との連携についてのコラム:総合診療医「と」行う研究を配している.この特集を契機に日本からの総合診療のエビデンスを診療に活かす方,知を作る側に回る方がさらに増えれば望外の喜びである.
〔編集幹事〕
横浜市立大学大学院 データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻
金子 惇
1)McWhinney IR:General practice as an academic discipline.Reflections after a visit to the United States.Lancet,1(7434):419-423,1966.
ある分野が学問領域たるための条件として,カナダの家庭医Ian McWhinneyは「特有の実践の場」,「知の体系」,「研究」,「教育」が必要と述べている 1).これは,学問領域というものが,その領域に特有の実践の場・そこから作られた体系的な知・知を創り出すための研究・知を伝えるための教育からなっているということだと考えられる.これらは互いにつながっているが,本特集ではそのなかでとくに「研究」に焦点を当てる.総合診療という領域を理解するためには,その「知」の元となっている研究を理解する必要がある.そして,その領域の新たな「知」を創り出すためにも研究が必要となる.
本特集前半の「総合診療医が活躍するフィールドの最新エビデンス」では幅広い知識とそのアップデートが求められる総合診療医のために,外来・訪問診療・病棟など診療セッティング別に分けた7つの領域の近年のエビデンスを概説する.
後半の「日本発! 総合診療医が作るエビデンス」では,日本の総合診療医が日本をフィールドとして行った研究を中心に総合診療の「知」の発展に貢献した論文を紹介する.当初は海外や国内の他領域からのエビデンスを借りることが多かった日本の総合診療も,その発展とともにさまざまな研究が行われ自身のエビデンスを提示することができるようになってきている.近年,日本における総合診療領域の研究の発展は目覚ましく,本来はここに取り上げたかったものの,紙幅の都合で取り上げられなかった多くの論文がある.本特集を読んで興味をもたれた方はぜひ,ほかの論文にも目を通すことをお勧めする.
そしてそのような特集全体の縦糸として「プライマリ・ケア研究今昔」,横糸として総合診療の研究に欠かせない他領域との連携についてのコラム:総合診療医「と」行う研究を配している.この特集を契機に日本からの総合診療のエビデンスを診療に活かす方,知を作る側に回る方がさらに増えれば望外の喜びである.
〔編集幹事〕
横浜市立大学大学院 データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻
金子 惇
1)McWhinney IR:General practice as an academic discipline.Reflections after a visit to the United States.Lancet,1(7434):419-423,1966.
特集の目次
■総合診療医が活躍するフィールドの最新エビデンス
診療所外来(水本潤希)
在宅医療(宜保光一郎)
病棟診療(鈴木 聡,他)
救急外来(熊谷知博,他)
健康診断・予防医療(森 英毅)
医学教育(藤川裕恭)
医療政策(島袋 彰)
■日本発! 総合診療医が作るエビデンス
総合診療医が行う研究とその広がり(金子 惇)
プライマリ・ケア研究今昔(松島雅人)
観察研究:研修医の睡眠は労働時間,抑うつ,診療エラーとどのように関連するか?(長崎一哉)
観察研究:コロナ禍におけるプライマリ・ケアの価値の検証(青木拓也)
観察研究:予定外受診の背景は? 就労と世帯構成の交互作用で関連の異質性をみよう(川内はるな,他)
観察研究:医師による菌血症の可能性の見積もりは安全? 効率的?(藤井浩太朗,他)
介入研究:誰にでも手が届く,小規模ランダム化比較試験(原田侑典)
システマティックレビュー・メタアナリシス:地域病院からの学術的Outputって大変?(西倉 希,他)
デルファイ法:「みんなで決めた」を科学する(宮地由佳)
質的研究:医学生は地域の臨床実習で SDH をどのように学ぶのか?(春田淳志)
質的研究:「語り」にまつわる研究(宮地純一郎)
混合研究法:質的・量的な視点から複雑な現象を理解する(鋪野紀好)
ケースレポート:むずむず脚症候群亜型の疾患概念の普及を目指して(石塚晃介,他)
■コラム
総合診療医「と」行う研究:質的研究者の立場から(阿部路子)
総合診療医「と」行う研究:文化人類学者の立場から(堀口佐知子,他)
総合診療医「と」行う研究:生物統計家の立場から(市川周平)
診療所外来(水本潤希)
在宅医療(宜保光一郎)
病棟診療(鈴木 聡,他)
救急外来(熊谷知博,他)
健康診断・予防医療(森 英毅)
医学教育(藤川裕恭)
医療政策(島袋 彰)
■日本発! 総合診療医が作るエビデンス
総合診療医が行う研究とその広がり(金子 惇)
プライマリ・ケア研究今昔(松島雅人)
観察研究:研修医の睡眠は労働時間,抑うつ,診療エラーとどのように関連するか?(長崎一哉)
観察研究:コロナ禍におけるプライマリ・ケアの価値の検証(青木拓也)
観察研究:予定外受診の背景は? 就労と世帯構成の交互作用で関連の異質性をみよう(川内はるな,他)
観察研究:医師による菌血症の可能性の見積もりは安全? 効率的?(藤井浩太朗,他)
介入研究:誰にでも手が届く,小規模ランダム化比較試験(原田侑典)
システマティックレビュー・メタアナリシス:地域病院からの学術的Outputって大変?(西倉 希,他)
デルファイ法:「みんなで決めた」を科学する(宮地由佳)
質的研究:医学生は地域の臨床実習で SDH をどのように学ぶのか?(春田淳志)
質的研究:「語り」にまつわる研究(宮地純一郎)
混合研究法:質的・量的な視点から複雑な現象を理解する(鋪野紀好)
ケースレポート:むずむず脚症候群亜型の疾患概念の普及を目指して(石塚晃介,他)
■コラム
総合診療医「と」行う研究:質的研究者の立場から(阿部路子)
総合診療医「と」行う研究:文化人類学者の立場から(堀口佐知子,他)
総合診療医「と」行う研究:生物統計家の立場から(市川周平)
連載
在宅医療の質を高める!(15)
管理栄養士が,在宅患者&家族にもたらす喜び(永井康徳)
えびさんぽ(33)
医薬品の製剤学的な違いは薬剤効果にも影響しますか?(青島周一)
─ランドマークスタディと路地裏エビデンス
─臨床での使い方
総合診療 POEMs ─診療で使える! 旬なオススメ文献─(19)
高齢者への積極的な ACP は患者・家族のアウトカムを改善させる(松村英明,他)
Dr. Shinのよくわかる即戦力漢方(4)
とにかくしんどいので何とかしてほしい!(橋本進一)
緩和 Case Based 教育ディスカッション(9)
消化器症状のマネジメントと悪液質(宇井睦人)
管理栄養士が,在宅患者&家族にもたらす喜び(永井康徳)
えびさんぽ(33)
医薬品の製剤学的な違いは薬剤効果にも影響しますか?(青島周一)
─ランドマークスタディと路地裏エビデンス
─臨床での使い方
総合診療 POEMs ─診療で使える! 旬なオススメ文献─(19)
高齢者への積極的な ACP は患者・家族のアウトカムを改善させる(松村英明,他)
Dr. Shinのよくわかる即戦力漢方(4)
とにかくしんどいので何とかしてほしい!(橋本進一)
緩和 Case Based 教育ディスカッション(9)
消化器症状のマネジメントと悪液質(宇井睦人)