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治療

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月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,970円(本体2,700円+税10%) ※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0022-5207

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2025年4月 Vol. 107 No.5

【第1特集】向精神薬処方の勘どころ/【第2特集】リウマチ膠原病 診断のClue

ISBN 978-4-525-93015-8

定価

2,970(本体 2,700円+税10%)

  • 今月の視点
  • 特集の目次
  • 連載
今月の視点
【第1特集】向精神薬処方の勘どころ プライマリ・ケア医と精神科医と薬剤師のクロストーク

向精神薬処方の壁を,適切な温度感で超えよう

 向精神薬は日常診療において頻繁に出番に遭遇する薬剤でありながら,プライマリ・ケアに携わる医療者が苦手意識をもつ薬剤クラスの1つだと思われます.薬剤自体に一定の効果が期待できる一方で,副作用や依存のリスクもあり,薬剤処方の適応の見極めや薬剤ごとの微妙なさじ加減など,使い慣れない医師にとっては悩ましいところです.とくにプライマリ・ケア医としては,向精神薬は精神科領域の専門的な薬剤という認識が根強く,自分が処方してよいものかどうか,そして結果的に専門科の医師へ紹介することになった場合に診断や治療の妨げになるようなことはないだろうか,といった心理的なハードルを感じることも少なくないと思われます.そのため,使うべきか敬遠すべきか迷いながらも,患者と向き合わざるを得ない場面がしばしばあります.
 本特集では,プライマリ・ケア医,精神科医,薬剤師という異なる専門性をもった専門職が,うつ病,不安症,睡眠障害,せん妄など,高頻度な疾患・病態に関してそれぞれの視点から「勘どころ」について語り合います.プライマリ・ケア医や研修医の立場からは,普段なかなか精神科医や薬剤師に直接聞きにくい素朴な疑問も,この特集を通じてカバーされるかもしれません.一方で,プライマリ・ケアというセッティングに特有の課題や診療のコツは,とくに普段の診療が病院における専門診療を中心とされている専門医からはみえにくいものであり,プライマリ・ケアの専門家の視点から得られる学びもきっと大きいでしょう.
 本特集号を通じて,読者の皆様が「向精神薬処方」にもう一歩自信をもち,皆様のかかわる患者さん達へのケアの向上につながる一助となれば幸いです.

[編集幹事]
聖マリアンナ医科大学/川崎市立多摩病院 総合診療内科
日本プライマリ・ケア連合学会 メンタルヘルス委員会 
家 研也


【第2特集】リウマチ膠原病 診断のClue

 リウマチ膠原病の病態解明・治療法の進歩は近年著しい.これは多くの偉大なrheumatologistの先輩,そして日々臨床・研究に勤しむ多くのrheumatologistの仲間たちの努力によって獲得してきた.
 しかし,診療現場では診断まで時間がかかるような診断困難例や,診断はついているが残念ながら最適な治療法が受けられていないケースにもまだまだ出会う.拙書1)の序文にも記載したが,「すべてのリウマチ膠原病疾患の患者のアウトカム向上」が私のライフワークである.
 今回の特集はそういった私のライフワークの中でも,“診断”にフォーカスした.各特集項目の冒頭に示した“THE典型例”は,rheumatologistでも非rheumatologistでも診断に難渋する場合は少ないであろう.今回の特集の肝は「rheumatologistであれば比較的よく経験するような各疾患のプレゼンテーション」にフォーカスしたことである.専門医であれば経験する「こういうプレゼンテーションで診断すること,あるあるだよね」という各疾患の臨床像を,私とともに東海圏でのリウマチ膠原病診療のアウトカム向上のために毎日第一線で切磋琢磨している仲間が執筆してくれた.この特集を通して,原因がわからない,診断がつかないことに苦悩する一人でも多くの患者に光があたることを祈っている.もっと多くの疾患を扱いたかったが,紙幅の都合もありある程度しぼった記載である.残りはまた別の機会に共有し,アウトカム向上につなげていきたい.

[編集幹事]
中部ろうさい病院
リウマチ膠原病・腎感染症内科/総合診療科 
猪飼 浩樹

参考文献
1)猪飼浩樹,滝澤直歩:レジデントとジェネラリストのためのリウマチ膠原病診療,メジカルビュー社,2022.
特集の目次
【第1特集】向精神薬処方の勘どころ プライマリ・ケア医と精神科医と薬剤師のクロストーク

■総 論
向精神薬の薬理学(仙波純一)
向精神薬で個人的に気になるエビデンスを調べてみた(五十嵐 俊)
病院薬剤師がみた薬の使われ方 ─プライマリ・ケア医と連携するために─(井手健太)
薬局薬剤師のひとりごと(田中みずき)

■各 論
うつ病と不安における抗うつ薬治療(香田将英)
プライマリ・ケア領域の不安症治療(稲田泰之)
プライマリ・ケア医が行う睡眠障害のマネジメント(森屋淳子)
せん妄・psychosisに処方する抗精神病薬(杉崎友美,古郡規雄)
家庭医が処方する抗認知症薬(森 悠太朗,喜瀬守人)
これだけは押さえておきたい 妊婦・授乳婦への向精神薬処方(菊地紗耶)
小児の精神疾患と向精神薬治療の注意点(河邉憲太郎)
抗けいれん薬とその他の向精神薬(中島 亨)

■プライマリ・ケア医と精神科医のクロストーク
向精神薬の勘どころをさらに突き詰めるQ&A(今村弥生)

■コラム
プライマリ・ケア医の向精神薬療法,これだけは!(宮岡 等)


【第2特集】リウマチ膠原病 診断のClue

■リウマチ膠原病を見逃さない!
こんなパターンでもSLEを疑う!(滝澤直歩)
こんなパターンでも強皮症を疑う!(山森惇士)
こんなパターンでも関節リウマチを疑う!(猪飼浩樹)
こんなパターンでも巨細胞性動脈炎を疑う!(永瀬芙美香)
こんなパターンでもシェーグレン症候群を疑う!(岩﨑慶太)
こんなパターンでもIgG4関連疾患を疑う!(伊東悠貴)
こんなパターンでもANCA関連血管炎を疑う!(永瀬宏哉)
こんなパターンでも脊椎関節炎を疑う!(貴島夕加里)
連載
えびさんぽ(40)
 持続型GIP/GLP-1受容体作動薬には,どのような効果が期待できますか?(青島周一)
 ―ランドマークスタディと路地裏エビデンス
 ―臨床での使い方

突撃!! 循環器診療についてショウジ先生に聞いてみた!(7)
 「目に見える」治療と「目に見えない」治療(山口裕崇,川上将司)

御縁ちゃんが導く誤嚥性肺炎クロニクル(4)
 診断エラーから縁蔵を守れ その2(宮上泰樹,近藤慶太)

Dr. Shinのよくわかる即戦力漢方(11)
 朝起きられないフクロウ型体質を漢方で支える(橋本進一)
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