ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌
月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,970円(本体2,700円+税10%) ※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0022-5207
ジェネラリストが
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月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,970円(本体2,700円+税10%) ※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0022-5207
Evidence Update 2025
最新の知見から日々の臨床をアップデートする
ISBN 978-4-525-93024-0
定価
3,300円(本体 3,000円+税10%)
B5判 136頁
- 序文
- 目次
序文
Evidence Updateが新しくなった.これまでの薬剤師を対象の中心とするものから,すべての医療従事者を対象にしたものに変わる.新しい編者を加え,どのようなものにしていくかの議論を重ね,まず執筆者をその領域のトップランナーの先生方にお願いした.また,新たなエビデンスを付け加えるというコンセプトも,新しいというだけでなく,インパクトが大きく,感情に触れるような,いくつかの論文に限って紹介してもらうように変更した.そして,この大きな変更をもって,医師を含む多くの医療従事者の皆さんに届け,さらなる医療レベルの充実に寄与できればと考えている.
しかし,それは相変わらず困難な道であり続けている.書籍があまり多くの人に届かない反面,ネット上でのでたらめな情報は増えるばかりである.どうすればいいのか.そうした問題意識が本書の今回の変更の背景にある.「最新の知見から日々の臨床をアップデートする」という新たなコンセプトは,情報を届けるばかりでなく,この書籍によって,日々の臨床の改善を目指すということである.
そこで思うのは,本書の役割は「単なる医学情報の提供ではない」ということである.では本書の役割は何か.それをどう説明しようかと考えていたところ,一つのニュースが流れてきた.1ヵ月に1冊も書籍を読まない人が6割というものだ.情報が溢れる中で,電車に乗れば,ほとんどの人がスマホを眺め何かしらの情報を得ている反面,書籍を読む人は減り続けている.この状況は本書の転換と重なる.
スマホから情報を得るのと,書籍を読むということの違いは何か.それは固定した情報と変なる言葉の違いということだ.スマホからの情報は,短いフレーズで,結論が明確でわかりやすい.固定した何かを伝えるというのが一つの特徴だろう.それに対して書籍を読むということは,SNSやネットニュースなどの数十から数百字程度というような制限をはるかに超えた膨大な字数を,時間をかけて読み,ああでもない,こうでもないと考え,むしろ結論を先延ばしにするようなものである.それを本書の役割としたい.しかし,書籍は読まれない世の中が今である.雑誌や書籍などの有料の媒体が情報提供にとどまり,わかりやすく,結論がはっきりしたものばかり提供していると,ネット上の情報に駆逐される.当然の流れだ.
新しく生まれ変わった本書が,単なる医学情報の提供にとどまらず,変化を伴う,生きた言葉を届けられているかどうか.ネット上の情報を超えて,これこそが皆が必要としていたものだと思ってもらえるかどうか.しばらくは届かない世の中が続くかもしれない.それにはまだ時間がかかるだろう.あるいは時間がかかっても変わらないかもしれない.この困難を前に,あえて読まれない方向に向かう有料の書籍で挑むというのは,無理筋の話だろうか.しかし,懲りずに書籍にこだわりたい.書籍を読まずにはいられない,私のような者が,実はまだ多くいることを信じて.
2024年12月 編者を代表して
名郷 直樹
しかし,それは相変わらず困難な道であり続けている.書籍があまり多くの人に届かない反面,ネット上でのでたらめな情報は増えるばかりである.どうすればいいのか.そうした問題意識が本書の今回の変更の背景にある.「最新の知見から日々の臨床をアップデートする」という新たなコンセプトは,情報を届けるばかりでなく,この書籍によって,日々の臨床の改善を目指すということである.
そこで思うのは,本書の役割は「単なる医学情報の提供ではない」ということである.では本書の役割は何か.それをどう説明しようかと考えていたところ,一つのニュースが流れてきた.1ヵ月に1冊も書籍を読まない人が6割というものだ.情報が溢れる中で,電車に乗れば,ほとんどの人がスマホを眺め何かしらの情報を得ている反面,書籍を読む人は減り続けている.この状況は本書の転換と重なる.
スマホから情報を得るのと,書籍を読むということの違いは何か.それは固定した情報と変なる言葉の違いということだ.スマホからの情報は,短いフレーズで,結論が明確でわかりやすい.固定した何かを伝えるというのが一つの特徴だろう.それに対して書籍を読むということは,SNSやネットニュースなどの数十から数百字程度というような制限をはるかに超えた膨大な字数を,時間をかけて読み,ああでもない,こうでもないと考え,むしろ結論を先延ばしにするようなものである.それを本書の役割としたい.しかし,書籍は読まれない世の中が今である.雑誌や書籍などの有料の媒体が情報提供にとどまり,わかりやすく,結論がはっきりしたものばかり提供していると,ネット上の情報に駆逐される.当然の流れだ.
新しく生まれ変わった本書が,単なる医学情報の提供にとどまらず,変化を伴う,生きた言葉を届けられているかどうか.ネット上の情報を超えて,これこそが皆が必要としていたものだと思ってもらえるかどうか.しばらくは届かない世の中が続くかもしれない.それにはまだ時間がかかるだろう.あるいは時間がかかっても変わらないかもしれない.この困難を前に,あえて読まれない方向に向かう有料の書籍で挑むというのは,無理筋の話だろうか.しかし,懲りずに書籍にこだわりたい.書籍を読まずにはいられない,私のような者が,実はまだ多くいることを信じて.
2024年12月 編者を代表して
名郷 直樹
目次
1.2024論文ベスト・テン
2.論文結果の批判的吟味-指標による効果の解釈の違いに焦点を当てて-
3.批判的吟味能力を鍛える-実践的トレーニングと指導のコツ-
4.スペシャリストが推す必見論文!その見解と考察
①Less is more! 治療適応を減らしてくれる!? 2024年論文5選!
②病院総合医が印象に残った2024論文 Top 3!
③当たり前を疑え! 臨床現場の常識を再考する
④冠動脈疾患の治療とその周辺:Post-ISCHEMIAの重要論文
⑤GLP-1受容体作動薬はCKD診療の新たな一手となるか
⑥診療ガイドラインはどの程度読まれ、どの程度診療行動を変容させているのか?
⑦エビデンスに使われないためのエビデンスの読み方・使い方(糖尿病編)
⑧リウマチ・膠原病診療の温故知新:概念の刷新から予防・重症の治療まで
⑨迫りくる感染症の脅威を正確に把握し準備せよ! 感染症治療戦略の大きな見直しが求められている
⑩日々の現場でよく出会う臨床的疑問、そのランダム化比較試験の質もさまざまだ
⑪アルツハイマー病:無症状でも患者? 診断基準改訂の波紋
⑫もっと深く「けいれん・てんかん・意識障害」
⑬認知症予防に関する注目論文
⑭がん治療文献を読むときは、真のエンドポイントのOS(全生存期間)をやっぱり重要視すべし
⑮「現実的な」早期緩和ケアは、「診断時から全員に関わる」早期緩和ケアと比較して、非劣性である
⑯集中治療Update! 2024年注目の論文8選
⑰アナタの救急診療をちょこっとブラッシュアップ! かんたん隠し味レシピ
⑱多疾患併存に関する注目論文ピックアップ
⑲診療を変えるEvidenceとは何か?
⑳食品の効果(機能性)以外の役割
[Column] 論文吟味のポイント2025
2.論文結果の批判的吟味-指標による効果の解釈の違いに焦点を当てて-
3.批判的吟味能力を鍛える-実践的トレーニングと指導のコツ-
4.スペシャリストが推す必見論文!その見解と考察
①Less is more! 治療適応を減らしてくれる!? 2024年論文5選!
②病院総合医が印象に残った2024論文 Top 3!
③当たり前を疑え! 臨床現場の常識を再考する
④冠動脈疾患の治療とその周辺:Post-ISCHEMIAの重要論文
⑤GLP-1受容体作動薬はCKD診療の新たな一手となるか
⑥診療ガイドラインはどの程度読まれ、どの程度診療行動を変容させているのか?
⑦エビデンスに使われないためのエビデンスの読み方・使い方(糖尿病編)
⑧リウマチ・膠原病診療の温故知新:概念の刷新から予防・重症の治療まで
⑨迫りくる感染症の脅威を正確に把握し準備せよ! 感染症治療戦略の大きな見直しが求められている
⑩日々の現場でよく出会う臨床的疑問、そのランダム化比較試験の質もさまざまだ
⑪アルツハイマー病:無症状でも患者? 診断基準改訂の波紋
⑫もっと深く「けいれん・てんかん・意識障害」
⑬認知症予防に関する注目論文
⑭がん治療文献を読むときは、真のエンドポイントのOS(全生存期間)をやっぱり重要視すべし
⑮「現実的な」早期緩和ケアは、「診断時から全員に関わる」早期緩和ケアと比較して、非劣性である
⑯集中治療Update! 2024年注目の論文8選
⑰アナタの救急診療をちょこっとブラッシュアップ! かんたん隠し味レシピ
⑱多疾患併存に関する注目論文ピックアップ
⑲診療を変えるEvidenceとは何か?
⑳食品の効果(機能性)以外の役割
[Column] 論文吟味のポイント2025