ジェネラリストが
「いま」必要な情報を届ける雑誌
月刊:毎月1日発行 B5判 定価:2,970円(本体2,700円+税10%) ※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0022-5207
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【第1特集】ハイエンド診察/【第2特集】児童虐待対応 現在地とプライマリ・ケアでできること
ISBN 978-4-525-93030-1
定価
2,970円(本体 2,700円+税10%)
- 今月の視点
- 特集の目次
- 連載
今月の視点
【第1特集】ハイエンド診察
違和感を手繰り寄せる実践知
診察とは,単なる情報収集の手続きではなく,患者の語りと身体の徴候を手がかりに,病いの全体像へと迫っていく創造的な営みである.臨床経験を重ねるにつれ,私たちは問診や身体診察に一定の型を見出し,その精度を高めていく.しかし同時に,熟練した臨床家ほど,その型にとどまることなく,むしろ個々の患者に応じて柔軟に問いを立て直し,わずかな違和感を手繰り寄せながら診断へとたどり着いていくようにも思える.
近年,診断学は検査技術やバイオマーカーの進歩とともに飛躍的な発展を遂げている.その恩恵は計り知れないが,一方で,診察の本質が「検査へと至る前段階」として矮小化される危うさも孕んでいる.本特集でいう「ハイエンド診察」とは,決して高度医療機器に依存した診断技術を指すものではない.むしろ,限られた情報のなかで,患者の言葉の選び方や沈黙,生活背景といった文脈を読み取り,必要な情報を見極め,不要なノイズをそぎ落としながら意思決定に至る,その総合的な臨床能力を指している.
本特集では,各分野で第一線に立つ臨床家が,自らの経験に裏打ちされた「会心の症例」をもとに,思考の過程や診察の工夫を率直に語る.そこには,教科書的知識だけでは到達し得ない,臨床の実践知が凝縮されている.読者がそれらをそれぞれの現場に持ち帰り,自らの診療を見つめ直す契機としていただければ幸いである.診察という営みの奥深さと可能性を,あらためて感じていただければ嬉しく思う.
[編集幹事]
大阪医科薬科大学医学部 総合診療医学教室 鈴木富雄
【第2特集】児童虐待対応 現在地とプライマリ・ケアでできること
児童虐待と聞くと,子どもに暴力を振るったり暴言を吐いたりする,極端で悪意のある養育者を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか.しかし,実際に児童虐待現場で出会う家族は,そのようなイメージに当てはまる人ばかりではありません.
誠実に子育てに向き合うなかでのかかわりが,思いも寄らず「虐待」と判断されることもあります.また,しつけのつもりで行っているかかわりが,結果として子どもに強い恐怖や苦痛を与えてしまうこともあります.さらに,孤立や疲労,病気,経済的困難などを背景に,養育が難しくなってしまうこともあります.児童虐待は特別な誰かの問題ではなく,意外と身近に存在し,誰もが当事者になりうる課題です.日常の何気ない言動が,状況によっては子どもを傷つけてしまうこともあります.本特集では,その身近さをまず感じていただければと思います.
そして,こうした身近な課題であるからこそ,身近な存在であるプライマリ・ケアにできるかかわりがあると考えます.児童虐待への支援を育児支援の延長線上にある課題として捉え,より身近に,よりフラットに,私たちにできるかかわりを考えるきっかけに本特集がなれば幸いです.
[編集幹事]
きたなら駅上ほっとクリニック/名古屋大学大学院 医学系研究科 総合診療医学分野 宮本侑達
違和感を手繰り寄せる実践知
診察とは,単なる情報収集の手続きではなく,患者の語りと身体の徴候を手がかりに,病いの全体像へと迫っていく創造的な営みである.臨床経験を重ねるにつれ,私たちは問診や身体診察に一定の型を見出し,その精度を高めていく.しかし同時に,熟練した臨床家ほど,その型にとどまることなく,むしろ個々の患者に応じて柔軟に問いを立て直し,わずかな違和感を手繰り寄せながら診断へとたどり着いていくようにも思える.
近年,診断学は検査技術やバイオマーカーの進歩とともに飛躍的な発展を遂げている.その恩恵は計り知れないが,一方で,診察の本質が「検査へと至る前段階」として矮小化される危うさも孕んでいる.本特集でいう「ハイエンド診察」とは,決して高度医療機器に依存した診断技術を指すものではない.むしろ,限られた情報のなかで,患者の言葉の選び方や沈黙,生活背景といった文脈を読み取り,必要な情報を見極め,不要なノイズをそぎ落としながら意思決定に至る,その総合的な臨床能力を指している.
本特集では,各分野で第一線に立つ臨床家が,自らの経験に裏打ちされた「会心の症例」をもとに,思考の過程や診察の工夫を率直に語る.そこには,教科書的知識だけでは到達し得ない,臨床の実践知が凝縮されている.読者がそれらをそれぞれの現場に持ち帰り,自らの診療を見つめ直す契機としていただければ幸いである.診察という営みの奥深さと可能性を,あらためて感じていただければ嬉しく思う.
[編集幹事]
大阪医科薬科大学医学部 総合診療医学教室 鈴木富雄
【第2特集】児童虐待対応 現在地とプライマリ・ケアでできること
児童虐待と聞くと,子どもに暴力を振るったり暴言を吐いたりする,極端で悪意のある養育者を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか.しかし,実際に児童虐待現場で出会う家族は,そのようなイメージに当てはまる人ばかりではありません.
誠実に子育てに向き合うなかでのかかわりが,思いも寄らず「虐待」と判断されることもあります.また,しつけのつもりで行っているかかわりが,結果として子どもに強い恐怖や苦痛を与えてしまうこともあります.さらに,孤立や疲労,病気,経済的困難などを背景に,養育が難しくなってしまうこともあります.児童虐待は特別な誰かの問題ではなく,意外と身近に存在し,誰もが当事者になりうる課題です.日常の何気ない言動が,状況によっては子どもを傷つけてしまうこともあります.本特集では,その身近さをまず感じていただければと思います.
そして,こうした身近な課題であるからこそ,身近な存在であるプライマリ・ケアにできるかかわりがあると考えます.児童虐待への支援を育児支援の延長線上にある課題として捉え,より身近に,よりフラットに,私たちにできるかかわりを考えるきっかけに本特集がなれば幸いです.
[編集幹事]
きたなら駅上ほっとクリニック/名古屋大学大学院 医学系研究科 総合診療医学分野 宮本侑達
特集の目次
【第1特集】ハイエンド診察
■特別対談
総合診療の歩みとハイエンド診察の頂(鈴木富雄,生坂政臣)
■レジェンドたちのハイエンド診察
家庭医療の立場から 生活史の断絶に向き合う ──機能性神経障害の脱医療化アプローチ(藤沼康樹)
総合内科の立場から 紙面(文字)からの学びの限界とそれを超えるための方策(國松淳和)
循環器内科の立場から マルチモダリティ時代における身体診察の復権と診断の死角(池上翔梧,香坂 俊)
呼吸器内科の立場から 呼吸器症状を呈する症例の臨床推論に胸部X線写真の正確な読影は必須!(長尾大志)
脳神経内科の立場から 繰り返すめまい(井口正寛)
膠原病内科の立場から 臨床所見を因数分解して理解する(萩野 昇)
小児科の立場から 未来を読む・変える短時間診療(児玉和彦)
思春期外来の立場から 診療の「場」が安全基地となるように(三澤美和)
女性ヘルスケアの立場から ホルモン治療に反応しない慢性骨盤痛へのアプローチ(池田裕美枝)
在宅・訪問診療医の立場から 在宅医に求められる診療スキルと多職種連携(小林正宜)
【第2特集】児童虐待対応 現在地とプライマリ・ケアでできること
■総 論
児童虐待の現状と早期支援の考え方(中垣真通)
■各 論
虐待を疑ったときの初期対応(小橋孝介)
行政連携から再構成するプライマリ・ケア(髙林 学)
日常診療から始める児童虐待対応 ─家庭医が地域で実践できること─(吉羽史織)
■Column
子どもの症状の背後にある家族の危機 ─児童虐待を家族システムから理解する─(若林英樹)
周産期から始める子どもを迎えた家族の再構成を支える看護(佐藤律子)
■特別対談
総合診療の歩みとハイエンド診察の頂(鈴木富雄,生坂政臣)
■レジェンドたちのハイエンド診察
家庭医療の立場から 生活史の断絶に向き合う ──機能性神経障害の脱医療化アプローチ(藤沼康樹)
総合内科の立場から 紙面(文字)からの学びの限界とそれを超えるための方策(國松淳和)
循環器内科の立場から マルチモダリティ時代における身体診察の復権と診断の死角(池上翔梧,香坂 俊)
呼吸器内科の立場から 呼吸器症状を呈する症例の臨床推論に胸部X線写真の正確な読影は必須!(長尾大志)
脳神経内科の立場から 繰り返すめまい(井口正寛)
膠原病内科の立場から 臨床所見を因数分解して理解する(萩野 昇)
小児科の立場から 未来を読む・変える短時間診療(児玉和彦)
思春期外来の立場から 診療の「場」が安全基地となるように(三澤美和)
女性ヘルスケアの立場から ホルモン治療に反応しない慢性骨盤痛へのアプローチ(池田裕美枝)
在宅・訪問診療医の立場から 在宅医に求められる診療スキルと多職種連携(小林正宜)
【第2特集】児童虐待対応 現在地とプライマリ・ケアでできること
■総 論
児童虐待の現状と早期支援の考え方(中垣真通)
■各 論
虐待を疑ったときの初期対応(小橋孝介)
行政連携から再構成するプライマリ・ケア(髙林 学)
日常診療から始める児童虐待対応 ─家庭医が地域で実践できること─(吉羽史織)
■Column
子どもの症状の背後にある家族の危機 ─児童虐待を家族システムから理解する─(若林英樹)
周産期から始める子どもを迎えた家族の再構成を支える看護(佐藤律子)
連載
えびさんぽ(54)
BPSD に対する薬物療法の効果はどれくらい期待できますか?(青島周一)
―ランドマークスタディと路地裏エビデンス
―臨床での使い方
Evidence Based Drinking お酒と健康の新常識(1)
決定版,二日酔いの予防法[前編](須田万勢)
薬剤師の知恵袋 〜医師に伝えたいマメ知識〜(13)
在宅における高カロリー輸液の使い方(押切康子)
御縁ちゃんが導く誤嚥性肺炎クロニクル(18)
現代帰還! ゴエンジャーズの栄光と迫る肺炎の影(宮上泰樹,近藤慶太)
BPSD に対する薬物療法の効果はどれくらい期待できますか?(青島周一)
―ランドマークスタディと路地裏エビデンス
―臨床での使い方
Evidence Based Drinking お酒と健康の新常識(1)
決定版,二日酔いの予防法[前編](須田万勢)
薬剤師の知恵袋 〜医師に伝えたいマメ知識〜(13)
在宅における高カロリー輸液の使い方(押切康子)
御縁ちゃんが導く誤嚥性肺炎クロニクル(18)
現代帰還! ゴエンジャーズの栄光と迫る肺炎の影(宮上泰樹,近藤慶太)