とびだせ、薬剤師!
臨床現場で活躍する薬剤師の知識やスキルのおさらい&アップデートをサポートする雑誌
月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035
とびだせ、薬剤師!
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月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)
※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035
治療継続のための プロブレムがみえる!みつかる!
糖尿病
定価
2,200円(本体 2,000円+税10%)
- 巻頭言
- 目次
巻頭言
令和4年度の調剤報酬改定において,「薬剤服用歴管理指導料」に代えて「服薬管理指導料」が新設された.ここでは,新しく「保険薬剤師が必要と認める場合は,患者の薬剤の使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに,必要な指導等を実施すること」という算定要件が追加されている.この改定から読み解けるのは,必要な治療を患者が継続していくために,薬剤師にも,よりいっそうフォローアップや働きかけのスキルを高め,発揮していってほしいという期待である.
本特集では,患者の日常の管理や治療実行度が,合併症リスクやQOLと健康寿命の維持延伸に大きく影響する疾患である「糖尿病」に焦点をあて,①治療行動(薬物治療に焦点をあてる)に影響する要因にはどのようなものがあるかを知り,②プロブレム(治療継続を妨げる要因)を発見する方法を学び,③行動変容の促進や維持を支援するための本質的な力を磨く方法を伝授する.また,近年,日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が中心となって糖尿病についてのスティグマ,偏見,差別除去活動を行っている.そのため,本特集でも糖尿病患者,療養指導,コンプライアンスなどの用語はなるべく使わないようにした(学会,協会ホームページ参照).
薬剤師のみなさまは忙しい業務のなかで,薬の効果,飲み方や副作用などの説明,あるいは残薬確認が中心になり,それ以上の関わりは難しいという日々を送られているのではないかと拝察する.しかし,糖尿病をもつ人にとって,みなさまの一言,ちょっとした声掛けが治療開始や継続のヒントになることもまれではない.実際に,海外の報告によると,本書に示すような介入法(プロブレムへの対処支援法)を行うことによって,行動や治療満足度が向上することが確認されており,最も効果的だったのは,薬剤師による介入であったと報告されている.
糖尿病治療の最終目標は,糖尿病をもつ人が健康な人と変わらないQOLと寿命を確保し,自分らしさを生かせるような生活を送ることにある.そのため,症状はなくとも継続した治療が重要である.本特集を通じて,薬剤師のみなさまが,糖尿病をもつ人の先を見据え,継続的な心身の支援をするためのスキルアップの一助となることを期待する.
石井 均
奈良県立医科大学 医師・患者関係学講座 教授
本特集では,患者の日常の管理や治療実行度が,合併症リスクやQOLと健康寿命の維持延伸に大きく影響する疾患である「糖尿病」に焦点をあて,①治療行動(薬物治療に焦点をあてる)に影響する要因にはどのようなものがあるかを知り,②プロブレム(治療継続を妨げる要因)を発見する方法を学び,③行動変容の促進や維持を支援するための本質的な力を磨く方法を伝授する.また,近年,日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が中心となって糖尿病についてのスティグマ,偏見,差別除去活動を行っている.そのため,本特集でも糖尿病患者,療養指導,コンプライアンスなどの用語はなるべく使わないようにした(学会,協会ホームページ参照).
薬剤師のみなさまは忙しい業務のなかで,薬の効果,飲み方や副作用などの説明,あるいは残薬確認が中心になり,それ以上の関わりは難しいという日々を送られているのではないかと拝察する.しかし,糖尿病をもつ人にとって,みなさまの一言,ちょっとした声掛けが治療開始や継続のヒントになることもまれではない.実際に,海外の報告によると,本書に示すような介入法(プロブレムへの対処支援法)を行うことによって,行動や治療満足度が向上することが確認されており,最も効果的だったのは,薬剤師による介入であったと報告されている.
糖尿病治療の最終目標は,糖尿病をもつ人が健康な人と変わらないQOLと寿命を確保し,自分らしさを生かせるような生活を送ることにある.そのため,症状はなくとも継続した治療が重要である.本特集を通じて,薬剤師のみなさまが,糖尿病をもつ人の先を見据え,継続的な心身の支援をするためのスキルアップの一助となることを期待する.
石井 均
奈良県立医科大学 医師・患者関係学講座 教授
目次
特集
治療継続のための
プロブレムがみえる! みつかる!
糖尿病
■特集にあたって(石井 均)
■なぜ継続できない!? 糖尿病治療のリアル―薬剤師にできる継続サポートは?― (武藤 達也)
■プロブレムを見逃さない!糖尿病をもつ人のアセスメントと薬物治療支援のポイント(石井 均)
■目の前の情報からみえる! みつかる! はじめのプロブレム(米良 真理)
・年代・性別・職業
・生活習慣
・併存疾患
・環境要因
■表層的な「#」から,深堀りプロブレムにアプローチ!
# 低血糖リスクが高い(新井 さやか)
# 病識・治療の理解度が低い(新井 さやか)
# シックデイ対応の理解度が低い(秋吉 明子)
# 薬剤の管理やデバイスの取り扱いができない(林 太祐)
# 服薬アドヒアランスが低い(篠原 久仁子)
# 血糖コントロールが悪い(柳瀬 昌樹)
# 食生活を改善できない(神谷 貴樹)
# 生活リズムが不規則(彦坂 麻美)
# 適度な運動ができない(中道 真理子)
# 話を聞いてくれない・答えてくれない患者へのコミュニケーションのコツ(別所 千枝 ほか)
シリーズ
■えびさんぽ
長時間作用型GLP-1受容体作動薬は効果がありますか?
(青島 周一)
■喫茶よりみち 薬剤師の知っ得リテラシー
〈Scene #11〉専門家による審査を受けていない研究成果?~コロナ禍で活用が進んだ「プレプリント」とは~
(井出 和希)
■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・ポリスチレンスルホン酸Na併用でアミトリプチリンの血中濃度低下
・スタチンの忍容性が低い患者の特徴
(佐藤 宏樹 澤田 康文)
■腫瘍薬学ハイライト
NKT細胞のα-ガラクトシルセラミドによる活性化に基づくがん免疫治療
(川西 正祐)
■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第11回〉えーっと,コロナにかかりまして…(感染制御のおはなしです)
(篠田 康孝)
■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
〈第11回〉前向き臨床研究のオモテ・ウラ
(大井 一弥)
■くすりのかたち外伝 わかる! 使える!まいにち薬会話
〈第11回〉「この薬の吸収は○○です」経口剤編
(浅井 考介 柴田 奈央)
■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈拾壱ノ型〉抗がん薬の治療開始基準は,経時的推移をよく確認せよ!
(榊原 辰弥)
■薬剤部門管理者・ミドルマネジャーのためのBSC活用入門
〈第8回〉保険薬局におけるバランスト・スコアカードの活用
治療継続のための
プロブレムがみえる! みつかる!
糖尿病
■特集にあたって(石井 均)
■なぜ継続できない!? 糖尿病治療のリアル―薬剤師にできる継続サポートは?― (武藤 達也)
■プロブレムを見逃さない!糖尿病をもつ人のアセスメントと薬物治療支援のポイント(石井 均)
■目の前の情報からみえる! みつかる! はじめのプロブレム(米良 真理)
・年代・性別・職業
・生活習慣
・併存疾患
・環境要因
■表層的な「#」から,深堀りプロブレムにアプローチ!
# 低血糖リスクが高い(新井 さやか)
# 病識・治療の理解度が低い(新井 さやか)
# シックデイ対応の理解度が低い(秋吉 明子)
# 薬剤の管理やデバイスの取り扱いができない(林 太祐)
# 服薬アドヒアランスが低い(篠原 久仁子)
# 血糖コントロールが悪い(柳瀬 昌樹)
# 食生活を改善できない(神谷 貴樹)
# 生活リズムが不規則(彦坂 麻美)
# 適度な運動ができない(中道 真理子)
# 話を聞いてくれない・答えてくれない患者へのコミュニケーションのコツ(別所 千枝 ほか)
シリーズ
■えびさんぽ
長時間作用型GLP-1受容体作動薬は効果がありますか?
(青島 周一)
■喫茶よりみち 薬剤師の知っ得リテラシー
〈Scene #11〉専門家による審査を受けていない研究成果?~コロナ禍で活用が進んだ「プレプリント」とは~
(井出 和希)
■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・ポリスチレンスルホン酸Na併用でアミトリプチリンの血中濃度低下
・スタチンの忍容性が低い患者の特徴
(佐藤 宏樹 澤田 康文)
■腫瘍薬学ハイライト
NKT細胞のα-ガラクトシルセラミドによる活性化に基づくがん免疫治療
(川西 正祐)
■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第11回〉えーっと,コロナにかかりまして…(感染制御のおはなしです)
(篠田 康孝)
■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
〈第11回〉前向き臨床研究のオモテ・ウラ
(大井 一弥)
■くすりのかたち外伝 わかる! 使える!まいにち薬会話
〈第11回〉「この薬の吸収は○○です」経口剤編
(浅井 考介 柴田 奈央)
■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈拾壱ノ型〉抗がん薬の治療開始基準は,経時的推移をよく確認せよ!
(榊原 辰弥)
■薬剤部門管理者・ミドルマネジャーのためのBSC活用入門
〈第8回〉保険薬局におけるバランスト・スコアカードの活用