南山堂

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臨床現場で注目されている薬剤や疾患を取り上げ、新人薬剤師には「やさしく」、先輩薬剤師には「くわしく・強くなる」をコンセプトに解説します。薬剤業務の悩みを解消、臨床力も磨けます。

年4回刊:1/4/7/10月の1日発行 B5判オールカラー 定価:1,320円(本体1,200円+税10%)

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臨床現場で注目されている薬剤や疾患を取り上げ、新人薬剤師には「やさしく」、先輩薬剤師には「くわしく・強くなる」をコンセプトに解説します。薬剤業務の悩みを解消、臨床力も磨けます。

年4回刊:1/4/7/10月の1日発行 B5判オールカラー 定価:1,320円(本体1,200円+税10%)

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2023年春号 Vol. 22 No.2

すぐに役立つ・ずっと使える 漢方 The基本

ISBN 978-4-525-92232-0

定価

1,320(本体 1,200円+税10%)

千福貞博/村上 理/浜田康次/坂﨑弘美/島﨑 学/赤瀬朋秀

  • 序文
  • 目次
序文
 漢方には,「流派」といわれるものが存在します.最初に筆者が何派なのかを解説させてください.日常診療では患者の病態を漢方医学的に考えるのが好きで,しかも漢方薬を多用しています.しかし,西洋医学をないがしろにしているわけではありません.むしろ,患者が漢方薬を要求しても,西洋医学の方が有用な疾患にはこれを拒否して,西洋薬による治療を説得しています.また,理論も西洋医学で考えた方がわかりやすいときは,それを利用して自身の漢方概念に取り入れています.さらに,漢方は,日本漢方と中医学に分かれ,日本漢方のなかでは,後世方派,古方派と大きく2つに分かれます.しかし,筆者の診断方法や治療薬の選定は,何でも使います.これらの診療を,数年前までは「西洋医学と漢方医学の二刀流」などと自負していましたが,それを幕末にとっくに取り入れていた医師がいます.名医の本間棗軒(1804-1872)です.彼の著書『内科秘録』に記載のある「折衷派」というのが,そのものでした.つまり,筆者が「流派は?」と問われたら,最近は「本間棗軒の折衷派」と言うことにしています.折衷派については,もう少し詳しく本編の「漢方医学書の歴史」でお話しします.
KEY筆者は本間棗軒の折衷派 
 さて,「嘘も方便」という言葉,全体の意味はご存知と思います.では,この「方便」だけでの意味はどうでしょうか.方便とは,「仏教で,人を真の教えに導くための仮の手段」とされています.筆者の漢方解説に「嘘」はないようにしていますが,親しみやすいように「方便」は散りばめたつもりです.本書を読んで,「漢方ワールドは楽しいな」と感じられたら,本気で勉強してください.そして,「『原書』で読んでみたい」となったら,筆者の望外の喜びです.

センプククリニック 院長
大阪医科薬科大学 臨床教育教授
千福貞博
目次
■序 論
1.本誌の構成
2.漢方医学と西洋医学の違い

■漢方薬の服薬指導の引き出し
1.患者からの質問に対する上手な切り返し・気の利いた一言
 Q.漢方薬というのは,苦くて飲みにくいのですよね?
 Q.この漢方薬は,どれぐらい服用すると効果がでてきますか?
 Q.いつまでこの薬を飲むのですか?
 Q.お湯に溶かして飲んだ方がよいですか?
 Q.西洋薬と同時に服用してもよいですか?
 Q.食前に飲み忘れたときに,食後でもよいですか?
 Q.飲んだら不正出血 or 鼻出血が生じて調子が悪いです.やめてもよいですか?
2.子どもが飲めない漢方薬の工夫いろいろ

■漢方薬総論
1.漢方医学書の歴史
2.そうだったのか! 漢方医学のからくり

■漢方薬各論
1.生薬単位で効能を知る
 ●甘 草     ●人 参  ●黄 耆  ●白朮と蒼朮  ●桂枝と桂皮
 ●生姜と乾姜  ●大 黄  ●麻 黄  ●石 膏
2.小グループ単位での効能
 ●茯苓+朮   ●人参+黄耆  ●半夏+生姜(乾姜)  ●生姜+大棗
 ●桂皮+甘草  ●人参+甘草  ●陳皮+半夏
3.よくでる・よくみる漢方薬
 ●五苓散    ●抑肝散    ●葛根湯   ●半夏瀉心湯
 ●人参養栄湯  ●芍薬甘草湯  ●小建中湯  ●半夏厚朴湯
 ●柴陥湯    ●苓桂朮甘湯
4.大切なアイカタ「漢方薬の合方」
 ●めまい      ●パニック発作・過換気症候群  ●PTSD
 ●過敏性腸症候群  ●膝関節痛,下肢痛       ●ギックリ腰・不明の腹痛
 ●女性更年期障害  ●耳管狭窄症          ●極度の疲労倦怠

あとがき

Series
・最近のコクシ「漢方処方」
・ハマゾン.co.jp「植物はなぜ薬を作るのか」
・プレイバック物化生「あらためて考える酸と塩基Part.2」
・漢方検分録 ケースで学ぶ漢方薬の安全チェック「過去の漢方薬特有のヒヤリ・ハット事例から学ぶ」

book review
・できる薬剤師はバイタルサインをどうみるか(南山堂)
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