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臨床現場で注目されている薬剤や疾患を取り上げ、新人薬剤師には「やさしく」、先輩薬剤師には「くわしく・強くなる」をコンセプトに解説します。薬剤業務の悩みを解消、臨床力も磨けます。

年4回刊:1/4/7/10月の1日発行 B5判オールカラー 定価:1,320円(本体1,200円+税10%)

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年4回刊:1/4/7/10月の1日発行 B5判オールカラー 定価:1,320円(本体1,200円+税10%)

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2023年秋号 Vol. 22 No.4

皮膚外用剤のトリセツ

ISBN 978-4-525-92234-4

定価

1,320(本体 1,200円+税10%)

大谷道輝/村上 理/浜田康次/馬渕智生/福田英嗣/赤瀬朋秀/島﨑 学

  • 序文
  • 目次
序文
 皮膚疾患の薬物療法は,生物学的製剤の登場により患者満足度が飛躍的に向上している.一方,生物学的製剤は,従来の低分子医薬品に比べ高額であり,患者負担が大きいことから導入や継続が困難な場合も少なくない.また,生物学的製剤は国内開発品が少なくバイオシミラーを繁用することで,医療用医薬品の費用は削減されるものの,医薬品の輸入額が増加し,この数年大幅な輸入超過となっている.
 生物学的製剤は,臨床において皮膚疾患の代表的な症状である「かゆみ」を早期に改善することから,患者満足度が向上する半面,皮疹などを問題視しなくなることで,保湿剤などの外用剤のアドヒアランスが低下し,皮疹や乾燥が悪化する症例が散見されている.このように生物学的製剤の登場により,皮膚疾患の治療効果は向上しているものの,外用療法が疎かになっており,外用剤の不適切な使用が目立っている.
 外用剤の不適切な使用の要因として,剤形に依存したアドヒアランスの低さに加え,患者に対する外用指導の不足が指摘されている.南らの2021年の報告では,「外用指導してくれていると,とても感じる」と回答した患者の割合は8.7%に過ぎない.この背景には,薬剤師をはじめとした医療従事者自身の外用剤の理解不足がある.皮膚科診療おける外用剤の書籍や特集は多いものの,外用剤自体の薬学的な企画は限られていることも,理解不足の一因となっている.また,最近では,感染を考慮して医師も手袋をして患者に外用剤を塗布しており,直接触れて使用感を実感する機会が著しく減っている.
 そこで,今回の企画として外用剤の理解を深めるために,「皮膚外用剤のトリセツ」と題して,外用剤の基礎から臨床使用まで幅広く学べることを目的とした.目次をご覧いただければ一目瞭然であるが,日常診療における患者指導や調剤において,それぞれの場面に応じてすぐに役立つ実践的な企画となっている.本企画が,皮膚外用剤の適正使用に役立つことで患者の福音となることを願う.

佐々木研究所 研究事務室長
大谷道輝
目次
■トリセツ1 皮膚外用剤を知りたい人へ
1.まずは皮膚外用剤の構成,基剤や剤形を知ろう!
  Point1 皮膚外用剤は主薬以外の理解が重要だ
  Point2 軟膏剤やクリーム剤以外に知っておくべき剤形がある
  Point3 添加物を知ると添付文書はもっと使える
2.よく使う剤形を押さえる!
  Point1 軟膏剤:保護作用があり皮膚の状態が悪くても使える
  Point2 クリーム剤:使用感や透過に優れるが,軟膏より適応は限られる
  Point3 ゲル剤:水性ゲルと油性ゲルの違いを押さえよう!
  Point4 ローション剤:頭部などの有毛部以外にも有用
  Point5 スプレー剤:アドヒアランス改善に第一選択

■トリセツ2 皮膚外用剤を選ぶ人へ
 皮膚症状にあわせた剤形を選択するために
  Point1 皮膚の状態をチェックする
  Point2 皮膚の状態に適した剤形を選ぶ
  Point3 外用部位に適した剤形を選ぶ

■トリセツ3 皮膚外用剤を説明する人へ
1.塗布と塗擦の違いを理解して正しい指導を
  Point1 ステロイド外用剤は単純塗布が基本
  Point2 保湿剤や消炎鎮痛外用剤は塗擦がおすすめ
  Point3 重層療法でステロイド外用剤の効果アップを
  Point4 密封療法ができる・できない皮膚外用剤を判別する
2.副作用の接触皮膚炎を避けるために
  Point1 接触皮膚炎の原因・分類・症状・治療を知る
  Point2 注意すべき皮膚外用剤と症状から推論する
  Point3 添加物にまで気を配る

■トリセツ4 皮膚外用剤を混合・希釈する人へ
 混合・希釈は主薬の溶解性と基剤で考える
  Point1 水と油は混ざらない,外用剤も水と油に分ける
  Point2 軟膏とクリームの混合は,透過性が変化する
  Point3 液滴分散型軟膏の混合は避ける
  Point4 混合後の含量低下に注意
  Point5 後発医薬品への切り替えは要注意
  Point6 配合変化のデータを正しく利用する

取扱注意事項
・基剤・剤形の判別は透明感と水洗で!
・軟膏壺は遮光ではない 保存には注意を!
・水疱瘡にカチリは禁忌!?
・ハンドクリームは自己血糖測定に影響あり!
・モイゼルト軟膏は使用後も避妊を!
・ボチシートの活用
・降伏値とチキソトロピーから使用感をイメージする
・ワセリンは日焼けを防ぐ!

Series
・最近のコクシ「皮膚とくすり」
・ハマゾン.co.jp「皮膚は最強の臓器」
・漢方検分録 ケースで学ぶ漢方薬の安全チェック「皮膚に使用する漢方薬の安全性と服薬指導」
・プレイバック物化生「遺伝情報は,どのように発現するの?」

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・家で診ていく誤嚥性肺炎(南山堂)
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