臨床現場で注目されている薬剤や疾患を取り上げ、新人薬剤師には「やさしく」、先輩薬剤師には「くわしく・強くなる」をコンセプトに解説します。薬剤業務の悩みを解消、臨床力も磨けます。
年4回刊:1/4/7/10月の1日発行 B5判オールカラー 定価:1,320円(本体1,200円+税10%)
臨床現場で注目されている薬剤や疾患を取り上げ、新人薬剤師には「やさしく」、先輩薬剤師には「くわしく・強くなる」をコンセプトに解説します。薬剤業務の悩みを解消、臨床力も磨けます。
年4回刊:1/4/7/10月の1日発行 B5判オールカラー 定価:1,320円(本体1,200円+税10%)
整形外科領域の痛みをおさえる 鎮痛薬 シニア・レシピ
ISBN 978-4-525-92243-6
定価
1,320円(本体 1,200円+税10%)
大井一弥/村上 理/浜田康次/青島周一/村阪敏規/浅井考介/柴田奈央/榎屋友幸/朝居祐貴/宮崎雅之/竹内佐織/新井さやか/中川貴之/赤瀬朋秀/島﨑 学
- 序文
- 目次
序文
痛みは,日常的に発現するありふれた症候であるが,痛む当事者にとってADLやQOLの低下など,苦痛を強いられるものの一つと言える.
日本において,慢性痛の有訴者数は,約2,300万人と推定されている.このことから,中高年などの現役世代でも仕事をしながら痛みを抱えている現状が推察できる.しかし医療の進展が著しい今日であっても痛みを定量的に計測することはできないため,他者からその苦痛が理解されにくい面がある.このような慢性痛は,侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,心理社会性疼痛の3つに大別される.とくに心理社会面からくる疼痛は,抑うつ傾向や睡眠障害など精神的な要因が痛みに繋がっていると考えられている.そのため有効的な治療法は,薬物療法だけではないことも知られている.
慢性痛は,痛みが持続していること,もしくは進行性の非がん性疾患に関する痛みと定義される.
日本は,超高齢社会の真っ只中であるために,慢性痛の患者数も今後増加の一途をたどると考えられる.高齢者は,加齢とともに老年症候群に加えて痛みを伴う疾患に罹患しやすくなり,必然的に多くの薬を服用している現状にある.
高齢者の多くは,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に頼る傾向が強く,貼付剤では,全体の使用量が80%にも上るようである.
NSAIDsは,プロスタグランジン産生抑制によるブラジキニンによる痛みの感受性を抑制することで鎮痛効果を発揮するものの,NSAIDsの長期投与は,適正使用であるとは言い難い.とくに腎機能低下時には,腎血流量のさらなる低下により薬物有害事象に繋がりやすいことも考えなければならない.
近年プレガバリン,ガバペンチン,ミロガバリン,デュロキセチン,トラゾドンなど慢性疼痛に使用可能な薬剤の選択肢は増えている.一方でわれわれは,痛みが抑えられていない現状も再認識しなければならない.本企画では,あらためて痛みを軽減させるために何ができるか,医薬品適正使用に加えて指導や管理についても,再考するにふさわしい内容に仕上がっている.
鈴鹿医療科学大学薬学部 教授
大井一弥
日本において,慢性痛の有訴者数は,約2,300万人と推定されている.このことから,中高年などの現役世代でも仕事をしながら痛みを抱えている現状が推察できる.しかし医療の進展が著しい今日であっても痛みを定量的に計測することはできないため,他者からその苦痛が理解されにくい面がある.このような慢性痛は,侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,心理社会性疼痛の3つに大別される.とくに心理社会面からくる疼痛は,抑うつ傾向や睡眠障害など精神的な要因が痛みに繋がっていると考えられている.そのため有効的な治療法は,薬物療法だけではないことも知られている.
慢性痛は,痛みが持続していること,もしくは進行性の非がん性疾患に関する痛みと定義される.
日本は,超高齢社会の真っ只中であるために,慢性痛の患者数も今後増加の一途をたどると考えられる.高齢者は,加齢とともに老年症候群に加えて痛みを伴う疾患に罹患しやすくなり,必然的に多くの薬を服用している現状にある.
高齢者の多くは,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に頼る傾向が強く,貼付剤では,全体の使用量が80%にも上るようである.
NSAIDsは,プロスタグランジン産生抑制によるブラジキニンによる痛みの感受性を抑制することで鎮痛効果を発揮するものの,NSAIDsの長期投与は,適正使用であるとは言い難い.とくに腎機能低下時には,腎血流量のさらなる低下により薬物有害事象に繋がりやすいことも考えなければならない.
近年プレガバリン,ガバペンチン,ミロガバリン,デュロキセチン,トラゾドンなど慢性疼痛に使用可能な薬剤の選択肢は増えている.一方でわれわれは,痛みが抑えられていない現状も再認識しなければならない.本企画では,あらためて痛みを軽減させるために何ができるか,医薬品適正使用に加えて指導や管理についても,再考するにふさわしい内容に仕上がっている.
鈴鹿医療科学大学薬学部 教授
大井一弥
目次
■おさえておきたい! 高齢者の痛みのコト
1.キホンをおさらい 慢性疼痛の疫学と要因
2.キチンと知りたい 慢性疼痛の評価法と治療・薬学管理
■適剤適処! 鎮痛薬のトリセツ
「使い方編」
No. 1 NSAIDs
No. 2 アセトアミノフェン
No. 3 弱オピオイド
No. 4 Caチャネル阻害薬
No. 5 抗うつ薬
No. 6 漢方薬
No. 7 痛みによる使い分けは?
No. 8 さらに特徴をおさえよう
「エビデンス編」
No. 1 慢性疼痛に対するNSAIDsの効果
No. 2 慢性疼痛に対するアセトアミノフェン
No. 3 (非がん性)慢性疼痛に対するオピオイド製剤
No. 4 神経障害性疼痛に対するガバペンチノイド
No. 5 神経障害性疼痛に対する抗うつ薬
■基礎薬学からも「いたみをみたい」
1.痛み止めのかたち
2.非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)のかたち
3.ステロイド系消炎鎮痛薬のかたち
4.Caチャネル阻害薬のかたち
5.オピオイド製剤のかたち
6.セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のかたち
7.その他の鎮痛薬のかたち(アセトアミノフェン,ノイロトロピン)
■脱・マンネリ化! 鎮痛薬 シニア・レシピの指導&管理
1.高用量アセトアミノフェン投与時の薬剤管理は?
2.NSAIDs服用時の副作用とその対策は?
3.心不全患者へのNSAIDsの投与設計は? 服薬指導は?
4.トラマドール/アセトアミノフェン配合剤の投与設計は? 飲み始めの留意点は?
5.プレガバリン・ミロガバリンの投与設計は? 使い分けは?
6.糖尿病患者へのプレガバリンの服薬指導は?
7.プレガバリンの長期服用により肥満の兆候が現れたら?
8.デュロキセチンの投与設計は? 画一的な増量は必要?
9.デュロキセチンの投与時に確認すべき基礎疾患は?
10.「依存性がある」と誤解されている鎮痛薬の服薬指導は?
Series
・最近のコクシ「鎮痛薬」
・ハマゾン.co.jp「痛みって,本当に不思議!」
・漢方検分録 ケースで学ぶ漢方薬の安全チェック「ブシの副作用に注意する」
・プレイバック物化生「分離精製のプロ:クロマトグラフィー Part.1」
巻末付録
・医薬品集 カスタマイズツール「適剤適処!鎮痛薬トリセツカード」
1.キホンをおさらい 慢性疼痛の疫学と要因
2.キチンと知りたい 慢性疼痛の評価法と治療・薬学管理
■適剤適処! 鎮痛薬のトリセツ
「使い方編」
No. 1 NSAIDs
No. 2 アセトアミノフェン
No. 3 弱オピオイド
No. 4 Caチャネル阻害薬
No. 5 抗うつ薬
No. 6 漢方薬
No. 7 痛みによる使い分けは?
No. 8 さらに特徴をおさえよう
「エビデンス編」
No. 1 慢性疼痛に対するNSAIDsの効果
No. 2 慢性疼痛に対するアセトアミノフェン
No. 3 (非がん性)慢性疼痛に対するオピオイド製剤
No. 4 神経障害性疼痛に対するガバペンチノイド
No. 5 神経障害性疼痛に対する抗うつ薬
■基礎薬学からも「いたみをみたい」
1.痛み止めのかたち
2.非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)のかたち
3.ステロイド系消炎鎮痛薬のかたち
4.Caチャネル阻害薬のかたち
5.オピオイド製剤のかたち
6.セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のかたち
7.その他の鎮痛薬のかたち(アセトアミノフェン,ノイロトロピン)
■脱・マンネリ化! 鎮痛薬 シニア・レシピの指導&管理
1.高用量アセトアミノフェン投与時の薬剤管理は?
2.NSAIDs服用時の副作用とその対策は?
3.心不全患者へのNSAIDsの投与設計は? 服薬指導は?
4.トラマドール/アセトアミノフェン配合剤の投与設計は? 飲み始めの留意点は?
5.プレガバリン・ミロガバリンの投与設計は? 使い分けは?
6.糖尿病患者へのプレガバリンの服薬指導は?
7.プレガバリンの長期服用により肥満の兆候が現れたら?
8.デュロキセチンの投与設計は? 画一的な増量は必要?
9.デュロキセチンの投与時に確認すべき基礎疾患は?
10.「依存性がある」と誤解されている鎮痛薬の服薬指導は?
Series
・最近のコクシ「鎮痛薬」
・ハマゾン.co.jp「痛みって,本当に不思議!」
・漢方検分録 ケースで学ぶ漢方薬の安全チェック「ブシの副作用に注意する」
・プレイバック物化生「分離精製のプロ:クロマトグラフィー Part.1」
巻末付録
・医薬品集 カスタマイズツール「適剤適処!鎮痛薬トリセツカード」