カテゴリー: 解剖学
解剖実習の手びき
改訂11版
北里大学 名誉教授 寺田春水 著
新潟大学 名誉教授 藤田恒夫 著
定価
8,030円(本体 7,300円 +税10%)
- B5判 430頁
- 2004年1月 発行
- ISBN 978-4-525-10311-8
定評の解剖学実習書.豊富な図と説明的な図によって,実習のポイントをつかみやすい.構造の概念や解剖の手順をより懇切に解説してある.また,近年 実習時間の短縮にともない,その補習にも役立つように,解説をより詳しくした.
- 序文
- 目次
序文
1962年に本書の初版が出てから,実に 42年もの年月が経過した.この間 ほとんど毎年の増刷のたびに 誤植や記載の訂正がされ,小改訂も数回行なわれたが,全面的な組み直しを伴う大改訂は,1994年の改訂に次いで 今回が 4度目である.
今回の改訂に先立って,本書を指定実習書としておられる各大学の教官を主な対象として,本書の要修正点に関するアンケート調査を 南山堂編集部にしてもらった.アンケートの設問は精細なものであったが,約30大学の教官諸氏から回答を得た.また,以前 日本解剖学会において,本書に関する 約70項目にも及ぶ詳細な調査報告があった.これらを検討した結果をふまえて,その要望事項に少しでも応えられるように,次の諸点を 今回の改訂の重点とした.
1) 省略できる箇所の明示:各大学ともに解剖実習の時間数が大幅に圧縮されつつあり,所定の時間内に本書の内容をこなしきれない大学が多くなっている.そのために,解剖の手順の中で 省略可能な箇所を,「時間に余裕があれば……」 という表現で明示した.
2) 生体観察事項の追加:自分や友人の体で観察できる項目の説明を積極的に取り入れた.これらは必ずしも解剖実習室内で観察する必要はないので,実習時間には影響しないで予習ないし復習できると思う.
3) 「中活字」 の新設:本文の活字 (9ポイント,13級) と 臨床的説明などの小活字 (8ポイント,12級) の中間になる 「中活字」 (8.5ポイント,12.5級) を新たに作って,省略可能箇所と 生体観察的事項 の解説のために用いた.
4) 総論的説明の追加:総論的な講義を行なわないままに解剖実習に入ってしまう大学が多くなっているので,本書の内容説明を理解しにくい学生がいることが わかった.そのために,解剖手順に入る前に 総論的な説明文を なるべく入れるようにした.
5) 臨床的説明の整理拡充:時代遅れとなった検査法や診断法を削除し,CT,MRI,fMRIなどの新検査法と入れ替えた.また,最新の臨床的情報には,著者名と年号を出典として記載するようにした.
6) ルビの増加:最近の学生は漢字力が落ちているので,漢字用語には なるべく 振り仮名(ルビ) を付けるようにした.
7) 変異の頻度表示:色々な文献を勘案して,変異の頻度に %の幅を持たせた.
8) きゅうけいしつ:話題を一部入れ替え,記載の内容も現今の知見にあわせて訂正した.
9) 図のカラー化:近年の印刷技術の進歩を受けて,出来るだけ多くの図を色彩版にし,理解を助けるように心掛けた.
今回の改訂によって,多少は実習時間の節減ができたと思うが,それでもまだ解剖内容が多すぎるという批判は残りそうである.指導教官の各位が適宜に省略されて,各大学での実習時間数に対応できるように善処されることを期待する.
全国の解剖学教官諸氏や学生諸君からは,旧版の誤植や記述の誤りに関する多くのご指摘のほかに,建設的なご意見が寄せられた.これらの大部分は この改訂の中に盛り込まれているが,ここに感謝の意を表するとともに,今後ともご鞭撻とご叱正をお願いする次第である.また 指導教官や学生諸君からの 著者あての便りも 大いに歓迎します.
2003年11月 著者
今回の改訂に先立って,本書を指定実習書としておられる各大学の教官を主な対象として,本書の要修正点に関するアンケート調査を 南山堂編集部にしてもらった.アンケートの設問は精細なものであったが,約30大学の教官諸氏から回答を得た.また,以前 日本解剖学会において,本書に関する 約70項目にも及ぶ詳細な調査報告があった.これらを検討した結果をふまえて,その要望事項に少しでも応えられるように,次の諸点を 今回の改訂の重点とした.
1) 省略できる箇所の明示:各大学ともに解剖実習の時間数が大幅に圧縮されつつあり,所定の時間内に本書の内容をこなしきれない大学が多くなっている.そのために,解剖の手順の中で 省略可能な箇所を,「時間に余裕があれば……」 という表現で明示した.
2) 生体観察事項の追加:自分や友人の体で観察できる項目の説明を積極的に取り入れた.これらは必ずしも解剖実習室内で観察する必要はないので,実習時間には影響しないで予習ないし復習できると思う.
3) 「中活字」 の新設:本文の活字 (9ポイント,13級) と 臨床的説明などの小活字 (8ポイント,12級) の中間になる 「中活字」 (8.5ポイント,12.5級) を新たに作って,省略可能箇所と 生体観察的事項 の解説のために用いた.
4) 総論的説明の追加:総論的な講義を行なわないままに解剖実習に入ってしまう大学が多くなっているので,本書の内容説明を理解しにくい学生がいることが わかった.そのために,解剖手順に入る前に 総論的な説明文を なるべく入れるようにした.
5) 臨床的説明の整理拡充:時代遅れとなった検査法や診断法を削除し,CT,MRI,fMRIなどの新検査法と入れ替えた.また,最新の臨床的情報には,著者名と年号を出典として記載するようにした.
6) ルビの増加:最近の学生は漢字力が落ちているので,漢字用語には なるべく 振り仮名(ルビ) を付けるようにした.
7) 変異の頻度表示:色々な文献を勘案して,変異の頻度に %の幅を持たせた.
8) きゅうけいしつ:話題を一部入れ替え,記載の内容も現今の知見にあわせて訂正した.
9) 図のカラー化:近年の印刷技術の進歩を受けて,出来るだけ多くの図を色彩版にし,理解を助けるように心掛けた.
今回の改訂によって,多少は実習時間の節減ができたと思うが,それでもまだ解剖内容が多すぎるという批判は残りそうである.指導教官の各位が適宜に省略されて,各大学での実習時間数に対応できるように善処されることを期待する.
全国の解剖学教官諸氏や学生諸君からは,旧版の誤植や記述の誤りに関する多くのご指摘のほかに,建設的なご意見が寄せられた.これらの大部分は この改訂の中に盛り込まれているが,ここに感謝の意を表するとともに,今後ともご鞭撻とご叱正をお願いする次第である.また 指導教官や学生諸君からの 著者あての便りも 大いに歓迎します.
2003年11月 著者
目次
実習の進めかた
実習に必要なもの
くびと体幹の浅層
§ 1 くび・胸・腹部の体表観察と皮切り
§ 2 広頚筋と乳腺
§ 3 胸腹部の皮静脈と皮神経
§ 4 大胸筋と外腹斜筋
§ 5 頚神経叢の枝と胸鎖乳突筋
§ 6 背なかの皮切り
§ 7 背なかの浅筋
§ 8 くびのやや深層
§ 9 胸部の深層と腋窩
§ 10 鎖骨下動静脈とその枝
上 肢
§ 11 うでの皮切りと腕神経叢
§ 12 上腕屈側の筋と神経
§ 13 肩甲骨の前面の筋
§ 14 上腕伸側と肩甲骨背面の筋
§ 15 上肢の切り離し
§ 16 前腕屈側の浅い層
§ 17 前腕の伸側と手背
§ 18 手のひらの皮切りと手掌腱膜
§ 19 手のひらの浅い層
§ 20 手の深い層
§ 21 上肢の血管と神経のまとめ
§ 22 肩の関節と その周辺
§ 23 ひじの関節
§ 24 手くびの関節
§ 25 手と指の関節
体 壁
§ 26 胸腰筋膜と固有背筋
§ 27 後頭下の筋
§ 28 脊 髄
§ 29 胸 壁
§ 30 鼡径部と側腹筋群
§ 31 腹直筋鞘
§ 32 横筋筋膜と腹膜
§ 33 臍
§ 34 腹部内臓の 自然位での観察
胸 腔
§ 35 胸腔を開く
§ 36 胸膜と心膜
§ 37 肺
§ 38 くびの根もとの深層
§ 39 縦 隔
§ 40 心臓の外景
§ 41 心臓の内景
§ 42 縦隔の深部
腹 腔
§ 43 腹部内臓の位置
§ 44 腹膜と腹膜腔
§ 45 腹部内臓に分布する血管と神経
§ 46 空腸と回腸と結腸
§ 47 胃
§ 48 肝 臓
§ 49 十二指腸・膵臓・脾臓
§ 50 腎臓と副腎
§ 51 後胸壁と後腹壁
§ 52 横隔膜と腰神経叢
下 肢
§ 53 下肢の皮静脈と皮神経
§ 54 大腿筋膜と大殿筋
§ 55 大腿前面の深層
§ 56 殿部の深層
§ 57 大腿後面の深層
§ 58 膝窩と下腿後面
§ 59 下腿の前面と足背
§ 60 足 底
§ 61 下腿の最深層
§ 62 膝の関節
§ 63 足の関節
骨 盤
§ 64 膀胱とその周辺
§ 65m 男性の外陰部と精巣
§ 65f 女性の外陰部
§ 66m 男性の会陰
§ 66f 女性の会陰
§ 67 骨盤の切半
§ 68m 男性の骨盤内臓の位置
§ 68f 女性の骨盤内臓の位置
§ 69 骨盤の血管と神経
§ 70m 男性の骨盤内臓
§ 70f 女性の骨盤内臓
§ 71 骨盤壁の筋と股関節
あ た ま
§ 72 くび の深層
§ 73 顔の浅層
§ 74 咽 頭
§ 75 甲状腺と気管
§ 76 喉 頭
§ 77 脳出し
§ 78 頭蓋の内面
§ 79 あたまの切半と口腔
§ 80 鼻腔と咽頭鼻部
§ 81 咀嚼筋と下顎管
§ 82 顎関節と側頭下窩
§ 83 舌と口蓋
§ 84 副鼻腔と翼口蓋神経節
§ 85 眼球を前から見る
§ 86 眼窩の内容
§ 87 眼球など
§ 88 舌下神経管と頚静脈孔
§ 89 外耳と中耳
§ 90 内 耳
§ 91 翼突管と頚動脈管と耳神経節
脳
§ 92 脳の概観
§ 93 脳クモ膜と脳軟膜
§ 94 脳の血管
§ 95 脳神経の根
§ 96 脳幹の外面
§ 97 小 脳
§ 98 第4脳室
§ 99 延髄と橋
§ 100 脳幹と小脳の横断面
§ 101 大脳の切半と第3脳室
§ 102 大脳皮質
§ 103 嗅脳とその付近
§ 104 大脳の連合線維と レンズ核
§ 105 側脳室と尾状核
§ 106 間 脳
§ 107 大脳と間脳の断面
実習に必要なもの
くびと体幹の浅層
§ 1 くび・胸・腹部の体表観察と皮切り
§ 2 広頚筋と乳腺
§ 3 胸腹部の皮静脈と皮神経
§ 4 大胸筋と外腹斜筋
§ 5 頚神経叢の枝と胸鎖乳突筋
§ 6 背なかの皮切り
§ 7 背なかの浅筋
§ 8 くびのやや深層
§ 9 胸部の深層と腋窩
§ 10 鎖骨下動静脈とその枝
上 肢
§ 11 うでの皮切りと腕神経叢
§ 12 上腕屈側の筋と神経
§ 13 肩甲骨の前面の筋
§ 14 上腕伸側と肩甲骨背面の筋
§ 15 上肢の切り離し
§ 16 前腕屈側の浅い層
§ 17 前腕の伸側と手背
§ 18 手のひらの皮切りと手掌腱膜
§ 19 手のひらの浅い層
§ 20 手の深い層
§ 21 上肢の血管と神経のまとめ
§ 22 肩の関節と その周辺
§ 23 ひじの関節
§ 24 手くびの関節
§ 25 手と指の関節
体 壁
§ 26 胸腰筋膜と固有背筋
§ 27 後頭下の筋
§ 28 脊 髄
§ 29 胸 壁
§ 30 鼡径部と側腹筋群
§ 31 腹直筋鞘
§ 32 横筋筋膜と腹膜
§ 33 臍
§ 34 腹部内臓の 自然位での観察
胸 腔
§ 35 胸腔を開く
§ 36 胸膜と心膜
§ 37 肺
§ 38 くびの根もとの深層
§ 39 縦 隔
§ 40 心臓の外景
§ 41 心臓の内景
§ 42 縦隔の深部
腹 腔
§ 43 腹部内臓の位置
§ 44 腹膜と腹膜腔
§ 45 腹部内臓に分布する血管と神経
§ 46 空腸と回腸と結腸
§ 47 胃
§ 48 肝 臓
§ 49 十二指腸・膵臓・脾臓
§ 50 腎臓と副腎
§ 51 後胸壁と後腹壁
§ 52 横隔膜と腰神経叢
下 肢
§ 53 下肢の皮静脈と皮神経
§ 54 大腿筋膜と大殿筋
§ 55 大腿前面の深層
§ 56 殿部の深層
§ 57 大腿後面の深層
§ 58 膝窩と下腿後面
§ 59 下腿の前面と足背
§ 60 足 底
§ 61 下腿の最深層
§ 62 膝の関節
§ 63 足の関節
骨 盤
§ 64 膀胱とその周辺
§ 65m 男性の外陰部と精巣
§ 65f 女性の外陰部
§ 66m 男性の会陰
§ 66f 女性の会陰
§ 67 骨盤の切半
§ 68m 男性の骨盤内臓の位置
§ 68f 女性の骨盤内臓の位置
§ 69 骨盤の血管と神経
§ 70m 男性の骨盤内臓
§ 70f 女性の骨盤内臓
§ 71 骨盤壁の筋と股関節
あ た ま
§ 72 くび の深層
§ 73 顔の浅層
§ 74 咽 頭
§ 75 甲状腺と気管
§ 76 喉 頭
§ 77 脳出し
§ 78 頭蓋の内面
§ 79 あたまの切半と口腔
§ 80 鼻腔と咽頭鼻部
§ 81 咀嚼筋と下顎管
§ 82 顎関節と側頭下窩
§ 83 舌と口蓋
§ 84 副鼻腔と翼口蓋神経節
§ 85 眼球を前から見る
§ 86 眼窩の内容
§ 87 眼球など
§ 88 舌下神経管と頚静脈孔
§ 89 外耳と中耳
§ 90 内 耳
§ 91 翼突管と頚動脈管と耳神経節
脳
§ 92 脳の概観
§ 93 脳クモ膜と脳軟膜
§ 94 脳の血管
§ 95 脳神経の根
§ 96 脳幹の外面
§ 97 小 脳
§ 98 第4脳室
§ 99 延髄と橋
§ 100 脳幹と小脳の横断面
§ 101 大脳の切半と第3脳室
§ 102 大脳皮質
§ 103 嗅脳とその付近
§ 104 大脳の連合線維と レンズ核
§ 105 側脳室と尾状核
§ 106 間 脳
§ 107 大脳と間脳の断面