The Frontiers in Life Sciencesシリーズ
がん免疫療法のメカニズム解明と臨床への展開
がんと免疫
1版
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 教授 坂口志文 編集
国立がん研究センター 先端医療開発センター分野長 西川博嘉 編集
定価
5,500円(本体 5,000円 +税10%)
- B5判 192頁
- 2015年10月 発行
- ISBN 978-4-525-13471-6
抗PD-1抗体,抗CTLA-4抗体,CAR導入T細胞療法をわかりやすく解説!
抗PD-1抗体,抗CTLA-4抗体など免疫チェックポイント阻害剤やCAR-T細胞療法をはじめ,新規の分子を標的とするがん免疫療法が展開され,今後ニボルマブ,イピリムマブの適応拡大が期待されている.がんに対する免疫系の制御メカニズムの解明から新たな治療法の展開まで,第一線の研究者がわかりやすく解説した待望の一冊.
- 序文
- 目次
序文
現在,日本人の約半数が悪性腫瘍(がん)に罹患する.がんは日本人の死亡原因の3割を超え,年々増加傾向にあり,まさに“国民病”である.がんの三大標準治療である外科療法,化学療法,放射線療法はそれぞれ目覚ましい進歩を遂げているものの,“がん”の完全治癒はまだ困難であるのが現状であり,より効果的ながん治療法の開発が喫緊の課題である.そのようななか,がん細胞が免疫監視機構を逃避する仕組みの解明が進み,それらを標的とした,これまでとはまったく異なるアプローチによるがん治療,“がん免疫療法”の開発が進んでいる.
とくに,免疫チェックポイント分子とよばれる,免疫応答を負に制御する分子に対するモノクローナル抗体(抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体など)およびT細胞療法〔キメラ抗原受容体(CAR)導入T細胞など〕が,悪性黒色腫(メラノーマ),非小細胞肺がんおよび血液悪性腫瘍などで劇的な抗腫瘍効果を示したことで臨床応用が進み,がん免疫分野は新たな時代に入ったといえる.わが国でも,がんペプチドワクチン療法にはじまり,免疫チェックポイント阻害剤が臨床応用へとつながることで,がん免疫治療は新たな展開をみせている.さらに,制御性T細胞をはじめとするがん局所での免疫抑制機構に焦点をあてた研究は,世界的にも急速な進展をみせ,現在,臨床応用がはじまろうとしている.
一方,がん免疫療法の臨床への展開に伴い,既存のがん治療における免疫担当細胞の役割にも注目が集まり,がん治療全体を考えるうえでも,がんに対する免疫応答の理解が,より重要な要素となってきている.
このような現状をふまえ,本書では,がんに対する免疫応答研究の歴史から昨今の臨床応用を含めた急速な進展を取り上げることとした.本研究領域に意欲的に取り組まれている第一線の研究者の方々にご尽力いただき,がん免疫分野における新しいパラダイムの誕生を感じることができる充実した内容になったと自負している.本書ががん免疫に関する研究の基礎から臨床応用までの理解につながり,がん免疫研究の発展,がんの治癒を目指した効果的な次世代がん免疫療法の開発・確立につながる礎となることを願っている.
2015年9月
編者
とくに,免疫チェックポイント分子とよばれる,免疫応答を負に制御する分子に対するモノクローナル抗体(抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体など)およびT細胞療法〔キメラ抗原受容体(CAR)導入T細胞など〕が,悪性黒色腫(メラノーマ),非小細胞肺がんおよび血液悪性腫瘍などで劇的な抗腫瘍効果を示したことで臨床応用が進み,がん免疫分野は新たな時代に入ったといえる.わが国でも,がんペプチドワクチン療法にはじまり,免疫チェックポイント阻害剤が臨床応用へとつながることで,がん免疫治療は新たな展開をみせている.さらに,制御性T細胞をはじめとするがん局所での免疫抑制機構に焦点をあてた研究は,世界的にも急速な進展をみせ,現在,臨床応用がはじまろうとしている.
一方,がん免疫療法の臨床への展開に伴い,既存のがん治療における免疫担当細胞の役割にも注目が集まり,がん治療全体を考えるうえでも,がんに対する免疫応答の理解が,より重要な要素となってきている.
このような現状をふまえ,本書では,がんに対する免疫応答研究の歴史から昨今の臨床応用を含めた急速な進展を取り上げることとした.本研究領域に意欲的に取り組まれている第一線の研究者の方々にご尽力いただき,がん免疫分野における新しいパラダイムの誕生を感じることができる充実した内容になったと自負している.本書ががん免疫に関する研究の基礎から臨床応用までの理解につながり,がん免疫研究の発展,がんの治癒を目指した効果的な次世代がん免疫療法の開発・確立につながる礎となることを願っている.
2015年9月
編者
目次
第1章 概論 (西川博嘉)
1-1 がん免疫研究の歴史と展開
1-2 がんに対する免疫応答
1. 抗腫瘍免疫応答
1)自然免疫
2)獲得免疫
2. 腫瘍免疫制御
1-3 治療への応用
第Ⅰ部 抗腫瘍免疫応答
第2章 がんの免疫監視機構からがん免疫編集 (池田裕明)
2-1 がんの免疫監視機構の概念の提唱と議論
2-2 がんの免疫監視機構の再考とがん免疫編集仮説の提唱
2-3 がんの免疫監視機構の存在に対する批判と反証
2-4 ヒトにおけるがんの免疫監視機構
2-5 免疫監視機構にかかわる抗原の探索
2-6 ヒトのがん免疫療法におけるネオ抗原の意義
〔自然免疫〕
第3章 NK細胞 (小笠原康悦)
3-1 NK細胞とは
1. NK細胞の特徴
2. NK細胞の標的細胞認識機構
3-2 腫瘍免疫におけるNK細胞
1. サイトカインによるNK細胞の活性化
2. 活性化受容体NKG2Dとその役割
3. NK細胞とがん細胞との攻防
第4章 腫瘍免疫におけるNKT細胞の役割と臨床応用 (本橋新一郎 中山俊憲)
4-1 NKT細胞の分類
4-2 担がん症例におけるiNKT細胞の機能
4-3 iNKT細胞を用いた免疫細胞療法の臨床研究
1. 肺がんに対するiNKT細胞を用いた免疫細胞療法
2. 頭頸部がんに対するiNKT細胞を用いた免疫細胞療法
3. 先進医療としてのα-GalCerパルス樹状細胞療法
4. iNKT細胞を標的とした免疫細胞治療の今後の展開
第5章 自然リンパ球の機能と腫瘍形成 (廣田圭司)
5-1 ILC1の抗腫瘍活性?
5-2 ILC2の機能と腫瘍組織に与える影響
5-3 ILC3の機能と腫瘍形成
第6章 がんの免疫アジュバント療法 (瀬谷 司 松本美佐子)
6-1 抗がん免疫アジュバントの歴史
6-2 抗原提示樹状細胞のPRR
6-3 腫瘍関連マクロファージのPRR
6-4 腫瘍細胞のアジュバント応答
〔獲得免疫〕
第7章 がん抗原 (中山睿一)
7-1 免疫監視機構
7-2 がん抗原の発見
7-3 がん・精巣抗原(CT抗原)
7-4 ミュータノーム
第8章 がんに対するT細胞応答 (西川博嘉)
8-1 T細胞サブセット
1. 細胞傷害性T細胞(CTL)
2. ヘルパーT細胞(Th)
3. 制御性T細胞(Treg)
4. γδ T細胞
8-2 T細胞受容体(TCR)
8-3 T細胞活性化
8-4 がん抗原に対するT細胞応答
第9章 腫瘍免疫微小環境 (河上 裕)
9-1 がん関連微小環境におけるがん細胞促進的,免疫抑制的な環境
9-2 がん関連微小環境における免疫状態の個人差と腫瘍浸潤T細胞のがん治療への関与
9-3 抗腫瘍T細胞誘導系に関与するがん免疫病態とその機序
1. がん細胞のパッセンジャー突然変異に由来するネオ抗原に対する抗腫瘍T細胞の誘導
2. がん細胞の遺伝子異常によるケモカイン・サイトカイン産生低下による腫瘍浸潤T細胞の減少
9-4 抗腫瘍免疫抑制系に関与するがん免疫病態とその機序
1. 抗腫瘍T細胞を起点とした免疫抑制
2. がん細胞の遺伝子異常を起点とした免疫抑制
第10章 樹状細胞の生物学的特徴と樹状細胞標的療法の進歩 (藤井眞一郎)
10-1 樹状細胞の生物学的特徴
1. 樹状細胞の生理学的機能
2. 樹状細胞のサブセット
10-2 樹状細胞によるがんワクチン療法
1. ex vivo樹状細胞療法と問題点
2. in vivo樹状細胞標的ワクチンの開発:生体内の樹状細胞への抗原輸送
第11章 B細胞による腫瘍制御 (馬場義裕)
11-1 液性免疫とがん
11-2 B細胞による腫瘍免疫抑制
1. IL-10産生制御性B細胞
2. TGF-β産生制御性B細胞
3. その他のサイトカイン産生B細胞
11-3 B細胞によるがん細胞活性化
11-4 腫瘍免疫を正に制御するB細胞
第Ⅱ部 腫瘍免疫制御
第12章 制御性T細胞と腫瘍免疫 (坂口志文)
12-1 免疫自己寛容,腫瘍免疫とTreg
12-2 Treg機能の分子的基礎
12-3 生体内での腫瘍反応性T細胞の免疫状態
12-4 ヒトFoxp3+T細胞サブセットと腫瘍免疫応答
12-5 Tregを標的とした新しいがん免疫療法の確立に向けて
第13章 骨髄由来抑制細胞(MDSC) (垣見和宏 宮井まなみ)
13-1 MDSCのマーカーとサブセット
13-2 MDSCが腫瘍に集積するメカニズムと腫瘍内微小環境の形成
13-3 MDSCの免疫抑制作用とメカニズム
13-4 MDSCを標的とする治療
第14章 マクロファージの分化機構とがんにおける役割 (三野享史 竹内 理)
14-1 マクロファージの病原体認識機構
14-2 組織常在性マクロファージの分化機構
14-3 組織侵襲に対するM1マクロファージ,M2マクロファージの分化
14-4 腫瘍進行における腫瘍関連マクロファージ(TAM)の役割
14-5 TAMを標的としたがん治療
第15章 がん免疫における共刺激分子,共抑制分子と免疫チェックポイント (猪爪隆史 島田眞路)
15-1 がん免疫と免疫チェックポイント分子を介した免疫抑制
15-2 がん免疫に関与する共刺激分子,共抑制分子
1. CD28ファミリー
CTLA-4/PD-1/ICOS/TIGIT
2. TNF受容体スーパーファミリー
CD27/4-1BB/OX40/GITR
3. その他
CD226/BTLA/TIM-3/LAG-3
第Ⅲ部 治療への応用
第16章 遺伝子操作T細胞療法 ─CAR-T遺伝子治療を中心に─ (小澤敬也)
16-1 CAR-T遺伝子治療の基本コンセプト
16-2 CAR-T遺伝子治療とTCR遺伝子治療
16-3 B細胞性腫瘍に対するCAR-T遺伝子治療の臨床試験
16-4 CAR-T遺伝子治療の副作用と対策
16-5 CAR-T遺伝子治療の今後の展開
第17章 iPS細胞技術を用いたがん抗原特異的T細胞のクローニングと再生 ─他家移植の系で使えるT細胞製剤の開発に向けて─ (河本 宏 前田卓也 増田喬子)
17-1 T細胞をうまく使えばがんを治すことができる
17-2 リプログラミング技術を利用したT細胞のクローニング
17-3 他家移植への応用
17-4 臨床応用へ向けての留意点
17-5 具体的な計画と進捗状況
第18章 抗体療法(免疫チェックポイント阻害療法) (北野滋久 玉田耕治)
18-1 T細胞の活性化を制御する共刺激(活性,抑制)分子群
1. 免疫チェックポイント阻害剤
2. 抗CTLA-4抗体
3. 抗PD-1抗体
4. 抗PD-L1抗体
18-2 免疫チェックポイント阻害剤を含む併用療法
1. 抗CTLA-4抗体と抗PD-1抗体の併用療法
2. 抗PD-1抗体と多標的キナーゼ阻害剤(抗VEGF抗体)の併用療法
18-3 免疫チェックポイント阻害剤による免疫療法と従来の化学療法との効果発現の違い
18-4 免疫チェックポイント阻害剤に特有の有害事象
18-5 臨床効果予測および毒性予測のバイオマーカーの現況
第19章 がんのウイルス療法 (内橋俊大 藤堂具紀)
19-1 がん治療用ウイルス
1. 単純ヘルペスウイルスⅠ型(HSV-1)
2. アデノウイルス
3. レオウイルス
4. ワクシニアウイルス
5. その他
19-2 がん治療用ウイルスによる特異的抗腫瘍免疫惹起のしくみ
19-3 外来遺伝子発現型ウイルスを利用したさらなる抗腫瘍免疫の惹起
第20章 次世代ペプチドワクチン療法の開発 (塚原智英 鳥越俊彦 廣橋良彦 金関貴幸 Vitaly Kochin 佐藤昇志)
20-1 がん抗原の同定
1. forward immunology
2. reverse immunology
20-2 がん抗原ペプチドワクチンの第Ⅰ相臨床試験
1. サバイビン2Bペプチド
2. SYT-SSX転座融合遺伝子由来ペプチド
3. PBFペプチド
4. PBFペプチドとサバイビン2Bペプチドを用いたカクテルワクチン
20-3 細胞移入療法の効果と問題点
20-4 免疫チェックポイント阻害剤とがん抗原
20-5 がん幹細胞抗原の同定
日本語索引
外国語索引
1-1 がん免疫研究の歴史と展開
1-2 がんに対する免疫応答
1. 抗腫瘍免疫応答
1)自然免疫
2)獲得免疫
2. 腫瘍免疫制御
1-3 治療への応用
第Ⅰ部 抗腫瘍免疫応答
第2章 がんの免疫監視機構からがん免疫編集 (池田裕明)
2-1 がんの免疫監視機構の概念の提唱と議論
2-2 がんの免疫監視機構の再考とがん免疫編集仮説の提唱
2-3 がんの免疫監視機構の存在に対する批判と反証
2-4 ヒトにおけるがんの免疫監視機構
2-5 免疫監視機構にかかわる抗原の探索
2-6 ヒトのがん免疫療法におけるネオ抗原の意義
〔自然免疫〕
第3章 NK細胞 (小笠原康悦)
3-1 NK細胞とは
1. NK細胞の特徴
2. NK細胞の標的細胞認識機構
3-2 腫瘍免疫におけるNK細胞
1. サイトカインによるNK細胞の活性化
2. 活性化受容体NKG2Dとその役割
3. NK細胞とがん細胞との攻防
第4章 腫瘍免疫におけるNKT細胞の役割と臨床応用 (本橋新一郎 中山俊憲)
4-1 NKT細胞の分類
4-2 担がん症例におけるiNKT細胞の機能
4-3 iNKT細胞を用いた免疫細胞療法の臨床研究
1. 肺がんに対するiNKT細胞を用いた免疫細胞療法
2. 頭頸部がんに対するiNKT細胞を用いた免疫細胞療法
3. 先進医療としてのα-GalCerパルス樹状細胞療法
4. iNKT細胞を標的とした免疫細胞治療の今後の展開
第5章 自然リンパ球の機能と腫瘍形成 (廣田圭司)
5-1 ILC1の抗腫瘍活性?
5-2 ILC2の機能と腫瘍組織に与える影響
5-3 ILC3の機能と腫瘍形成
第6章 がんの免疫アジュバント療法 (瀬谷 司 松本美佐子)
6-1 抗がん免疫アジュバントの歴史
6-2 抗原提示樹状細胞のPRR
6-3 腫瘍関連マクロファージのPRR
6-4 腫瘍細胞のアジュバント応答
〔獲得免疫〕
第7章 がん抗原 (中山睿一)
7-1 免疫監視機構
7-2 がん抗原の発見
7-3 がん・精巣抗原(CT抗原)
7-4 ミュータノーム
第8章 がんに対するT細胞応答 (西川博嘉)
8-1 T細胞サブセット
1. 細胞傷害性T細胞(CTL)
2. ヘルパーT細胞(Th)
3. 制御性T細胞(Treg)
4. γδ T細胞
8-2 T細胞受容体(TCR)
8-3 T細胞活性化
8-4 がん抗原に対するT細胞応答
第9章 腫瘍免疫微小環境 (河上 裕)
9-1 がん関連微小環境におけるがん細胞促進的,免疫抑制的な環境
9-2 がん関連微小環境における免疫状態の個人差と腫瘍浸潤T細胞のがん治療への関与
9-3 抗腫瘍T細胞誘導系に関与するがん免疫病態とその機序
1. がん細胞のパッセンジャー突然変異に由来するネオ抗原に対する抗腫瘍T細胞の誘導
2. がん細胞の遺伝子異常によるケモカイン・サイトカイン産生低下による腫瘍浸潤T細胞の減少
9-4 抗腫瘍免疫抑制系に関与するがん免疫病態とその機序
1. 抗腫瘍T細胞を起点とした免疫抑制
2. がん細胞の遺伝子異常を起点とした免疫抑制
第10章 樹状細胞の生物学的特徴と樹状細胞標的療法の進歩 (藤井眞一郎)
10-1 樹状細胞の生物学的特徴
1. 樹状細胞の生理学的機能
2. 樹状細胞のサブセット
10-2 樹状細胞によるがんワクチン療法
1. ex vivo樹状細胞療法と問題点
2. in vivo樹状細胞標的ワクチンの開発:生体内の樹状細胞への抗原輸送
第11章 B細胞による腫瘍制御 (馬場義裕)
11-1 液性免疫とがん
11-2 B細胞による腫瘍免疫抑制
1. IL-10産生制御性B細胞
2. TGF-β産生制御性B細胞
3. その他のサイトカイン産生B細胞
11-3 B細胞によるがん細胞活性化
11-4 腫瘍免疫を正に制御するB細胞
第Ⅱ部 腫瘍免疫制御
第12章 制御性T細胞と腫瘍免疫 (坂口志文)
12-1 免疫自己寛容,腫瘍免疫とTreg
12-2 Treg機能の分子的基礎
12-3 生体内での腫瘍反応性T細胞の免疫状態
12-4 ヒトFoxp3+T細胞サブセットと腫瘍免疫応答
12-5 Tregを標的とした新しいがん免疫療法の確立に向けて
第13章 骨髄由来抑制細胞(MDSC) (垣見和宏 宮井まなみ)
13-1 MDSCのマーカーとサブセット
13-2 MDSCが腫瘍に集積するメカニズムと腫瘍内微小環境の形成
13-3 MDSCの免疫抑制作用とメカニズム
13-4 MDSCを標的とする治療
第14章 マクロファージの分化機構とがんにおける役割 (三野享史 竹内 理)
14-1 マクロファージの病原体認識機構
14-2 組織常在性マクロファージの分化機構
14-3 組織侵襲に対するM1マクロファージ,M2マクロファージの分化
14-4 腫瘍進行における腫瘍関連マクロファージ(TAM)の役割
14-5 TAMを標的としたがん治療
第15章 がん免疫における共刺激分子,共抑制分子と免疫チェックポイント (猪爪隆史 島田眞路)
15-1 がん免疫と免疫チェックポイント分子を介した免疫抑制
15-2 がん免疫に関与する共刺激分子,共抑制分子
1. CD28ファミリー
CTLA-4/PD-1/ICOS/TIGIT
2. TNF受容体スーパーファミリー
CD27/4-1BB/OX40/GITR
3. その他
CD226/BTLA/TIM-3/LAG-3
第Ⅲ部 治療への応用
第16章 遺伝子操作T細胞療法 ─CAR-T遺伝子治療を中心に─ (小澤敬也)
16-1 CAR-T遺伝子治療の基本コンセプト
16-2 CAR-T遺伝子治療とTCR遺伝子治療
16-3 B細胞性腫瘍に対するCAR-T遺伝子治療の臨床試験
16-4 CAR-T遺伝子治療の副作用と対策
16-5 CAR-T遺伝子治療の今後の展開
第17章 iPS細胞技術を用いたがん抗原特異的T細胞のクローニングと再生 ─他家移植の系で使えるT細胞製剤の開発に向けて─ (河本 宏 前田卓也 増田喬子)
17-1 T細胞をうまく使えばがんを治すことができる
17-2 リプログラミング技術を利用したT細胞のクローニング
17-3 他家移植への応用
17-4 臨床応用へ向けての留意点
17-5 具体的な計画と進捗状況
第18章 抗体療法(免疫チェックポイント阻害療法) (北野滋久 玉田耕治)
18-1 T細胞の活性化を制御する共刺激(活性,抑制)分子群
1. 免疫チェックポイント阻害剤
2. 抗CTLA-4抗体
3. 抗PD-1抗体
4. 抗PD-L1抗体
18-2 免疫チェックポイント阻害剤を含む併用療法
1. 抗CTLA-4抗体と抗PD-1抗体の併用療法
2. 抗PD-1抗体と多標的キナーゼ阻害剤(抗VEGF抗体)の併用療法
18-3 免疫チェックポイント阻害剤による免疫療法と従来の化学療法との効果発現の違い
18-4 免疫チェックポイント阻害剤に特有の有害事象
18-5 臨床効果予測および毒性予測のバイオマーカーの現況
第19章 がんのウイルス療法 (内橋俊大 藤堂具紀)
19-1 がん治療用ウイルス
1. 単純ヘルペスウイルスⅠ型(HSV-1)
2. アデノウイルス
3. レオウイルス
4. ワクシニアウイルス
5. その他
19-2 がん治療用ウイルスによる特異的抗腫瘍免疫惹起のしくみ
19-3 外来遺伝子発現型ウイルスを利用したさらなる抗腫瘍免疫の惹起
第20章 次世代ペプチドワクチン療法の開発 (塚原智英 鳥越俊彦 廣橋良彦 金関貴幸 Vitaly Kochin 佐藤昇志)
20-1 がん抗原の同定
1. forward immunology
2. reverse immunology
20-2 がん抗原ペプチドワクチンの第Ⅰ相臨床試験
1. サバイビン2Bペプチド
2. SYT-SSX転座融合遺伝子由来ペプチド
3. PBFペプチド
4. PBFペプチドとサバイビン2Bペプチドを用いたカクテルワクチン
20-3 細胞移入療法の効果と問題点
20-4 免疫チェックポイント阻害剤とがん抗原
20-5 がん幹細胞抗原の同定
日本語索引
外国語索引