カテゴリー: 地域医療 | 総合診療医学/プライマリ・ケア医学
在宅医療 臨床入門
改訂2版
いらはら診療所/国立長寿医療研究センター 和田忠志 著
定価
2,420円(本体 2,200円 +税10%)
- A5判 137頁
- 2018年4月 発行
- ISBN 978-4-525-20882-0
始める時は まずはここから,悩んだ時も やっぱりここから
現代型在宅医療の開拓者の一人である著者が在宅医療の導入から24時間対応,連携などまでを実用的な形で解説.具体的かつ実践的な内容にもかかわらず,在宅医療の理念や姿勢がおのずと身につく入門書.これから在宅医療に取り組む医師はもちろん,すでに関わっている医師も,悩んだ時には立ちかえりたい一冊です.
- 目次
- 序文
目次
序 論 現代の在宅医療
旧来の「往診」による在宅医療と「現代の在宅医療」
第1章 在宅医療の導入
1 初診の患者さんに往診を行うべきか
2 往診導入面接
3 医療に関してネガティブな印象を持っている患者さんに対して
4 訪問時の一般的な留意点
5 初回訪問時の対応
6 導入初期の臨時往診や臨時訪問看護
第2章 在宅医療を行うにあたっての留意点
1 医療材料や薬を自宅で取り扱うにあたって
2 アナフィラキシーショックへの対応
3 針刺し事故(血液体液暴露事故)
4 交通事故への対応
5 在宅医療現場で働く看護師の危険性への対応
第3章 診 察
1 必要な診療機器
2 問診と家族からの病状聴取
3 身体所見
4 その他の身体所見
5 複数医師による診察
第4章 検 査
1 在宅医療でどのような検査をするか
2 導入時の情報取得と定期的な検査
3 急性疾患への対応と自宅で可能な検査
4 在宅医療における設備や病診連携の考え方
第5章 家族のエンパワメント
1 在宅医療を取り巻く環境と家族の境遇について
2 家族の方法論を学ぶこと
3 家族の構造変化を知る
4 家族には歴史がある
第6章 緩和ケア
1 「バーチャルな告知」の現実
2 せめぎあいとの対面
3 人間関係の中で死のあり方を選択していくこと
4 自己決定はしばしば社会的なものである
5 家族への対応
6 独居者の在宅医療
7 在宅医療ではがんがあまり痛くないかもしれない話
8 非がん患者の緩和ケア
9 在宅緩和ケアにあたっての私たちの価値観について
第7章 24時間対応
1 24時間対応は日中の診療内容と不可分である
2 あおぞら診療所の医師の夜間呼び出しの実態について
3 電話を受ける手法
4 病院連携
第8章 訪問看護師との連携
1 訪問看護ステーション制度
2 訪問看護の適用
3 「医療機関から行う訪問看護」と「訪問看護ステーションから行う訪問看護」
4 医療サポートとケア全体の構築を訪問看護師に期待する
5 本人と家族の支援
6 24時間対応
7 訪問看護ステーションとの情報交換
8 医療処置などについて
9 訪問看護ステーションの選定
10 在宅療養現場での看護師労働の危険性についての配慮
第9章 薬局連携と処方
1 面分業
2 在宅医療における薬物療法の技術特性
3 訪問薬剤指導
4 在宅医療における投薬知識
5 デッドストックへの配慮
6 ホームヘルパーによる服薬介助
7 訪問看護との業務分担と連携
8 サービス担当者会議等への出席
第10章 歯科連携
1 在宅生活の基本的条件としての「食べること」
2 歯科適用について
3 歯科医師にどのような情報を提供するか
第11章 社会資源活用
1 介護支援専門員(ケアマネジャー)との連携
2 地域包括支援センター
3 障害福祉制度の活用
4 生活保護制度
5 成年後見制度
6 生活福祉資金(長期生活支援資金)貸付制度
7 生命保険と住宅ローンについて
第12章 虐待への対応
1 虐待の定義を知る
2 居宅での虐待のパターン認識と対応
3 多職種連携とカンファレンスの重要性
4 具体的な支援について
第13章 後継者を育成する
1 学生実習
2 臨床研修
あとがき
索 引
旧来の「往診」による在宅医療と「現代の在宅医療」
第1章 在宅医療の導入
1 初診の患者さんに往診を行うべきか
2 往診導入面接
3 医療に関してネガティブな印象を持っている患者さんに対して
4 訪問時の一般的な留意点
5 初回訪問時の対応
6 導入初期の臨時往診や臨時訪問看護
第2章 在宅医療を行うにあたっての留意点
1 医療材料や薬を自宅で取り扱うにあたって
2 アナフィラキシーショックへの対応
3 針刺し事故(血液体液暴露事故)
4 交通事故への対応
5 在宅医療現場で働く看護師の危険性への対応
第3章 診 察
1 必要な診療機器
2 問診と家族からの病状聴取
3 身体所見
4 その他の身体所見
5 複数医師による診察
第4章 検 査
1 在宅医療でどのような検査をするか
2 導入時の情報取得と定期的な検査
3 急性疾患への対応と自宅で可能な検査
4 在宅医療における設備や病診連携の考え方
第5章 家族のエンパワメント
1 在宅医療を取り巻く環境と家族の境遇について
2 家族の方法論を学ぶこと
3 家族の構造変化を知る
4 家族には歴史がある
第6章 緩和ケア
1 「バーチャルな告知」の現実
2 せめぎあいとの対面
3 人間関係の中で死のあり方を選択していくこと
4 自己決定はしばしば社会的なものである
5 家族への対応
6 独居者の在宅医療
7 在宅医療ではがんがあまり痛くないかもしれない話
8 非がん患者の緩和ケア
9 在宅緩和ケアにあたっての私たちの価値観について
第7章 24時間対応
1 24時間対応は日中の診療内容と不可分である
2 あおぞら診療所の医師の夜間呼び出しの実態について
3 電話を受ける手法
4 病院連携
第8章 訪問看護師との連携
1 訪問看護ステーション制度
2 訪問看護の適用
3 「医療機関から行う訪問看護」と「訪問看護ステーションから行う訪問看護」
4 医療サポートとケア全体の構築を訪問看護師に期待する
5 本人と家族の支援
6 24時間対応
7 訪問看護ステーションとの情報交換
8 医療処置などについて
9 訪問看護ステーションの選定
10 在宅療養現場での看護師労働の危険性についての配慮
第9章 薬局連携と処方
1 面分業
2 在宅医療における薬物療法の技術特性
3 訪問薬剤指導
4 在宅医療における投薬知識
5 デッドストックへの配慮
6 ホームヘルパーによる服薬介助
7 訪問看護との業務分担と連携
8 サービス担当者会議等への出席
第10章 歯科連携
1 在宅生活の基本的条件としての「食べること」
2 歯科適用について
3 歯科医師にどのような情報を提供するか
第11章 社会資源活用
1 介護支援専門員(ケアマネジャー)との連携
2 地域包括支援センター
3 障害福祉制度の活用
4 生活保護制度
5 成年後見制度
6 生活福祉資金(長期生活支援資金)貸付制度
7 生命保険と住宅ローンについて
第12章 虐待への対応
1 虐待の定義を知る
2 居宅での虐待のパターン認識と対応
3 多職種連携とカンファレンスの重要性
4 具体的な支援について
第13章 後継者を育成する
1 学生実習
2 臨床研修
あとがき
索 引
序文
初版から9年の時間が経過した.私も若いつもりでいたが,すでに医師としての活動のかなりの部分を終え,経験を後世の世代に受け継ぐべき年齢となった.この間に,この書を多くの若い医師たちに読んで頂き,深く感謝致している.
この9年間に在宅医療をとりまく状況は大きく変化し,在宅医療自体も大きな進歩を遂げた.国の在宅医療関連政策は,高齢者を主な対象として推進された地域包括ケアシステム構築から,全年齢を対象とする地域共生社会の構築が目指されるようになった.
私たちは,心ある臨床家によって1970年代から80年代にかけて実践蓄積された初期の「現代の在宅医療」を受け継ぎ,試行錯誤を重ねてきた.私たちは,在宅医療を行う医師はマイノリティであると考えてきたが,在宅医療は少しずつ市民権を得て,今はわが国に,ほぼ定着した感がある.若い医師たちの活躍も目覚ましいものがある.
私たちも努力してきたが,なお,在宅医療推進における問題は山積している.団塊の世代が後期高齢者となる都市部の問題,もはやコミュニティを維持できなくなりつつある過疎地の課題,小児在宅医療の課題など,である.若い世代の医師たちが果敢にそれらの課題に対決し,在宅医療の未来が切り開かれることを信じて,再度,この書を世に送りたいと思う.
2018年2月
和田忠志
この9年間に在宅医療をとりまく状況は大きく変化し,在宅医療自体も大きな進歩を遂げた.国の在宅医療関連政策は,高齢者を主な対象として推進された地域包括ケアシステム構築から,全年齢を対象とする地域共生社会の構築が目指されるようになった.
私たちは,心ある臨床家によって1970年代から80年代にかけて実践蓄積された初期の「現代の在宅医療」を受け継ぎ,試行錯誤を重ねてきた.私たちは,在宅医療を行う医師はマイノリティであると考えてきたが,在宅医療は少しずつ市民権を得て,今はわが国に,ほぼ定着した感がある.若い医師たちの活躍も目覚ましいものがある.
私たちも努力してきたが,なお,在宅医療推進における問題は山積している.団塊の世代が後期高齢者となる都市部の問題,もはやコミュニティを維持できなくなりつつある過疎地の課題,小児在宅医療の課題など,である.若い世代の医師たちが果敢にそれらの課題に対決し,在宅医療の未来が切り開かれることを信じて,再度,この書を世に送りたいと思う.
2018年2月
和田忠志