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カテゴリー: 臨床看護学  |  医学・医療一般

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まるっと! アドバンス・ケア・プランニング

いろんな視点で読み解くACPの極上エッセンス

1版

国際医療福祉大学成田病院 総合診療科 宇井睦人 編

定価

2,750(本体 2,500円 +税10%)


  • B5判  136頁
  • 2020年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-21031-1

話題のACPをいろんな視点で“まるっと"解説!

決して一筋縄ではいかない現場でのアドバンス・ケア・プランニング(ACP)について,疾患別(がん・非がん疾患)やシチュエーション別(外来・病棟・在宅),ライフステージ別(小児・妊婦)の考え方や進め方,さらに職種別の患者さんへの関わりかたを解説し,いろんな視点で“まるっと”ACPを取り上げます.

  • 序文
  • 目次
序文
 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)はその多くの要素をコミュニケーションに依拠しており,旅行ツアーのように「この目的で3泊4日でしたらこちらのコースが定番ですよ」などと定型的に作成できるものではない.「こういう回答が来たら,こう答えるのがベスト」などというアルゴリズムも存在しない.
 患者を野球のピッチャーにたとえれば,(サインは出せても)直球が来るか変化球が来るか,それとも暴投が来るかわからないのがそれを受け止めるキャッチャーのつらいところであるが,ACPでも同様に臨機応変な柔軟性と包容力を求められる.こちらが予想していない球,時には信じられないような暴投であっても,ピッチャーを非難せずドンと受け止めなければキャッチャーの務めは果たせない.ピッチャーが焦っているときはタイミングを見計らってマウンドに歩み寄り,すぐに投げさせず“あえて”間を置く時間をつくることも大切である.そもそもキャッチャーは「女房役」ともいわれるように,試合に出る前からピッチャーと何度もともに練習し,入念なコミュニケーションを通して関係性を深めておくのが常であろう.ACPにも似た性質があるのではないだろうか.
 本書には現在治療中の患者から,経験豊富な各職種の医療従事者まで,ACPについて珠玉とも呼べる貴重な文章を寄せてくださった(自分は患者さんがACPについてこれほど深く考え言語化されている文章には出会ったことがなく,読ませていただくたびに何度も衝撃を受けた).大変お忙しいなかご執筆をいただいた皆さまに,この場をお借りして深く御礼申し上げたい.
 治療中の患者・家族や現場で活躍する多職種がACPという横文字の概念をどう考えているのか,非がんの場合にはどのようにその違いと類似性をとらえているのか,そして真に患者や家族,地域社会に資するACPとは何なのか,などについて思索し,苦悩しているすべての方々がこの本から紐解いてくださることを期待して,本書の序文としたい.

2020年3月
宇井睦人
目次
第1章 患者さんが考えるACP
 私の考えるACP

第2章 ACP総論
 ACPの功罪
 ACPの世界的な潮流

第3章 がんのフェーズごとのACP
 一般的な外来受診時から始める場合
 一般病棟に入院中から始める場合
 腫瘍内科・緩和ケア外来から始める場合
 在宅医療から始める場合
 緩和ケア病棟に転院後から始めなければならない場合

第4章 がんとどこが違う? 非がんのACP
 心不全のACP
 誤嚥性肺炎のACP
 COPDのACP
 認知症のACP
 腎不全のACP
 神経難病のACP
 膠原病のACP

第5章 ライフステージの視点から考えるACP
 小児のACP
 妊婦のACP

第6章 多職種の視点から考えるACP
 医師
 病棟看護師
 訪問看護師
 家族支援専門看護師
 薬剤師
 医療ソーシャルワーカー
 チャプレン
 心理士
 患者サロン(ボランティア)

Column
 街場における意思決定
 もしバナゲーム
 尊厳ある生を支えるということと,安楽死
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